「LDH」が韓国系の“強面俳優”と契約 浮かび上がる両者の思惑とは

「LDH」が韓国系の“強面俳優”と契約 浮かび上がる両者の思惑とは

マ・ドンソク(Gage Skidmore, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons)

 EXILEのHIRO(53)が起業したことで知られるLDH JAPANが、韓国系アメリカ人の俳優とエージェント契約を結び、芸能界で話題になっているという。担当記者が言う。

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「LDHが1月11日に契約を発表したのは、俳優でプロデューサーのマ・ドンソクさん(51)です。ソウル生まれですが、一家でアメリカに移住したため18歳でアメリカ国籍を取得しました。ジョージア州のコロンバス州立大学で体育学を専攻し、フィットネスコーチなどの活動を経て、1994年にアメリカで俳優としてデビューしました」

 2002年には母国で映画のオーディションを受け合格。韓国でも俳優の活動を始めた。その後は着実に出演を重ね、ウィキペディアを見ると出演した映画だけで57本が記載されている。

 特に2016年のソンビ映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」[ヨン・サンホ監督、ツイン]で注目され、翌17年の主演作「犯罪都市」[カン・ユンソン監督、ファインフィルムズ]がヒット作となった。

 19年の「悪人伝」[イ・ウォンテ監督、クロックワークス]は観客動員が300万人を超えるメガヒット。シルヴェスター・スタローンによるリメイクも決定しているという。

 更に21年にアメリカで公開された「エターナルズ」[クロエ・ジャオ監督、ウォルト・ディズニー・ジャパン]では“ドン・リー”の芸名で出演。マーベル・コミックの実写化作品でアメリカに“凱旋”を果たした。


■LDHの多角化経営


 これだけ韓国とアメリカで活躍しているのなら、日本市場など無視してもおかしくない。なぜLDHと契約したのかと首を傾げてしまうが、業界関係者は「双方がWin-Winの関係を狙っていると思います」と言う。

「実はLDHは昨年2月、韓国のベンチャーキャピタルと組み、HIAN(ハイアン)という制作・配給会社を設立しました。早速、HIANは、マ・ドンソクさんの『犯罪都市2』を制作。マ・ドンソクさんは今後、LDHと協力して『犯罪都市』と『悪人伝』の日本版リメイクに関わるそうです」

 写真を見てもらえば分かると思うが、マ・ドンソクは強面の表情に、がっしりとした体格が印象的だ。実は笑顔が人気だったりするのだが、いかにも「犯罪」や「悪人」というタイトルの映画に出てきそうなイメージだ。

“不良”の大バトル映画「HiGH&LOW」シリーズを制作してきたLDHの“社風”とは合致する点が多い。実際、早くも出演を期待する声もあるようだ。

 LDHとマ・ドンソクの協力関係がどのような相乗効果を生み出すか、注目が集まっているわけだ。更に関係者の間では、LDHの“多角化経営”に対する関心も高まっているという。

「結局、音楽だけだと日本市場では頭打ちという現実があります。更に2016年には、週刊文春がLDHによるレコード大賞の買収疑惑を報じました。実はあれで、かなりイメージがダウンしましたし、EXILE TRIBEから派生したグループもぱっとしません。女性のグループや歌手もプロモートしていますが、こちらも厳しい状況です」(同・関係者)


■海外市場への挑戦


 音楽で成長が望めないなら多角化に打って出る、ということらしい。

「今のLDHは音楽部門より、むしろ俳優部門が活況を呈しています。この調子で伸びていけば、映画やテレビドラマにLDHの俳優が出演し、バーターで主題歌を担当するという戦略が可能になります」(同・関係者)

 マ・ドンソクとの契約は、基本はリメイク作品による日本市場を意識しているが、もちろん韓国市場に攻めていくことも視野に入っているという。

「日本版リメイクでしっかり利益を確保すれば、マ・ドンソクが主演の韓国映画に出資。韓国市場を足がかりに、アメリカでのリメイクにも関与する──そんな青写真も考えているでしょう。海外市場に打って出るLDHが成功するのか、失敗するのか、それともプラスマイナスゼロで終わるのか、芸能界が固唾を呑んで見守っています」(同・関係者)

デイリー新潮編集部

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