放送50回を迎えた「池の水ぜんぶ抜く」 かつての勢いは失っても番組を続ける方法

放送50回を迎えた「池の水ぜんぶ抜く」 かつての勢いは失っても番組を続ける方法

「池の水ぜんぶ抜く大作戦」公式サイトより

 テレビ東京の「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」といえば、放置された全国の池の水を抜き、在来生物を保護し、掻(か)い掘りを行って綺麗にするというコンセプトで生まれた、テレ東らしい番組だ。7月3日、記念すべき第50弾が放送されたが……。

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 この日のサブタイトルは、「沖縄神秘の島でオバケヤシガニ大発見 横浜の川に巨大ガメ出没で緊急出動だー」だった。

 最初の企画は、横浜市の住宅街を流れる用水路に熱帯魚が大量発生というもの。池ではないし、用水路の水を抜くわけにもいかない。熱帯魚のゴールデンゼブラシクリッド(41匹)とグッピー(42匹)を網ですくって終わった。

 続いて、これまで各地で捕獲してきたカミツキガメとワニガメとの闘いの歴史のダイジェストが20分ほど流れる。いよいよサブタイトルにもあった《横浜の川に巨大ガメ出没》である。巨大ガメが出没したという上流に向かうと、農業用の溜池にカメの姿を確認するも、田植え期のため水は抜けないとのことでこれも終了。カミツキガメとワニガメの捕獲はなかった。

 MCの田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、田中直樹(ココリコ)、そしてゲストの勝村政信らも来た宇都宮動物園のボート池で、ようやく水が抜かれた。そして大量のコイを捕まえると、雨が降り出したために打ち切られた。

《沖縄神秘の島でオバケヤシガニ大発見》は、ヤシガニの観察だった。

 ラストで大阪・八尾市の神社の池の水を抜いた。ブラックバスやブルーギルといった外来種を確保し、さらに大阪らしく、複数の財布が入ったカバンや自転車、車のナンバープレートが出てきた。ようやく「池の水」らしくなってきたところで、番組は終わった。サブタイトルにあった沖縄と横浜は、水が抜かれることもなかった。こういう番組だったっけ? 民放プロデューサーに聞いた。


■毎回一緒


「この日の視聴率は4・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)と、かつての勢いは失っています。不定期特番としてスタートした2017年当時は、MCのロンブー淳はじめ出演者の熱量も高かった。地域で行われている“掻い掘り”に目を付けた企画も、テレ東らしいものでした。芦田愛菜や小泉孝太郎など、普段バラエティ番組に出そうもない人たちが泥まみれで参戦することも話題となり、18年1月2日に放送された正月特番の視聴率は13・5%と、テレ東の顔と言える番組となりました」

 18年4月からは月1回のレギュラーに。

「数カ月に1本程度が放送されていた時と違い、毎月放送されるようになると、実は毎回似たり寄ったりの内容であることが視聴者に知られてしまった。どの池の水を抜いても外来種が跋扈していて、日本の在来種を脅かしているという構図は一緒。そして正直言って、画面が汚い。面白さがそれを上回っているならともかく、毎回、泥まみれのカメや気色悪い魚を映されてもねえ。それが『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)や『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)、NHK大河ドラマが立ち並ぶ日曜日に放送されるワケです。しかも食事時にわざわざ泥池を見たいという視聴者はいないでしょう」

 さらに、根本的な問題もある。


■年2回でいい


「保護した魚が酸欠で大量死したなどと報じられたこともあり、ロンブー淳やスタッフの熱量もなくなってきたように思います。今回は第50弾という節目にもかかわらず、放送ではそれに触れることもありませんでした。Wikipediaの放送回リストも19年8月以来更新されていません。これほど話題になった番組なら、通常はネット対応のスタッフもいて、公式Twitterやホームページの傍ら、こまめにWikipediaも更新するものですが、それもない」

 それでも番組の延命策はあるという。

「テレ東らしいユニークな番組ですから、このまま終わってしまうのはもったいない。月1回などと言わず、年2回くらいの特番にしたほうがいいと思います」

 番組スタート当初に戻すということか。

「日テレでいえば『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』、テレ朝系の『芸能人格付けチェック』、フジテレビの『世にも奇妙な物語』みたいでいいんですよ。毎月2時間半も放送しようとするから、水の抜けない所も放送せざるを得なくなる。『池の水』はテレ東のみならず、テレビ界の発明作品と言っていい。頻度を少なくして、末永く続けてもらいたいです」

デイリー新潮編集部

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