電撃結婚の滝沢カレン、異例の愛され力の理由とは 従来のおバカキャラとはひと味違うポイント

電撃結婚の滝沢カレン、異例の愛され力の理由とは 従来のおバカキャラとはひと味違うポイント

滝沢カレン

 電撃結婚を発表した滝沢カレンさん、おめでとうございます。先日の「IPPON女子グランプリ」での戦いぶりを思い出すような、驚きと笑いに満ちた結婚報告だった。

「記憶をほとんどその日に置いてくる私ですが、出会ったときの季節、景色を今でも思い出せます。それは私の見ている景色をいつもより色とりどりにしてくれる人でした」と、お相手と愛犬との写真を添えて投稿した文章は話題に。ありがちな定型文でもなく、自意識ダダ漏れの奇をてらったポエムでもない。滝沢さんにしか書けない独特で素直な表現に、ファンならずともついほほ笑みを浮かべてしまった人は多いだろう。

 モデルとして活躍後、初出演の「踊る!さんま御殿」で一躍ブレークしたカレンさん。ちょうど渡米したローラさんと入れ替わるように、ハーフのおバカキャラという枠を席巻した。どこか片言のような、奇妙な日本語使いにハマる視聴者が続出。中でも「四字熟語あだ名」は、今も語り継がれている。

 黒柳徹子さんの「早口国宝」や堺雅人さんの「恵比須顔」、今田耕司さんの「独身番長」。どれも言いえて妙である。東幹久さんの「何故色黒」や、松本潤さんの「俺松本潤」、チュートリアル・福田さんへの「全部普通」までいくと悪口っぽいが、それぞれ核心をついたワードチョイスで大爆笑を呼んでいた。

 おバカキャラとくくられるけれど、どうにもおバカキャラの枠におさまらない。カレンさんは異例のポジションで、スターの座へ駆け上がっていった。


■知性は捨てても品は捨てない ふとした瞬間に見える従来のおバカキャラとは真逆の精神性


 スザンヌさんに木下優樹菜さん、鈴木奈々さんに川栄李奈さん、岡井千聖さん、ゆきぽよさん。先に挙げたローラさん含め、この20年間でさまざまなおバカキャラの女性タレントが現れては消えていった。先日大学入学を果たしたスザンヌさんや、女優として頭角を現した川栄さんのようにキャラ変したタイプもいれば、木下さんや岡井さん・ゆきぽよさんのようにスキャンダルで表舞台から追われたタイプもいる。いずれにせよ、おバカキャラの賞味期限は思ったより短いというのが定説だったのではないだろうか。

 しかし滝沢さんの息は長い。キャラは全然変わらないのに、面白いと好意的に受け止められ続けている。最初はローラさんの二番煎じだとか、「ビジネスバカでは」と疑いの目を向けられていたものの、今や好感度タレントとして引っ張りだこだ。女性タレントにありがちな、「あの頃はキャラを演じていました」という暴露話もない。むしろ余計なうそをつかないように、気を付けている節が垣間見える時もある。

 無邪気にケラケラ笑っていても、ふとした瞬間に真顔になることも少なくない。感情が追いつかないときは、無理にしゃべらないようにしているのだろうか。取り繕って思ってもいないことを言う方が、失礼と思っているようだ。

 これまでのおバカキャラたちは、常識や周囲の思惑をものともしない鈍感さや騒々しさを面白がられていた。カレンさんは真逆だ。どんなに言葉遣いがチグハグになっても、丁寧さや礼儀は崩すまいという一生懸命さが際立つ。たとえ知性は捨てても品は捨てない。その頑固なまでのこだわりと謙虚さが、タレントたちからも愛されるゆえんなのだろう。


■妙な敬語グセが生み出した絶妙な距離感 特定の大御所イメージをつけずに広く浅く愛される強さ


 祖母からは「人間の誰よりも底辺だから」と厳しくしつけられ、誰に対しても敬語が抜けなくなったというカレンさん。だから友達ができにくく、できても距離の縮め方に悩むという。

 でもそれが、結果的に功を奏したのではないか。おバカキャラに限らず女性のバラエティータレントは、大御所MCの「お気に入り」という色をつけられやすい。木下さんと島田紳助さんしかり、指原莉乃さんと松本人志さんしかり、みちょぱさんと有吉弘行さんしかり。それは一見安泰に見えるが、お茶の間からは「虎の威を借る狐」だと反感を買うこともある。

 対して滝沢さんは、さんまさんの番組の常連ながら、個人的に近しいイメージはない。おぎやはぎさんや神田伯山さんとは冠番組を持ち、内村光良さんやバナナマンと共演していても、どの派閥にも属さないように見えるのだ。仕事関係者は尊敬していたいから、一定の距離を保ちたいと話していたことがあるが、知名度を問わず誰に対してもその姿勢なのだろう。神田さんは連絡先も知らないと明かしていた。

 笑顔の裏で、ストイックに自分の信条を貫くきまじめさと孤独。カレンさんに足らないのは知性ではなく、実は自己肯定感なのかもしれない。2年前の「情熱大陸」では、「そのままでいい。自分のいる意味や立場を考えすぎず、無理をしない」ことを心がけていると言っていたが、緊張した表情や試行錯誤する姿が印象的だった。言葉通りにいかない難しさ。その苦悩がまた、悩める現代人の心の底ともシンクロするのだろう。

 自分は運が悪い方だとも話していたカレンさんだが、彼女の言葉を借りれば「楽しい冒険」は始まったばかりだ。持ち前の品の良さとこだわりはそのままに、「生涯幸福」という四字熟語が似合う女性でいてほしい。

冨士海ネコ

デイリー新潮編集部

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