尾上菊五郎は海老蔵に「愛想を尽かした」? 團十郎襲名に大御所の辞退が続出!

市川海老蔵

 2年半にわたる延期を経て歌舞伎の大名跡〈市川團十郎〉を襲名する、市川海老蔵(44)の「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」までひと月あまり。このほど演目と出演者が決定したが、直後に出演者の辞退が相次いだ。歴史的な晴れ舞台を目前に控えて、何が起きているのか。

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 今年の冬、寒さを肌で感じる11月から12月にかけて、東京・銀座の歌舞伎座はファンの熱気で包まれそう。新・團十郎の初舞台は「勧進帳」「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」(11月)と、「京鹿子娘二人道成寺(きょうがのこむすめににんどうじょうじ)」「助六」(12月)となる。プラチナチケットになることは必至だが、事情を知る松竹関係者は肩をすくめる。

「出演者変更が相次いでいる。最たる作品が『助六』で、尾上(おのえ)菊五郎(79)と市川中車(ちゅうしゃ)(香川照之=56)の出演が取りやめになった」

 襲名披露の演目が発表されたのは一昨年2月。この時は菊五郎が主人公の助六の兄・白酒売新兵衛(しろざけうりしんべえ)役で、中車が顔面に隈取を施した道化の朝顔仙平(あさがおせんぺい)役で出演するとされていた。

尾上菊五郎

■愛想が尽きた


「菊五郎は先代の團十郎(故人)と並んで“團菊”と称された大名跡。二人は同じ世代の友人同士でした。菊五郎にとって海老蔵は、親しく付き合った友人の息子。幼少期から知るだけに、菊五郎の共演取りやめには梨園関係者からも“何があったんだ?”と訝しがる声が上がっているのです」

 一方の中車については言わずもがな。海老蔵から“兄さん”と呼ばれ慕われる間柄だったが、ホステスへのセクハラ騒動が元で辞退を余儀なくされたという。

「海老蔵との共演を避けたと目される菊五郎ですが、海老蔵の長男である八代目市川新之助(堀越勸玄=9)の初舞台『外郎売(ういろううり)』に主人公の敵(かたき)・工藤祐経役での出演が予定されている。それでも、幹部俳優が舞台にそろい踏みする襲名披露口上への登場は拒否しているそうです」

 ベテラン演劇記者の解説。

「いまや歌舞伎界のトップに君臨する菊五郎は、総勢342人の歌舞伎や新派の役者が所属する日本俳優協会の理事長職も務めている。團十郎ほどの大名跡となれば、協会の理事長が口上の三本締めの音頭を取るのが通例です。仮に菊五郎が出なければ、歌舞伎史に残る前代未聞の事態です」

 もっとも、菊五郎はその理由を明らかにしている。

「本人は“脚の状態が良くない”としていますが、過去には椅子に座って出た人もいました。多くの関係者は、菊五郎が身勝手な海老蔵に愛想を尽かしたと見ています」

香川照之

■「海老蔵にそこまでする気になれない」


 確かにここ数年、海老蔵はさまざまな批判を浴びてきた。

「歌舞伎座公演には1年近く顔を出さず、チケット代が超高額な自主公演を優先してきましたからね」

 他のベテラン勢も同様で、

「当初は片岡仁左衛門(78)と坂東玉三郎(72)も、ひと月にわたって新・團十郎が武蔵坊弁慶を演じる『勧進帳』に出演するはずでした。ところが今回、二人から“1カ月も演じるのは無理”との申し出があり、限定2日間という異例の特別公演に変更されたのです」

 先の松竹関係者が言う。

「彼らに團十郎の襲名を心から祝い、海老蔵を支えてやろうとの気持ちがあったなら、1カ月は無理をしてでも出たはずです。残念ながら、いまの海老蔵ではそこまでする気になれないということでしょう」

 めでたいビッグイベントのはずが、斯界に響くのは「自業自得」の声――。

「週刊新潮」2022年9月22日号 掲載

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