火曜21時に引っ越した「科捜研の女」 意外なライバルに苦しめられて早くも窮地に

火曜21時に引っ越した「科捜研の女」 意外なライバルに苦しめられて早くも窮地に

主演の沢口靖子

 リニューアルした「科捜研の女 2022」(テレビ朝日)の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、世帯:以下同)がいまひとつである。初回の11・9%以外は、全て1桁なのである。テレ朝“BIG3”の一角を占める「科捜研」に何が起こっているのか。

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 1999年10月にスタートした「科捜研の女」は、現行の連続ドラマの中では最長寿シリーズだ。今回でSeason22となる「科捜研」は、主演の沢口靖子(57)と刑事の内藤剛志(67)こそ変わらないが、大きな変化があった。まず、これまで放送されてきた木曜20時から火曜21時に引っ越ししたのだ。民放プロデューサーは言う。

「『科捜研』は初期のSeason1とSeason2こそ平均視聴率は9%台でしたが、2001年のSeason3からSeason20まで常に2桁を維持してきました。驚くべきことに、初回からSeason17の200回スペシャル(第17話)までの全平均視聴率は12・3%だそうです。いかに安定した人気を保ってきたか分かります。ところが、昨年のSeason21の平均視聴率は9・6%と、2桁を割ってしまいました。さすがの『科捜研』も飽きられ始めたとテレ朝も考えたのでしょう。木曜20時枠の視聴者の若返りを図るため、伝統の木曜ミステリー枠をなくすことを発表しました。しかし、『科捜研』の存続を求める声が少なくなかったため、火曜21時に引っ越したわけです」

 もっとも、第2話以降の視聴率は8~9%と、昨年以上に上がっていない。


■緻密すぎる分析について行けない


「放送枠のみならず番組もリニューアルされました。科捜研の研究員に小池徹平(36)を迎えて若返りを図り、研究所のセットも一新されました。オープニングはじめ映像やテロップ、脚本までスタイリッシュになったのです」

 各回のサブタイトルも変わった。デイリー新潮は「最長寿ドラマ『科捜研の女』に異変 沢口靖子演じる『マリコ』が仮面ライダー化?」(18年12月13日配信)で、サブタイトルの遊びについて報じている。例えば、Season18第16話のサブタイトルは「地獄のバスツアー/マリコVSバスジャック犯!! 100均グッズで決死の鑑定」。一体どんなストーリーなのかと興味をそそられた。

 それに比べ、11月15日放送のサブタイトルは「天才科学者VSサル」と素っ気もない。

「今シーズンでは100均グッズでの鑑定などやりそうもありません。科学的な分析捜査は緻密さを増し、難しすぎてついて行けないことがあるほどです。『天才科学者VSサル』でも、ドローンを使って空中に浮遊しているカメのDNAを採取するシーンまでありました。眉唾かと思いましたが、空気中から採取したDNAを解析して動物の種類を特定できたという研究論文が今年1月に発表されたそうです。最新の研究を盛り込むのは結構ですが、よほどの科学通でないとついて行けませんよ。前シーズンまでの“ほっこり人情路線”はなくなってしまいました」

 それが視聴率低迷の理由だろうか。


■引っ越し先の不幸


「その上、画面が全体的に暗く、陰鬱な感じがしてしまいます。とはいえ、原因はそれだけはありません。火曜21時への引っ越しは失敗だったと見ています」

「科捜研」の火曜21時には、強豪がひしめいている。

「11月15日の放送をコア視聴率で上から並べてみると、『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ)が5・2%、『マツコの知らない世界』(TBS)が4・6%、『ニュースウォッチ9』(NHK総合)が1・8%、『所JAPAN』(フジテレビ/関西テレビ制作)が1・6%、『科捜研』は1・5%とブービー。最下位が『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京)の0・9%です」

 やはり、裏番組が強すぎたのか?

「興味深いのが『鑑定団』との戦いです。世帯視聴率で見ると、『科捜研』の8・4%に対し『鑑定団』は7・1%と、なかなか健闘しているのです。『科捜研』の主力視聴者層であるF3層(50歳以上の女性)では、『科捜研』の9・7%に対し『鑑定団』は7・8%。M3層(50歳以上の男性)では、『科捜研』の6・3%に対し『鑑定団』は7・1%と完全に食い合っているのです」

 まさにいい勝負だ。

「50歳以上の視聴者層といえば、生活スタイルが保守的と言われています。長年の視聴習慣もそう簡単には変えようとしません。ドラマでは最長寿の『科捜研』ですが、『鑑定団』はそれよりも古い1994年のスタートで、テレ東の看板番組のひとつです。『科捜研』にとっては、引っ越し先にとんでもない厄介者がいたということでしょう」

 テレ朝は他局の番組を分析しなかったのだろうか。

「調査不足と言われても仕方がないでしょう。『科捜研』の分析捜査は緻密になりましたが、編成の調査能力はそれほどでもなかったということですね」

 今後、「科捜研」はどうなるのか。

「さすがに世帯で8%を割ると打ち切りも視野に入れてくるかもしれません。今期で終わりというわけではないでしょうが、テレ朝と制作の東映が話し合いを持つはずですよ」

デイリー新潮編集部

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