辞めキンプリ3人の今後 韓国芸能プロ、CULEN、BE:FIRST移籍の可能性を業界通に聞いた

辞めキンプリ3人の今後 韓国芸能プロ、CULEN、BE:FIRST移籍の可能性を業界通に聞いた

岸優太、平野紫羅、神宮寺勇太

 5人組男性アイドルグループ「King & Prince(キンプリ)」の平野紫耀(25)、神宮寺勇太(25)、岸優太(27)の3人が、来年5月をもってグループを脱退するのは知られている通り。平野と神宮寺は同時にジャニーズ事務所も退所し、岸も来秋には同事務所を離れる。退所後の3人の転身先は決まったのだろうか。


■元SMAP3人との合流は?


 ジャニーズ事務所の内部事情に通じた民放幹部や芸能プロダクション幹部たちに話を聞いた。

 まず噂されている説を検証してみたい。最初に元SMAPのチーフマネージャー・飯島三智氏(64)が興した芸能プロ・CULENにキンプリを離れる3人全員、あるいは1人か2人が移籍するという説を確かめた。

 CULENには現在、元SMAPの稲垣吾郎(48)、草なぎ剛(48)、香取慎吾(45)が在籍している。キンプリのメンバーが移籍したら、強力な戦力になるだろう。

 もっとも、芸能プロ幹部、民放の幹部たちは一様に「あり得ない」と強く否定する。CULENの内部からも噂に戸惑う声が漏れている。そもそも同社はジャニーズ事務所を辞めた人間の受け皿として設立されたわけではないのだ。飯島氏とキンプリを離れる3人との直接的な関係もない。

 ジャニーズ事務所の有力幹部だった飯島氏は2016年1月、同事務所を去った。

 飯島氏が手掛けていたSMAPは同年12月末で解散。翌2017年9月、稲垣、草なぎ、香取は退所し、慕っていた飯島氏の元へ走った。CULENはこの3人のためにつくられた会社にほかならない。

 もしもCULENがジャニーズ事務所を去った人間の受け皿になるつもりなら、かつて飯島氏がマネージメントした山下智久(37)=2020年退所=たちも誘うはずだが、そんな動きを見せたことはない。山下は個人芸能プロで活動している。

 1月からは草なぎがCULENへの移籍後、初めて民放の連続ドラマに主演する。フジテレビ系の関西テレビ(大阪)が制作する「罠の戦争」である。在阪局とNHKはジャニーズ事務所との関係が薄い分、CULENの3人が活躍しやすい。

 それでも名優の草なぎの民放初主演までSMAP解散から5年かかった。また、これで飯島氏の目標が達成されたとは思えない。

 現役時のSMAPの面々を取材した際、驚かされたのは飯島氏の熱意だ。既にSMAPは売れっ子だったし、飯島氏はジャニーズ事務所幹部だったにもかかわらず、頭を深々と下げ、SMAPへのさらなる支援を求めた。メンバーへの愛情は並大抵ではなかった。


■ジャニーズ事務所退所組の受け皿ではない


 飯島氏の目指していることは唯一、自分を頼ってきた草なぎら3人を再び檜舞台に立たせることに違いない。キンプリの3人のみならず、ジャニーズ事務所退所組を新たに引き受けるとは到底思えない。

 飯島氏はジャニーズ事務所と戦い、勝とうとしているわけではないのだ。もしも争うつもりなら、かつて手掛けたSexy Zoneらを同事務所から引き抜いているだろう。

 ほかにも飯島氏がキンプリの3人を引き受けない理由はある。草なぎら3人はほとんど民放に出ないが、それは民放側がジャニーズ事務所を刺激したくないから。ようやく草なぎが関西テレビでの主演を得たところで、CULENがキンプリの3人を獲得したら、民放側が態度を今より硬化させかねない。

「飯島さんがそんなリスクを取るはずがない」(民放幹部)


■BE:FIRSTと合流の可能性は?


 大晦日の「NHK紅白歌合戦」に初出場する7人組男性ボーカルグループ「BE:FIRST」をプロデュースするSKY-HI(日高光啓[35])の元へキンプリをやめる3人が走るという説も根強い。

 実現すると、日高氏が代表を務める芸能プロ・BMSGに移籍という形になるが、これについても芸能プロ幹部たちが「ない」と断じる。

 この説は日高氏が元ジャニーズJr.だったこともあって浮上したようだが、芸能プロ幹部がこう解説する。

「BE:FIRSTは『ジャニーズ勢とは全く違った男性グループ』を目指してオーディションを行い、昨年11月にデビューし、成功している。そんな芸能プロにジャニーズ事務所勢が加わったら、武器である新鮮味や独自色が損なわれてしまう。そもそも日高氏はジャニーズ事務所のコンセプトを踏襲していない」(芸能プロ幹部)

 キンプリを離れる3人が逸材とはいえ、BMSG陣営も人材難ではないというわけだ。

 ジャニーズ事務所側とキンプリを離れる3人は約半年前から活動方針などについて話し合いを続けてきた。しかし溝が埋まらず、退所に至った。

 その間、3人が水面下でよその芸能プロと独立時のバックアップや移籍などについて交渉をしていた形跡はない。

 3人は独立や移籍をにらんだ上でジャニーズ事務所と話し合いをしていたわけではなかったのだ。その点、潔いと言える。芸能人の独立や移籍は用意周到に行われることが多いが、3人の場合はそうではない。


■韓国芸能プロ入りの可能性


 韓国芸能プロへの転身はあるのだろうか。ここでも韓国芸能プロ側による「獲る価値があるのか」という判断が行われるが、日本でのマーケット拡大が見込めるので、3人の獲得には十二分にメリットがあるだろう。

 問題は3人がボーカリストとしてだけでなく、俳優としての評価も高いということ。例えば現在放送中の「クロサギ」(TBS)に主演している平野紫耀は俳優としても買われている。ワイルドな雰囲気が魅力だ。稽古を積んでも出せない独特の味わいがある。3人とも俳優も続けたいのではないか。

 韓国芸能プロへの移籍となると、出演する映画、ドラマも韓国作品が中心となるが、言語の壁を乗り越えられるのか。

 女優の笛木優子(韓国芸名・ユミン[43])ら成功例もあるものの、笛木は現地で韓国語を猛勉強し、日本人への差別にも屈しなかった。3人が韓国芸能プロに移籍した場合、同じ試練を乗り越えなくてはならない。

 次に3人がそれぞれ独立した場合だが、少なくとも経済的な心配は全くない。ファンクラブを立ち上げたら、現在のファンたちがドッと加入する。その年会費だけで莫大な金額になる。

 元光GENJIの諸星和己(52)も独立後に経済面で困ることは一切なかった。ファンクラブの年会費だけで数千万円の収入があったとされるからだ。

 諸星はその分、イベントなどのファンサービスを手厚く行った。ファンは諸星と直に接触できる機会が増え、むしろ喜んだ。

 現時点では3人の転身先は白紙というのが実状。既存の芸能プロが動いているという話が全くないため、「芸能界と無縁の事業家が芸能プロを立ち上げ、3人全員か、何人かを所属させるんじゃないか」と読む芸能プロ幹部もいる。

 その場合もファンクラブがあるので経済的には不安はない。ただし、仕事面での道のりは平坦ではないことが予想される。


■退所後の3人の道のりは


 日本財団の笹川陽平会長(83)や孫正義・ソフトバンクグループ株式会社代表取締役会長兼社長(65)らが手腕を高く評価し、芸能界を知り尽くしていた飯島三智氏すら、ここまで来るには相当の苦労を強いられた。

 退所後の3人に対する公正取引委員会の庇護を期待する声もあるが、公取委の考え方は「競争を制約する行為が行われた時、独占禁止法上の問題になる」というものである。

 民放などが「ジャニーズ事務所の現役組に出て欲しいから、独立した人は使いません」と自主判断したら、それを独禁法違反に問うのは難しい。共演NGも同じ。良し悪しは別とし、それが現実である。

 芸能界はタレントも人、育成するのもマネージメントするのも人、起用するのも人。その点、特別な世界である。

 平野、神宮寺、岸がジャニーズ事務所の次に自分を託す人は誰になるのか。その選択が命運を分ける。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。大学時代は放送局の学生AD。1990年のスポーツニッポン新聞社入社後は放送記者クラブに所属し、文化社会部記者と同専門委員として放送界のニュース全般やドラマレビュー、各局関係者や出演者のインタビューを書く。2010年の退社後は毎日新聞出版社「サンデー毎日」の編集次長などを務め、2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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