「水ダウ」漫才師“解散ドッキリ企画”が炎上 「放送事故寸前」の声にテレビマンは困惑

「水曜日のダウンタウン」芸人解散ドッキリ企画が炎上 ネット「放送事故」と指摘も

記事まとめ

  • 浜田雅功と松本人志が司会を務める「水曜日のダウンタウン」で芸人解散ドッキリを放送
  • ベテラン漫才コンビのおぼん・こぼんに対するドッキリ企画が、ネット上で話題となった
  • ネット上では「放送事故」と指摘され、現場サイドは「言い過ぎだと思う」と反論も

「水ダウ」漫才師“解散ドッキリ企画”が炎上 「放送事故寸前」の声にテレビマンは困惑

「水ダウ」漫才師“解散ドッキリ企画”が炎上 「放送事故寸前」の声にテレビマンは困惑

おぼん・こぼん(トービックHPより)

■ダウンタウンもナイツも顔面蒼白?


 電子版の国語辞書「デジタル大辞泉」(小学館)は、「放送事故」を次のように定義している。「設備の故障や技術的な不手際、演出・進行上の手違いなどで、予定していた放送ができなくなること。また、意図していなかった放送をしてしまうこと」――。

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 スポニチアネックス(電子版)は2月28日、「8年間私語なし…大御所コンビの解散ドッキリが反響 後輩ナイツが平謝り『本当に怖かった』」を配信、大きな話題となった。

 浜田雅功(55)と松本人志(55)が司会を務める「水曜日のダウンタウン」(TBS系列:水曜・午後10時〜午後10時54分)は、2月27日、「芸人解散ドッキリ、師匠クラスの方が切ない説」というコーナーを放送した。

 上記の記事は、ベテラン漫才コンビのおぼん・こぼんに対するドッキリが特にネット上で賛否両論を巻き起こしたことを報じたものだ。

 まずは27日に放送された番組内容を振り返ろう。ターゲットとなったおぼん・こぼんはコンビ結成53年目。そして近年、コンビ仲が極めて悪く、8年間も私語をしていないという。

 おぼん(70)が仕掛け人となり、こぼん(70)に嘘の解散話を持ちかけて反応を見るというのが設定。見届け人はナイツの塙宣之(40)と土屋伸之(40)が務めたが、2人ともコーナーの冒頭から「かなり攻めた人選」、「本当に怖い」などと戦々恐々としていた。

 そもそも、おぼん・こぼんとナイツは社団法人漫才協会に所属し、こぼんとナイツの3人は協会の役員を務めている。ナイツの2人は、おぼんとこぼんのリアルな人間関係を熟知しているのだ。

 いよいよドッキリが幕を開けるが、そもそもコンビ仲が極めて悪いため、仕掛け人のおぼんは、こぼんを呼び出すことができない。事情を知るマネージャーがこぼんを連れてくるという冒頭の場面で、かなりの緊張感が走る。

 おぼんは嘘の解散話を切り出さなければならないのだが、なんとコンビ結成時に遡り、過去のわだかまりについて糾弾を始めてしまう。こぼんのうんざりした表情は、極めて印象的だ。

 結局、おぼんは謝罪を求めて一歩も引かず、逆に、こぼんが「そんならもう辞めてしまいましょう」と解散を提案。騙す側と騙される側の役割が入れ替わり、隠しカメラで様子を見ていたナイツの表情が凍り付く。

 スタジオでVTRを見る浜田と松本もワイプで映し出されるのだが、絶句してしまったり、「あかん、あかん」と呟くことしかできない場面も少なくなかった。

 解散が決まってしまったため、ナイツは待機していた部屋を飛び出し、慌ててこぼんにドッキリだと告げる。こぼんは「シャレになるドッキリと、ならんドッキリがあるで」と吐き捨て、持っていたおしぼりをナイツに向かって叩きつける。

 こぼんに向かってナイツは平身低頭するばかり。話は前後するが、この「水曜日のダウンタウン」がオンエアされた後、ナイツの2人は2月28日に「高田文夫のラジオビバリーヒルズ」(ニッポン放送:月〜金・午前11時半〜午後1時)に出演した。

 そしてドッキリの収録中「(自分たちへの)逆ドッキリであってくれ」と願っていたと告白した。おぼんとこぼんのリアルなケンカを目の当たりにして、身の縮む想いだったのだろう。


■現場サイドは反論


 この「水ダウ」の放送終了後、ネット上ではたちまち賛否両論が巻き起こった。そして批判的なスタンスの書き込みで散見されたのが「放送事故」という単語だ。

 冒頭でご紹介した通り、辞書における「放送事故」の定義は厳密だ。番組が放送されず、「しばらくお待ちください」のテロップが表示されるような事態を指す。

 しかしながら、「『水曜日のダウンタウン』大御所へのドッキリに『放送事故では…』視聴者騒然」(しらべえ:2月28日)といった記事が配信されたのは事実。ここで言う「放送事故」とは、要するに「お茶の間向きではない」とか「予定調和がゼロで後味が悪い」というくらいの意味だろう。

 これに対し、ライバルの民放キー局で番組制作を担当する男性は「TBSを庇う必要もないですが」と前置きした上で、「放送事故」の指摘は「言い過ぎだと思います」と困惑する。

「あのレベルで放送事故寸前と言われてしまうから面白いバラエティ番組が生まれない、というのが本音です。『水ダウ』のスタッフにとって、あのドッキリは最高の展開でした。演出の狙い通りに収録を終えることができたんです。この程度の企画や、口論している様子が放送NGになってしまうと、私たちは何も作れなくなってしまいます」

 加えて担当者は「ヤラセ疑惑の言及が極めて少なかったことも考えさせられました」と言う。

「普通、バラエティのドッキリと言えば、ヤラセ批判がつきものです。特にネット上では“地上波のドッキリは全てヤラセ”という言説さえ受け入れられていますが、今回の『水ダウ』では、そうした非難の声は皆無でした。それだけ『水ダウ』が攻めている番組だと認知されているのでしょう」

 2018年には、同番組の芸人の連れ去り企画で、本当の事件だと誤解した通行人が相次いで110番通報を行い、警視庁に厳重注意されている。こうした“前科”が、ヤラセ疑惑を封印してしまったようだ。

 ドッキリであるとネタばらしが行われた後の様子も、VTRで紹介された。スタッフと共に正座するナイツの2人に対し、こぼんは「でもテレビのエンターテインメントとしては、面白くもなんともないでしょう」と冷静な口調で語りかける。

「こぼんの言う通りだ。ベテラン芸人のケンカを見せられても、バラエティ番組としては面白くない」と番組を非難する意見と、「いや、こんなに攻めたバラエティ番組はない」と擁護する意見、果たして多数派を占めるのはどちらだろうか?

週刊新潮WEB取材班

2019年3月4日 掲載

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