MALIA.、矢口真里、三船美佳……「我慢しない女」たちは現代の薬となるか

MALIA.、矢口真里、三船美佳……「我慢しない女」たちは現代の薬となるか

三船美佳

 女性が強くなった、と言われる現代。我慢するのを止めた女性が増えただけでは、と感じている。セクハラ問題がクローズアップされるようになり、熟年離婚を切り出す妻が増えた。そしてその女性たちの勢いは、一部の男性にとっては攻撃されそうな不安を感じるのかもしれない。あるいは、何か利益を奪われるような恐怖感もあるのだろう。我慢するのが嫌な女性に対し、傷ついたり損することが男性は嫌なのだろうと思う。

 自分と別れても、びくともしない女たち。自分でそれなりに稼ぎ、すぐに恋人ができ、社会的にも居場所のある女。そういう女性を見るだけで、プライドが傷つく男性もいるだろう。MALIA.、矢口真里、三船美佳はそういう女である。

 この3人、全員36歳の同い年と聞いて、三者三様の人生に感慨深いものがある。共通点は3人とも10代半ばから芸能の仕事をしていること、あと名前のイニシャルがM。そして過去のゴタゴタで嫌われやすいことだろうか。

 4度目の離婚をしたMALIA.、当時の不倫相手と再婚し妊娠発表をした矢口、泥沼離婚から再婚を果たした三船。令和という新元号発表と同時に新たなスタートをきった“3M”。新元号にかこつけて、ホントに懲りない女たち。どんだけ面の皮が厚いんだ。そんな批判も多かった。面の皮、やっぱり3mくらいはあるんだろうか。特に三船美佳の大げさな笑顔、その奥にどんな計算を隠しているのか怖いくらいだ。もう何デニールの厚さなんだよと突っ込んでしまった。

 しかし私は不思議と、この懲りなさはあっぱれだなとも思った。失敗に厳しく、我慢が美徳とされる世の中に逆行するような生き方。すぐにネットで炎上してしまい、息苦しささえある芸能界。だからこそ、誰に何を言われようと突き進む行動力って、実は現代人たちにとってすごく欲しいものなんじゃないか。そして、欲しいけどなかなか手にできないものだったりするんじゃないだろうか。同世代でくすぶっている自分としては、むしろうらやましささえある。


■我慢するのが嫌いな女の筆頭 3Mは令和時代の特効薬!?


「結婚できない中年の共通点」とか、「だからあなたはお金に困る」とか、「40代から転落する人の思考」とか、毎日のように見る。不安を煽る世の中、不安商法は大流行りだ。そして追い打ちをかけるように、SNSやインターネットは格差を浮き彫りにする。同世代のきらびやかな生活、次から次へと出てくる若い才能。その裏で、行動して失敗する人間を今か今かと待っている。一度餌食になったら最後、匿名の大衆に骨の髄までしゃぶられる。こうして将来の不安と他人の目にからめとられて、なかなか一歩が踏み出せない。だから事態は変わらず不満が溜まっていく。真面目にやっても報われないという怒りを抱え、他人叩きにストレスのはけ口を見出す人も多いのではないか。

 それに引き換え3Mたちは、奔放に見える。他人の目や常識など気にしないかのようだ。だけど彼女たちは中年と言える年齢でも再婚ができ、離婚してもお金に困ることもなく(矢口に至っては多額の慰謝料まで払った)、転落したと見えてもしぶとく芸能界に生き残っている。懲りない女、媚びない女、忖度しない女。男にも世間にも主導権を渡さない女。つまり、自分たちの予想がつかないことをする女。でもそれって裏返せば、すごいエンターテイナーでもある。

 毎日が変わらないと感じるストレスは、自分で変えることでしか解消できない。3Mたちはそう知っているのではないだろうか。傷つくことも嫌だけど、我慢することはもっと嫌。なぜなら我慢は停滞だから。取りようによっては厚かましい。けれどもそういう考え方は、我慢し過ぎで鬱屈している現代人にはかっこうの特効薬にならないだろうか。ま、スプーン一杯くらいでまずは様子を見てみるとしよう。

(冨士海ネコ)

2019年4月11日 掲載

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