渡辺直美、神木隆之介、土屋太鳳CMタレントTOP3 大谷翔平と大坂なおみはギャラ1億?

記事まとめ

  • CMタレントTOP10上位は渡辺直美、神木隆之介、土屋太鳳、吉岡里帆、西島秀俊
  • 大谷翔平と大坂なおみのCMギャラは1億円を軽く超えているという
  • イメージが突出して良く、格別の宣伝効果が期待できるそう

1億円超!? 「大谷翔平」と「大坂なおみ」のCMギャラが群を抜いて高い理由

「CM界には『ギャラのランク表』があり、最高は大物俳優と大物女優の1億円」。こんな話が過去に何度も報じられた。ご記憶の方も少なくないだろう。とはいえ、長くCM業務を担当してきた芸能プロダクション幹部は「ランク表なんて存在しないし、芸能人に1億円のギャラなんてあり得ない」と一笑に付す。CMのギャラの真実とは?

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 1位・渡辺直美(31)、2位・神木隆之介(26)、3位・土屋太鳳(24)、4位・吉岡里帆(26)、5位・西島秀俊(48)――。統計分析などを行う株式会社サイカが4月に発表した「平成最後の春に向けたテレビCMタレントTOP10」(関東地区)のうち、上位5人の名前である。

 2019年の1月から3月までの間に流れたCMで、誰のものが多かったのかを同社が調べた。トップの渡辺の場合、契約しているアフラックやボートレースなどのCMが計9万135秒も流れたという。

 ただし、流れた時間の長さとギャラは別問題。昭和期からCM業務を担当し、その内実を知る芸能プロダクション幹部はこう語る。

「現在、CM界で最高クラスのギャラを得ているのはメジャーリーガーの大谷翔平(24)とプロテニス選手の大坂なおみ(21)。2人とも1億円を軽く超えている。芸能人のギャラは高くても5000万円強」

 芸能人が安いというより、そもそも1億円以上のギャラが破格なのだという。デフレが長く続き、利益率の高い高額商品があまり売れない今、CMのギャラに5000万円以上を費やせる商品や企業は、ごく限られているのだそうだ。

「それぞれの商品には、売上見込み額などから割り出す広告宣伝費の枠がある。『売上見込み額の数パーセント』などと決まっている。なかなかモノが売れない時代に、5000万円以上のギャラを出すのは難しい」(芸能プロダクション幹部・以下同)

 では、どうして大谷、大坂は1億円以上なのだろう。

「イメージが突出して良く、格別の宣伝効果が期待できるから。2人とも類い稀なる実力の持ち主である上、大谷は24歳、大坂は21歳と若く、爽やか。また、スポーツ選手は性別や年齢を問わず幅広い層に向けての発信力を持っているので、CMには格好」


■ライバルに“対抗”で起用


 超一流プロスポーツ選手はCMのギャラが高い理由は、ほかにもある。

「本業で桁違いに高額なギャラが得られるため、芸能人ほど積極的にCMに出ようとはしない。それなのにスポンサー側は何とか引っ張り出そうとするので、おのずとギャラが高くなっていく」

 大谷の場合、日本ハム時代からセイコーなどのCMに登場してきたが、エンゼルス入りした2018年からは新たにJALとも契約。セイコーとJALのギャラが同額かというと、そんなことはない。どんなプロスポーツ選手、芸能人であろうが、CMごとにギャラはバラバラ。一律ではないのだ。だから「ギャラのランク表」は作れないのである。

「大谷、大坂の場合も1億円以上という大まかな相場があるだけ」

 なぜ商品や企業によってギャラが違うかというと、その理由はこうだ。分かりやすくするため、極端な例で説明したい。

 同じ人物が100円のお菓子と100万円の軽自動車のCMに出たとする。当然、2つの商品は見込まれる売上高も利益率もぜんぜん違う。このため、同じギャラを支払えるはずがない、というわけだ。

「薄利多売の商品で5000万円もギャラを使ってしまったら、よほど売らない限り、採算が合わない」

 さて、大谷が契約したJALのライバルというとANAだが、そのANAのCMに今年から登場しているのが大坂である。

「ライバル企業が大物を担ぎ出したら、同クラスの大物の起用に躍起になるというのは昔からよくある話」

 CM界で今も語り継がれているのは、サッポロビールとアサヒビールの面子を懸けた対決。1970年、サッポロが三船敏郎さん(1920〜1997)を起用し、「男は黙ってサッポロビール」と言わせて大ヒットすると、アサヒは翌71年、高倉健さん(1931〜2014)を担ぎ出した。そして「いっしょに飲んで貰います」と言わせたのだ。

 一方、女性の大物芸能人たちが登場するのは化粧品のCM。ところが、意外やそのギャラは高くないのだという。

「たとえば、5000万円でほかの商品のCMに出ている女優が、化粧品なら3000万円でも出演をOKすることがある。化粧品のCMは完成度を追求するので、映像も音楽も凝る。だから、製作費が高くつき、その分、高額のギャラを捻出しにくい。片や女優側からすると、自分を美しく撮ってくれるから、多少ギャラが安くても目を瞑る」

 つまり、芸能人側が出たいと望むCMはギャラが安くなるし、敬遠されると高くなるのだ。


■芸能人が躊躇するCM、業界ごとのギャラ事情


 どんなCMを芸能人は躊躇するのだろう。

「たとえば、金利が高く、取り立ても厳しくて、社会問題化していたころの消費者金融。今はメガバンクの系列になることなどによって、コンプライアンス面が整ったので、売れっ子も出るようになった」

 CMに頼る部分が大きいファッション業界や通販業界などのギャラも概ね高い。半面、激しい価格競争を繰り広げている業界は、宣伝以外のところに予算を費やす必要があるため、どうしてもギャラは安くなってしまう。宅配便業界などである。

「今、ギャラの水準が高いのは、携帯電話会社とゲーム会社。どちらも他社との競争が激しい一方、資金力があるから」

 目立つことを嫌う銀行業界はギャラも標準的なのだという。自動車業界は商品の単価が高いのでギャラもいいが、各社によってその金額はかなり違うそうだ。

「トップメーカーのトヨタのギャラが一番高額かというと、必ずしもそうではない。そもそもトヨタは芸能人に頼るようなCMを作らない。銀行の場合、その銀行の口座を作らされて、ギャラを入金した通帳を持ってこられたことがある(笑)」

 では、スポンサーは何を基準にしてCMに起用する芸能人を決めているのか。2018年、渡辺直美を起用した企業は12社もあった(ニホンモニター調べ、以下同)が、渡辺に依頼が相次ぐ理由は?

「1990年代までは、リサーチ会社による『好感度調査』の上位組や、高視聴率ドラマの主演女優らに狙いが定められていて、それは今も続いているが、新たな判断材料になっているのはインスタグラムやツイッターのフォロワー数」

 確かに、渡辺のインスタのフォロワー数は多く、約880万人にも達している。芸能人では断トツの1位。

「今のスポンサーはフォロワー数で人気度を計っている。また、フォロワーが商品を買ってくれることも期待している」

 インスタのフォロワー数の2位はローラ(29)。やはりジムビーム(サントリー)など数多くのCMに登場している。2018年は12社のCMに出演した。3位はモデルで女優の水原希子(28)。女優としてはパイプレーヤーだが、こちらもパナソニックなどとCM契約を結んでいる。SNSでの人気とCMの数が、軌を一にする時代になりつつあるようだ。


■CM降板を決めるものは


 一方、同じ商品のCMに、長く起用される芸能人と、そうでない人がいる。芸能人側としてはずっと起用されていたいはずだが、なぜ消えていく人もいるのだろう。

 たとえば、上戸彩(33)は2007年から現在まで12年連続でソフトバンクのCMに登場している。上戸は04年、05年、06年、09年、10年、15年に女性芸能人の中で最も多くCMに起用されたが、長い契約が目立つのも特徴。一例を挙げると、AOKIは03年から契約が続いている。

「CMが長く続くかどうかには、その商品や企業の売上高、業績が深く関係する。商品も企業も好調なら、大抵は契約が続く」

 スポンサーは、いいときはCMを変えたくないが、悪いときは「CMに問題がある」と考えがちで、一新したがるのだという。

「CMのキャラクターが不動か、逆に猫の目のように変わるかで、その商品の売れ行きや企業の業績がうかがえる」

 上戸を使い続けているソフトバンクの業績はどうかというと、やはり好調。2007年度に2兆7761億円だったグループの連結売上高が、18年度には9兆6022億円になった。おまけにCMの中身も評判高いのだから、上戸を降ろす理由などないだろう。

 とはいえ、本人が不祥事を起こせば降板を余儀なくされる。その際、違約金の支払いは義務なのだろうか。支払うとすると、いくらなのだろう。3月にコカイン所持で逮捕されたピエール瀧(52)もLIXILのCMから消えたが……。

「契約書には『反社会的行為は犯さないこと』『商品や企業のイメージを損ねる行為はしないこと』『競合他社のCMには出演しないこと』といった禁止事項が必ず盛り込まれており、それに違反した際は違約金を支払うことになっている。金額はスポンサーに与えた損害の度合いによるが、受け取ったギャラの全額かそれ以上。ただし、降ろされた芸能人のすべてが違約金を支払っているわけではない」

 どういうことか。

「たとえば、逮捕された芸能人の場合、仕事がなくなるので、ある程度の貯えがあろうが、高額な違約金を支払うのは難しい。スポンサー側とすれば、民事訴訟を起こし、強制執行の申し立てをすればいいのだけど、それでは自分たちのイメージダウンになる恐れがある。また、裁判に時間がかかると、やはり企業イメージに傷がつく。結局、芸能人側に金銭的余裕があり、その上で進んで違約金を支払おうとしない限り、スポンサー側はあきらめるしかない」

 実際、CMの違約金に関するトラブルや裁判は聞いたためしがない。スポンサーが騒ぎになることを避けているからだろう。

 昭和期までのスポンサーは、芸能人がCM契約中に離婚することを極端に嫌がり、離婚した場合は契約を打ち切ることすらあったが、今では泥仕合にならない限り、とがめられないという。時代の流れに合わせて、スポンサーの意識も変わった。2018年11月に歌手で俳優の及川光博(49)と離婚した女優の檀れい(47)もサントリー・金麦のCMに切れ目なく登場している。


■ギャラ“上限”はあの女優


 では、どのCMに出演している芸能人のギャラが上限の5000万円強なのだろう。

「その一人はJR東日本『大人の休日倶楽部』のCMにおける吉永小百合さん(74)でしょう。旅客業である同社の宣伝費枠はもともと大きく、一方で大物女優である吉永さんは好感度も昔から高いから。特に『大人の休日倶楽部』のターゲットであるミドル、シニア層にウケがいい」

 渡辺直美のボートレースのギャラも高額だという。

「本人の人気が高い上、公営ギャンブルは宣伝に頼る部分が大きく、予算が潤沢だから」

 でも、公営ギャンブルの売上高なら、JRAのほうが上だ。そのCMには、松坂桃李(30)、高畑充希(27)、柳楽優弥(29)、土屋太鳳、中川大志(20)、葵わかな(20)が若手の人気者たちが登場しているが、やはり出演陣のギャラは高額なのだろうか。

「それほど多くのギャラは出ない。1人で出演しているわけではないから。1つのCMの予算は決まっているので、複数で出演すると、その分、1人当たりのギャラは下がる」

 ほかにもこんな話がある。

「芸能プロ側が、若手をPRのつもりで、格安のギャラでCMに出すこともある。だから、CMに出れば儲かるとは限らない。中堅どころも『売れてない』と思われるのが嫌で、ギャラが安いCMを引き受けることもある。これが大物になり、断れる立場になると、話は別。ギャラが希望額に達するまで、相手側と何度でも交渉する。希望額に達しなかったら、断ってしまう。そのほうが違うCMのギャラ交渉でも足下を見られずに済む」

 CMは15秒、30秒、せいぜい1分程度の短い世界だが、その舞台裏には語り尽くせない物語があるようだ。

高堀冬彦/ライター・エディター

週刊新潮WEB取材班編集

2019年5月22日 掲載

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