「半沢直樹」は7年で復活、10年以上経って続編が制作される連ドラといえば?

 堺雅人(45)がようやく民放連ドラに帰ってくる。NHK大河「真田丸」(16年)で主演の真田幸村(信繁)を演じて以来、連ドラの仕事を受けなかったが、ついに決意を固めたのが「半沢直樹」(TBS系)の続編だ。“やられたらやり返す、倍返しだ!!”のキメ台詞が大人気となり、最高視聴率は最終回(13年9月22日)の42・2%(ビデオリサーチ調べ:関東地区、以下同じ)。第2シリーズは来年4月のスタートというから、実に7年ぶりの放送である。

 だが、上には上がいるもので……今年はそれが多いのだ。

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 他局プロデューサーは言う。

「『半沢直樹』はその後、TBSの“日曜劇場”枠に続く『ルーズヴェルト・ゲーム』(14年4月期、主演:唐沢寿明)、『下町ロケット』(15年10月期、主演:阿部寛)、『陸王』(17年10月期、主演:役所広司)、『下町ロケット2』(18年10月期)、さらにこの夏の『ノーサイド・ゲーム』(19年7月期、主演:大泉洋)へと続く、池井戸潤・原作のシリーズ第1弾でした。TBSは長年、『半沢直樹』の続編を打診していると言われていましたが、事務所がなかなか首を縦に振らなかった。他局の我々も、もう無理じゃないの?と思っていましたが、TBSの粘り勝ちですね。それにしても、第1シリーズが終わってから、特番も映画も挟むことなく、7年を経て第2シリーズというのは、非常に珍しい」

 確かに、連ドラの続編は、通常は1〜3年以内に制作される。それ以上、空く場合は、映画や単発の特番が挟まれることが多い。もしくは、連ドラの後、特番で終わるパターンだ。

 織田裕二の「踊る大捜査線」(フジテレビ系)は、テレビシリーズは1作(97年1月期)が制作されたのみだった。にもかかわらず、劇場版は4作(98年、03年、10年、12年も制作されたほか、スピンオフの劇場版も「交渉人 真下正義」(05年)、「容疑者 室井慎次」(05年)も公開された。その間に特番やら特別編、スピンオフといった数々の関連番組が制作され、シリーズ放送から15年にわたり制作され続けた。

 また、キムタクの「HERO」(フジテレビ系)は第1シリーズ(01年1月期)の放送から13年を経て、第2シリーズ(14年7月期)が放送された。もっとも、こちらも06年に特番が放送され、07年には劇場版が封切られた。さらに第2シリーズ終了後の翌15年にも劇場版第2弾が公開されている。映画公開前の大宣伝として連ドラの第2シリーズが作られたパターンだ。

 連ドラ放送後に特番を続けたケースは、トレンディドラマを代表するW浅野(浅野温子&浅野ゆう子)主演の「抱きしめたい!」(フジテレビ系)だろう。最初に放送されたのは88年7月期だが、翌89年と90年に単発の特番を1本ずつ放送。9年後の99年に特番で復活し、さらに14年後の13年に特番となった時には14年ぶりの復活と話題になった。

 珍しいところでは、97年10月期に放送された「ぼくらの勇気 未満都市」(日本テレビ系)で、KinKi Kidsの2人が主演し、嵐の松本潤と相葉雅紀が連ドラデビューした作品。最終回での台詞「20年後の今日、またこの場所に集まろう」に合わせて、本当に20年後の17年に特番で続編が放送された。20年という長期のスパンは非常に珍しい。

「『ぼくらの勇気』の出演者には、20年の間に芸能界を引退したジャニーズJr.もいましたからね。特番では一夜だけの復活として出演していましたが、ジャニーズ繋がりだからできたことで、通常ならあり得ない。それほど、期間を空けると続編は作りにくいのです。ましてや連ドラのシリーズものは、より作りにくいわけです」(同・他局プロデューサー)


■新作で失敗するより復活で


 だが、今年は「半沢直樹」よりも長いスパンを開けて復活するドラマが2本もあるのだ。

 年内放送と発表されているのは、オダギリジョー(43)が主演の「時効警察」(テレビ朝日系)の第3シリーズだ。最初に放送されたのは06年1月期で、翌年4月期には「帰ってきた時効警察」として復活。時効が成立した未解決事件を“趣味で”捜査するコメディドラマだが、実社会では10年4月に殺人などの凶悪犯罪の公訴時効が廃止されたことで、新シリーズはないと思われた。しかし、それ以前に時効が成立した事件は残っている、と12年ぶりの復活が決定したのだ。

 さらに10月期には阿部寛(54)が主演の「結婚できない男」(フジテレビ系)は、何と13年ぶりに復活する。第1シリーズ放送時(06年7月期)は、本当に独身だった阿部(当時42歳)も放送の翌年に結婚。「結婚できない男が結婚できることになりましたので……」と会見を開いた。結婚できたのに、「結婚できない男」を再び演じさせようとするのはなぜだろうか。

 上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)が解説する。

「視聴者のテレビ離れが進むいま、二桁の視聴率が取れるドラマは1クールに2〜3本しかなく、7〜8%も取れれば御の字です。そんな中、下手な新作ドラマで冒険して大失敗するよりも、テレビ局にはある種の保険があったほうがいいわけです。『結婚できない男』も『時効警察』も10年以上経っているので、当時とは視聴者層が違う。『小学校のころに聞いたことがあるような……』という世代にとっては“新製品”と思えるでしょうし、現在のメイン視聴者層である50代、60代にとっては懐かしく、ある程度の計算ができる。上手くいけば二桁も狙えるかもしれません。現在、テレ朝が日テレの三冠王を奪おうという位置になったのは、『相棒』や『科捜研の女』などの長期シリーズの成功があってこそ。それを羨む局は、今後、過去の人気作をどんどん復活させていくかもしれません。そういえば『ショムニ』(フジテレビ系)や『コード・ブルー』(同前)も長いスパンを空けて復活したように思います」

 江角マキコの「ショムニ」は98年、00年、02年と第3シリーズまでテンポよく放送された。03年に特番が放送され、10年を経て13年に第4シリーズが放送されている。

 またヤマピーの「コード・ブルー―ドクターヘリ救急救命―」は08年に第1シリーズ、翌年に特番を挟んで、10年に第2シリーズ、7年をおいて17年に第3シリーズが放送された。

「フジはヒット作が多かったから、いい資産運用ができるかもしれません。とは言っても、挑戦ではなく、後ろ向きな話ですけど……」(同・碓井教授)

 TBSにしてみれば、7年経っても「半沢直樹」は色褪せない自信作なのだろう。

週刊新潮WEB取材班

2019年6月4日 掲載

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