引退から20年「元人気AV女優」の経営者セミナーが人気のワケ

 ブルーフィルムからDVD、インターネットまで。日本におけるポルノの歴史は再生する媒体の技術革新と共に歩んできた。1990年代後半、まだVHSが全盛だった時に人気を誇ったのが、元AV女優の小室友里さん(43)だ。引退から20年。彼女の経営者向けセミナーが活況を呈している。

 往年のファンが回想する。

「当時はレンタルビデオ店に行っても、小室友里の作品は全て“貸出中”。なかなか借りられない女優でしたよね……」

 Windows95が発売され、インターネットが普及し始めた黎明期、20歳で彗星の如くデビューした彼女は瞬く間にトップ女優へと上りつめた。

「もともとアダルトビデオに出るつもりはなかったんです」

 とは、小室さんご本人。

「当時はコンビニで時給800円のアルバイトもしていましたし、当時の事務所の社長に“嫌なら3本で辞めればいい”と言われ、グラッときて……」

 結果、約60本の作品に出演し、99年に引退する。

「3年半もキャリアを積むと、目新しさがなくなって、やりたくないこともやらされそうになります。そこで引退することにしました。女優時代に稼いだのは3千万円くらい。スポーツカーが好きで、乗り換えたりしていたら蓄えはなくなってしまいました」

 引退後、ライターや舞台女優として活動していた彼女に転機が訪れる。

「2005年に一般男性と結婚し、13年に離婚しました。その時に男性心理を理解していたら、離婚に至らなかったなと思って。1年の勉強の後、心理カウンセラーの資格を取得したんです。人は愛に満たされないと健康になれないと考え、“ラブヘルスカウンセラー”と名乗ることにしました」

 HPを立ち上げるが、

「カウンセリングの仕事をしようとするも、なかなか集客に結び付かないので、異業種交流会に参加。そこから口コミで広がり、男女関係の心理に特化したセミナーをするようになりました。次第に経営者の方への講演活動も増え、いまは月に数本、講演料は15万円でやらせていただいてます」


■AloneとWith


 最近では5月20日に東京の三鷹商工会で「経営者・管理職のためのコミュニケーションスキルアップ講座」を開いている。

 商工会の担当者が言う。

「男性が気づきにくい、触れづらいポイントをご講演いただき、好評のうちに終えることができました」

 小室さんに改めて聞く。

「男女の心理の違いとして、男性はAlone、女性はWithというお話をよくしています。男性は悩み事を誰にも相談しないけど、女性は人に話して安心したい。男性が女性に“わかるよ”“そうだよね”と共感を示すとコミュニケーションが円滑にいきます。逆に女性が男性に接する時は“さすが”“すごいね”と自尊心を刺激してあげます」

 部下の誉め方も重要だ。

「女性の部下を一人だけ誉めると“彼女だけ”と職場でやっかむ声が生まれてしまいます。朝礼の時に一人の女性に言及するのではなく、全員を誉めるか、部下と1対1の時に誉めるか、どちらかが良いと思います」

 豊富な経験に裏打ちされた言葉の数々。直接聞いて脳内での“再生”をオススメしたい。

「週刊新潮」2019年6月13日号 掲載

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