加藤茶夫人・綾菜の便乗デビュー 足りないものは「ぶりっ子」力?

 有名人の家族や恋人が、家族の名前を足がかりに芸能界デビュー。この手であまり成功した例は聞かないものだ。板野友美の妹。浜崎あゆみの元カレ・内山麿我。ビッグダディの元妻・美奈子。安達祐実の母に至ってはヘアヌード写真集やAVまで出したが、代表作すら思い出せない。ついこないだは小林麻耶の夫も「あきら。」の名前でデビューすることが決まったという。どの面々にしても、もともと出たがりだったのね、という冷ややかな目と、どこに需要があると踏んでのデビューなのか、という疑問がつきまとう。

 そしてこのほど、加藤茶夫人の綾菜も芸能界デビューが決まった。以前から芸能関係者への売り込みがしつこかったとの報道もあるが、満を持して、といったところだろう。結婚当初は遺産狙いだと疑われ、派手な交友関係や塩分過多の食事をブログにあげては「夫が早死にするように仕向けている」と言われていた彼女。最近はだいぶ慎ましやかになってきたと、評判が上向きに変わってきた中での芸能界入りである。むしろここへ来て、夫もいよいよと見越しての動きなのかと思うのは下衆の勘ぐりが過ぎるだろうか。何を売りに、どんな層をターゲットにした芸能活動なのか全く持って不明だからである。

 ちなみに親友・鈴木奈々と同じ芸能事務所に所属したという。楽天対ロッテ戦での始球式を長引かせすぎて、猛バッシングにあった鈴木。週刊誌の「嫌いな女性タレントランキング」では第2位になるという憂き目に合っている鈴木と、仲良しとわざわざ言うのは悪手に思える。友達思いアピールなのか、鈴木の失脚した後釜を狙っているのかはわからない。鈴木と同じ、おバカキャラやギャルキャラでいくのか。それとも夫大好きキャラでいくのか。言えることは、全て飽和状態で新鮮味のない立ち位置だということだ。そしてそれに気づかずいいように引っ張り出されては、年老いた夫も辛いだろう。


■便乗デビューに必要なのは、アイドルや女子アナのぶりっ子力


 昔はアイドルなどがよく、「家族が勝手に事務所に履歴書を送ってしまい、それがデビューのきっかけになった」「友達のオーディションについて行ったら、私がスカウトされた」というエピソードが語られたものだ。自分から芸能界に入ろうとガツガツしていたわけではない。だけど、どうしてもと周囲の後押しがあったから、リクエストにお答えしました、という言い訳である。

 あるいは、フリーになった女子アナがよく言う、「私はアナウンサーなので、ドラマ出演の打診に驚きましたが、せっかくなので挑戦します」という言い訳。「自分を女優と思うような勘違い女じゃないですよ」というエクスキューズと、「本業はアナウンサーなので、演技が下手でも許してくださいね」という予防線。

 おそらく身内のおかげで芸能界デビューした面々には、嘘でもそういうぶりっ子力が問われる。嫌よ嫌よも好きのうち、ってやつである。全然芸能界なんて興味なかったんですけど、という姿勢。身内のおかげで声をかけてもらったのはわかっていますが、どうしてもと言われたので、という見せかけの謙虚さ。コネも運の強さもまた才能ではあるけれど、自分の力だけで世の中に出た、という態度ではそっぽを向かれがちだ。理不尽だが、ちょっと遠慮がちで欠点がある方が、可愛いと思ってもらえる時代である。

 さて、綾菜夫人にこのぶりっ子力は発揮できるか。ブランドものを身につけ、男友達と写真に収まるような真似はもうできない。あるいはそのままでいたいなら、キャラ立ち優先で「悪妻」キャラを貫くという異端の道もある。かつての野村沙知代夫人のように。とはいえ、愛しのカトちゃんももう76歳。心穏やかに過ごしたいだろう。妻の芸能活動については「ちょっとだけよ、あんたも好きねえ」と軽い感じで釘を刺しておいた方が良いのかもしれない。

(冨士海ネコ)

2019年6月22日 掲載

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