香取慎吾主演「凪待ち」への期待と、稲垣吾郎主演「ばるぼら」への不安

 間もなく封切りされる香取慎吾(42)主演映画「凪待ち」(6月28日公開)は、いまやバイオレンスの巨匠・白石和彌監督(44)、期待の新作だ。

 一方、今年公開予定という稲垣吾郎(45)主演の「ばるぼら」は、手塚治虫(1928〜1989)原作の同名マンガの実写化だが、一向に公開時期が発表されず、「お蔵入り?」なんて声も聞こえてくる。

 現在、民放地上波で、元SMAPのメンバー3人が演じている姿を見ることはなくなった。そんな中で公開される、慎吾ちゃんと吾朗ちゃんの新作の行方は――。

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 まずは28日公開の「凪待ち」は、ギャンブルで身を持ち崩した中年男(香取)が恋人と共に彼女の実家(宮城県石巻市)に移住して、人生を再生させようとするストーリー。脇を固めるのは、リリー・フランキー(55)、西田尚美(49)、そして白石映画の常連の音尾琢真(43)。撮影は昨年夏に行われたという。

 また白石監督作と言えば、「凶悪」(13年)、「日本で一番悪い奴ら」(16年)、「弧狼の血」(18年)など、バイオレンスたっぷりの作風で知られる。今年4月には、ピエール瀧(52)が出演していることで公開が危ぶまれた「麻雀放浪記2020」のノーカット公開を決断したことでも話題となった。そんな白石作品に慎吾ちゃんが主演するのだから、どうなるのかと期待は高まるが――。映画評論家の北川れい子氏に聞くと、

「元SMAPの慎吾ちゃんも四十過ぎですから、もう立派な中年男。ギャンブルにはまった中年男が人生のやり直しを図り、居場所探しをするストーリー。白石監督も今回はアクションをほとんど封印して、主人公に寄り添うように撮っています。ただ、慎吾ちゃんも戸惑いがあるようで、どう演じたらいいのか手探り状態のところが前半部分で見えました。いつもの白石作品を期待している人には、物足りないかもしれませんね。また、彼のファンにとって、老け込んだ姿がどう取られるのか……大ヒットは覚つかないですね」

 これまでにない慎吾ちゃんを見たい方にはオススメ、ということか。


■「ばるぼら」はミニシアターで?


「むしろ、今年2月に公開された稲垣さんの『半世界』(阪本順治監督[60])のほうが良かった。同じように迷える中年男を演じていますが、同級生の長谷川博己(42)、渋川清彦(44)とともに、残りの人生を見つめ直すというもの。稲垣さんもこれまでにない素朴な姿を演じていましたが、こちらのほうが自然でしたね。そういえば、彼の新作『ばるぼら』はまだ試写の案内が来ないけど、どうなっているのかしら?」(同・北川氏)

 そう、デイリー新潮でも、手塚治虫の異色作である「ばるぼら」が吾朗ちゃんと二階堂ふみ(24)のW主演で実写化されることについては、「正式発表された稲垣吾郎主演映画『ばるぼら』新宿2丁目で行われた打ち上げ秘話」(18年12月7日配信)という記事でお伝えした。監督は手塚の長男であるヴィジュアリストの手塚眞氏(57)、映像監督にはクリストファー・ドイル(67)を招いた、日・独・英の合作映画だ。撮影は昨年夏に撮り終え、11月に正式に発表された。

 ところが今年公開と言ったまま、いまだ試写、公開予定も発表されていないのだ。一説には、「配給が決まらず、お蔵入りかも」という情報も……。

 映画ジャーナリストの大高宏雄氏は言う。

「確かに、近年は邦画の公開数が増えすぎて、お蔵入りとなる作品が増えつつあります。例えば、6月22日に公開された『カスリコ』(主演・石橋保[53])という作品は、殺陣師の高瀬将嗣さん(62)が監督して昨年2月に完成したものの、1年以上配給が決まらず、やっと公開できた作品です。昨年はおよそ1万2000本もの邦画と洋画が公開されていますが、それでもスクリーンにかけられない作品があるんですよ。デジタル化で映画を作りやすくなりましたからね」

「ばるぼら」はどうなるのか?

「いやいや、手塚治虫原作で、稲垣さんと二階堂さんを使っていますから、さすがにそれはないと思います。ただ、息子の手塚監督は、独立系の映像作家ですからね、あまりにアート作品になってしまうと、大手の配給は乗ってこないかもしれません。その代わりと言っては何ですが、東京には今、ミニシアターが増えつつありますからね。昨年12月にできたアップリンク吉祥寺など、わずか29席しかないシアターですし、映画の製作・配給を手がけていたキノフィルムズも、ミニシアターに乗り出しています。キノフィルムズは洋画の買い付けに熱心なあまり、公開が追いつかずにタブつき始めたために、自前のシアターを作っています。そういえば、元SMAPの最初の映画『クソ野郎と美しき世界』の配給協力、稲垣さんの前作『半世界』と香取さんの『凪待ち』もキノフィルムズの配給です。『ばるぼら』は配給しないんですかね?」(同・大高氏)

 ミニシアターで公開? むしろ舞台挨拶を間近で見られていいかも。あとは草なぎ剛(44)の主演作を待つだけ。

週刊新潮WEB取材班

2019年6月29日 掲載

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