視聴率戦争、「世界水泳」で余裕のテレ朝に対し、日テレは「ラグビーW杯」で勝負

■フジは柔道にバレー、TBSは陸上


 来年のビッグイベントといえば、東京五輪であることは言うまでもない。とはいえ、今年の夏から秋にかけても、スポーツのビッグイベントが目白押しなのをご存知だろうか?

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 スポーツといえば、ドラマもバラエティも視聴率の低下に苦しんでいるテレビ局にとっては手堅いコンテンツ。さっそく番組制作の関係者に、今年の夏から何が起きるのか、話を聞いた。

「今や視聴率は10%に乗せれば成功という時代です。そんな中、番宣に最も力を入れているのはフジテレビでしょう。8月25日から世界柔道選手権の東京大会、9月14日からは横浜や大阪などでバレーボールのワールドカップが開かれ、共にフジが中継します。開幕まで2か月以上の余裕があるのですが、既に『バイキング』といった人気番組のテーブルには、大会名の書かれた番宣プレートが置かれています。異例とも言える長期プロモーションを敢行するようです」

 フジテレビが視聴率の低下に苦しんでいるのは、ご存知の通りだ。スポーツ中継で挽回と考えているのかもしれない。一方、知名度の高い大会を中継する局は、もう少し余裕があるようだ。

「世界水泳といえばテレ朝。反射的にB’zの『ultra soul』が頭に流れる人も多いでしょう。今年は韓国・光州で7月21日から開催されます。TBSなら世界陸上。こちらはカタールのドーハで9月27日に幕を開けます。キャスターは当然ながら織田裕二さん(51)と中井美穂さん(54)。共に公式サイトを開設するなど、着々と番宣を進めています。とはいえ、フジよりは静かな印象ですね。認知度は充分ですから、テレ朝もTBSも余裕なのでしょう」(同・番組制作関係者)

 しかし、フジに負けじと力を入れているのが、日本テレビだという。中継を行うのはラグビーのワールドカップ。9月20日から日本各地で試合が開催される。

「6月18日の『踊る!さんま御殿!!』では、日本代表の田中史朗(34)、堀江翔太(33)、田村優(30)、稲垣啓太(29)、坂手淳史(26)、福岡堅樹(26)の6人が出演するなど、局を挙げて盛り上げようと必死です。あらゆる番組にラグビーW杯をPRするよう依頼が来ているそうです。しかし、困っている番組スタッフも少なくありません。正直なところ、視聴率も不安があります。前回(2015年)、イングランドで開催されたW杯は日本が南アフリカに勝利して大きな話題となりましたが、まだまだマイナースポーツであるのは事実ですからね」(同・番組制作関係者)


■意外にガチは成功?


 ラグビーW杯日本大会に日テレは、応援団長・舘ひろし(69)、スペシャルMC・上田晋也(49)、スペシャルサポーター・櫻井翔(37)という“宣伝要員”を準備している。3人を日テレで見る機会は増えそうだ。

 ところが、日テレの関係者によると「いや、意外に日テレの社内は、ラグビーPRで盛り上がっていますよ」と明かす。

「そもそもラグビーの番宣は、上からの指示なのでやらざるを得ません。ならばブーブー文句を言っても仕方ない。積極的に参加して楽しんだほうが精神衛生上にもいいわけです。もちろん、査定の対象になっているということも大きいですけどね(笑)」

 日テレで“伝説”になっているのは1991年の世界陸上。長嶋茂雄氏(83)が、100メートル走で優勝したカール・ルイス(57)に「ヘイ、カール!」とインタビューを呼びかけた場面が有名だ。そして視聴率も予想を上回る数字で、誰より社員が驚愕したという。

「社内で“伝説”になっているのは競歩の視聴率が15%を超えた時ですね。ガチンコで真面目に取り上げれば案外と視聴率が取れるという発見は、社内で先輩から後輩へ引き継がれていきました。その最大の成功例が、箱根駅伝です」(同・日テレ関係者)

 この関係者は6月18日の「踊る!さんま御殿!!」で、筋骨隆々のラガーマンが出演しているのを見て、「これはヤバい」と思ったという。

「ところが、視聴率は案外、悪くありませんでした。テレ東さんも今年4月の世界卓球が予想以上の数字を取ったそうですし、スポーツは中継だけでなく、バラエティも真面目にガチンコで構成すると、視聴者の皆さんに喜んでもらえることが分かりました」

 ご存知の通り、日テレとテレ朝は激しい視聴率戦争を繰り広げている。「ラグビーワールドカップ」と「世界水泳」の数字が、年間視聴率に影響を与えるのは言うまでもない。果たして視聴者は、どちらに軍配を上げるだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月3日 掲載

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