ジャニー社長死去報道で「news zero」が一人勝ち 有働アナが思いきってやったこと

 ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(享年87)が7月9日に亡くなった。当日、このニュースの情報解禁は午後11時30分に設定された。テレビ各局はどのように伝えたか。

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 真っ先に番組を切り替えたのは日本テレビ「news zero」。スポーツニュースで東北楽天VS.オリックスを報じていたが、11時30分ピッタリに有働由美子アナが映し出された。

「ここで訃報です。今日、午後4時47分、都内の病院でジャニーズ事務所の社長、ジャニー喜多川さんが亡くなったことがわかりました。87歳でした」

 そう言うと、事務所が各社に送った「代表取締役社長ジャニー喜多川に関するご報告」というFAX(A4・2枚)の全文を、ゆっくりと6分以上かけて読み上げたのだ。その間、ジャニー社長の写真を背景に、文章もテロップで流すという用意周到ぶりだった。

 さらに彼の足跡を振り返り、滝沢秀明の芸能活動引退の際に出されたメッセージも彼女が朗読。途中に天気予報を挟んで、訃報に戻った。

 ここでV6、KAT-TUNの映像を流し、さらにSMAPの5人が歌う「世界に一つだけの花」を放送。番組の終わりに再度、事務所からのメッセージから入院中の様子を描写した箇所を読み上げるという念の入りようで、11時30分から番組終了まで、天気予報を除き、実に20分以上をジャニー社長のニュースに切り替えた。

 民放プロデューサーが語る。

「こういう時の日テレさんは、思い切っていくから強いんですよ。この日の『news zero』の視聴率は11・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同じ)と断トツでした。もちろん、解禁時間が味方したということもあります。すでに『報道ステーション』(テレ朝)は11時20分で終わっていましたし、『Live News α』(フジテレビ)はまだ始まっていませんでした。しかし、『NEWS23』(TBS)と『ニュースきょう一日』(NHK)、『ワールドビジネスサテライト(WBS)』(テレビ東京)は放送中。各局とも11時半に速報のテロップは流しましたが、番組を即座に切り替え、他のニュースを全てすっ飛ばしたのは日テレさんだけでした。SMAPの映像まで流していましたからね」

 SMAPについては、SNSでも絶賛されていた。

〈SMAPは流してくれないよねと思っていたら ZEROで世界に一つだけの花を歌ってる映像の中に吾郎ちゃんがいた〉

〈SMAPの映像が流れた…。 ありがとうZERO。〉


■他局はどう報じたか


 ドラマ「Heaven?」(TBS)が初回拡大だったため、11時10分からスタートした「NEWS23」は、11時30分に速報のテロップは流したが、画面は参院選のニュースだった。

 小川彩佳アナがジャニー社長のニュースを読み上げたのは2分後の11時32分のこと。元カレの櫻井翔を含む嵐のメンバーの映像をバックに、事務所からのFAXの一部を読み上げるにとどまった。社長の経歴をボードにまとめるという準備はあったが、報じたのは10分程度。番組最後は「ご冥福をお祈りいたします」で〆た。

「きょう一日」を放送中のNHKも30分ちょうどに速報のテロップを流した。井上あさひアナがジャニー社長のニュースに切り替えたのは10秒後と早かったが、なにせ15分番組であるため、訃報のニュースも2分ほどで終えた。

「WBS」放送中のテレ東は、大江麻理子アナが32分から番組を切り替えた。1分ほど伝えたのみではあったが、〈本名・喜多川拡(ひろむ:註・本来は擴)〉と報じたのはここだけだった。

 フジは「乃木坂46のザ・ドリームバイト!」の放送中でテロップのみ。11時40分からの「Live News α」は三田友梨佳アナによるトップニュース扱いではあったが、3分ほどで終了した。

 テレ朝は、「ロンドンハーツ」放送中でテロップのみ。

「速報が流れた途端にチャンネルを変えた人も少なくなかったと思います。その瞬間、対応出来ていたのは日テレさんとNHKぐらいでしょうか。NHKが流した、1983年当時の眼鏡をかけていないジャニー社長の映像は貴重でしたが、放送時間は短かった。対して、日テレは、前番組が中居正広の『ザ!世界仰天ニュース』(視聴率15・2%)ということもありましたし、なんといっても『zero』の月曜レギュラーに櫻井がいるという強みがある。ひょっとしたら、彼が緊急出演するのではないか、と思ったファンもいたことでしょう。実は『zero』は櫻井の出演する月曜以外は視聴率は上がっていないのですが、チャンネルを変えてみたら、有働アナが事務所からのメッセージをじっくり読んでいて、その後もひたすらジャニーズ関連のニュース、さらにSMAPの映像まで流したわけですからね。おかげで、この日は火曜にもかかわらず、7%台後半の月曜の5割増しとなる11・2%を獲得しました。ちなみに占拠率は31・4%で他局を圧倒したのです。TBSもドラマ『Heaven?』の視聴率が10・8%と2桁を取っていましたが、それが『NEWS23』には繋がらずに4・7%でした。やはり小川アナの不人気と、踏ん切りの悪さが影響したのでしょう。日テレさんの作戦勝ち。『zero』のスタッフは大喜びでしょう」(前出・プロデューサー)

 他局には、一芸能事務所社長の死をどう報じるか、葛藤があったに違いない――。

週刊新潮WEB取材班

2019年7月13日 掲載

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