島田紳助氏が吉本興業をめぐる騒動語る 後輩の面倒を見られるのは松本人志だけとも

記事まとめ

  • 島田紳助氏が吉本興業をめぐる騒動について、口を開いた
  • 紳助氏は事態収拾に乗り出すかについて「それはない。俺は口出しせえへん」と否定した
  • 会長や社長に顔が利き、後輩の面倒を見られるのは、いまは松本人志だけだとも語った

島田紳助が語る闇営業騒動「俺が事態収拾に乗り出す? それはない」

■「島田紳助」大いに嘆く 「宮迫博之」「田村亮」造反劇へのやるせない悲憤(2/2)


 吉本興業をめぐる騒動に、島田紳助(63)が口を開いた。芸能界の引退から8年、古巣について「もともと家族みたいな会社なんや」、そしてこの問題については「本来なら揉めるような話ではなかった」と語る。

 ***

 松本(「ダウンタウン松本人志)が「オレが引き取って保証人になる」と言ったらしいな。俺は今回の件で、松本とも全然話していないけど、2人(宮迫博之、田村亮)とも松本の直の後輩やから、なんとかしてやりたいという気持ちは人一倍強いやろと思う。

 俺は問題の記事が出てすぐ、吉本に“どうなってんねん”って聞いたけど、説明を受けたら、しゃあないなと思ったし、どうしてこうなってしまったんやろとも感じた。そのあとの流れはご覧の通りやけど、些細なボタンのかけ違いからこんなんなってしまった。どうして2人は、会社に対してあそこまで言ってしまったんやろ。どうにか、円満に解決してほしいと思うわ。

 これはあくまで俺個人の意見やで。吉本では、会社と芸人は親子、言うたやろ。せやから、喧嘩してもぜったいに仲直りできるはずや。希望的観測かもしれん。でも、ほとぼりが冷めたら、きちんと吉本から宮迫たちを復帰させてほしい。

 2人は、俺とはちゃうやん。俺はあんなこと(暴力団との交際発覚)があって、正直、“半分ラッキーや”と思ってたからな。番組のスタッフ食わすためにも辞められへんかっただけで、ずっと、辞めたいと思ってた。そんな人間が、“いまや”と思って辞めただけのこと。

 けど、宮迫たちは辞めたくないわけでしょ。そんな人間をクビにするのは可哀想やわ。この先まだ揉めるかもしれへんけど、なんとか、松本があいだに入ってうまく解決してほしいと思う。

 円満に、いい親子関係に戻ってほしい。それだけが願いやな。「若気の至りでした」と言って頭下げて復帰できたらええな。


■松本の頑張りに期待


〈そんな紳助の思いに呼応するように、松本は即座に動いた。「吉本興業ホールディングス」大崎洋会長や「吉本興業」岡本明彦社長(52)に直談判し、ついに社長会見に至ったわけだ。その場で宮迫の契約解消は撤回され、元の鞘(さや)に収まるための話し合いが設けられるという。

 紳助のマンション前での取材中、思いがけず、近くを歩いていた女性が話しかけてきた。「島田紳助さんですか。握手お願いしてもいいですか」。彼は気さくに「いいですよ」と応じ、続ける。〉

 こんなんも、まだ、たまにあるよ。でも最近はずいぶん減ったで。俺、誰か分からんくても、とりあえず握手すんねん。断って揉めるより応じたほうがいいこともある。ガラの悪い兄ちゃんが写真を求めてきても、撮っといたほうがええ。“なんだテメエ偉そうにしやがって”って絡まれるより、サッと撮って、気持ちよく帰ってもらうほうが楽やん。

 俺が事態収拾に乗り出す? それはない。俺は口出しせえへん。辞めた人間が首突っ込むのは嫌らしいやろ。ここは松本の頑張りに期待するしかない。もし、松本から“一緒に頭下げに行きましょう”と言われたら、“しゃあないなあ”って行くかもしれへんけどな。

 宮迫たちも、髪の毛でも剃って松本についてって、月のギャラ10万でいいから舞台に立つ。まずは一から出直すのがええんちゃうか。とにかく、大崎さんにも岡本さんにも顔が利いて、後輩の面倒を見られるのは、いまは松本だけやと思う。


■テレビ、出たいわけがない


 話は少し逸れるけど、俺が引退したあと、上岡龍太郎さんからこんなことを言われたわ。俺が辞めてから2年ぐらい経ったころかな。会ったらニコッて笑って、「毎日、楽しいやろ」って言わはった。上岡さんとは、いまもときどきゴルフに行ったりしてるんやけど、これはホンマ、俺の気持ちをよう分かってくれてはると思ったで。その気持ちを分からん人は、“そろそろテレビ出たいやろ”て言うてくるけど、そんなん、出たいわけがない。もういっぺん頑張らなあかんやんか。1年以上リハビリしないと無理ですわ。テレビに出るいうことは、不安に押し潰されながら、とことんまで自分を追い詰める。それを繰り返してると、ノイローゼみたいになってまうよ。

 ふつうの商売なら、3千円のモノを1万円で売るやろ。それやったら、売れなくても仕入れた3千円のモノは残る。でも、こっちは、もとから、手元にはなんにもあらへん。なにもないものを、喋りで金に換えなあかんねんから。

 これ、野球選手も似たところがあると思うわ。日ごろから、もう打てへんのちゃうか、打てへんのちゃうかって不安と戦いながら試合に出続けるわけや。打っても90メートルやったら外野フライ。でも100メートルやったらホームラン。この、たった10メートルの距離に、ものすごい執着と競争があるわけや。

 吉本に入る芸人のほとんどが40メートルしか飛ばせへんわけやけど、90メートルやったら飛ばせる子は、何人もいてる。そっから、100メートルに行くのが大変なんや。逆に、いまホームランを打てていても、いつ外野フライばかりになるか。その恐怖に打ち克たないとあかん。

 うちらは机に座って8時間仕事することができないから、芸人になった。芸人の才能の差なんてほんのちょっとや。90メートルと100メートル、たった10メートルの距離やけど、それがとてつもなく大きい。外野フライとホームラン、評価はぜんぜん違うやろ。

 そんな世界で吉本という家族は戦ってきた。だから今回拗(こじ)れてしまったのは、会社とタレント、お互いを思うと胸が痛い。なんとか円満に解決してほしい。ホンマに、それだけを願ってるわ。

「週刊新潮」2019年8月1日号 掲載

関連記事(外部サイト)