人騒がせな「加藤浩次」は吉本残留へ 日テレ「スッキリ」にとっては最悪の結末か

「今の会長と社長の体制が続くんだったら、僕は吉本興業を辞めます!」

 7月22日の「スッキリ」(日本テレビ)で吠えた、極楽とんぼの加藤浩次。宮迫博之と田村亮の涙の記者会見に端を発する、突然の退社宣言は“加藤の乱”と呼ばれ、注目された。翌23日の「スッキリ」の視聴率は12・0%(第1部:ビデオリサーチ調べ、関東地区)にまで跳ね上がった。その後も、吉本の大崎会長と直談判するなど、ワイドショーも追っていたが、8月に入ると、すっかりトーンダウン。そして、結局は……。

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 日テレ関係者は言う。

「加藤さんも、時間とともに冷静さを取り戻したんじゃないですか。むしろ、あれだけ振り上げた拳の落としどころを見失ったか、丸く収めるための着地点を探っていたようです」

 当初の勢いは凄まじかった。「会社を辞める」とまで言い放った7月22日の「スッキリ」では、先輩であるダウンタウンの松本人志にもその矛先は向けられていたほどである。

加藤:昨日、「ワイドナショー」(フジテレビ)で「大崎さんが辞めるんだったら僕も辞める」と仰っていた大先輩に対しておこがましいかもしれないですけど、松本さんにとってはずーっと一緒にやって来た大崎さんというのは同志だと思う。松本さんの気持ちは分かる。でも、松本さん、後輩ながら言わせていただきますけど、会社のトップなんです。みんな、辛い思いしていて、トップが責任取れない会社なんて、機能してるのかな……。

「この発言には驚きましたね。経営者だけでなく、先輩の松ちゃんまで敵に回した形でしたから。おかげで、視聴率は上がり、結果としては大成功でした。なにより『スッキリ』は過激な発言で知られたテリー伊藤をコメンテーターから外して以来、低迷が続いていた。2016年からはハリセンボンの近藤春菜、17年からは人気No.1女子アナの水ト麻美アナを投入しましたが、それでも同時間帯では2位、3位争いにとどまっており、最近では加藤さんの降板すら囁かれ始めていたのです。『スッキリ』は、かつて天の声(山里亮太)と担当ディレクターが険悪となり、それを山ちゃんが暴露したことがありました。決してタレントとスタッフが一枚岩ではないのです。だから加藤さんだって不要となれば切り捨てられます。そこへ吉本問題で、自ら過激な発言をすることで、とりあえず首が繋がった形となったのですが」(同)


■「松本さんが考えてくれている」


 さすがに1週間も経てば、吉本問題も飽きてくる。7月29日からの週もほとんど扱うことはなくなっていたのだが、今度は、同社の芸人養成所「NSC」の夏合宿の参加希望者に「死亡しても責任は負わない」誓約書への署名を要求していたことが発覚。しかも、昔やめたはずの誓約書を、担当者が引き継ぎの際に間違えて渡してしまったため、復活してしまったというお粗末さだった。

 8月1日の「スッキリ」でも扱ったが、5分程度。この時、加藤は、誓約書の引き継ぎで間違えたことを「ズサンですよ!」とまず非難。そしてこう続けた。

加藤:学校法人になっていないとはいえ、(生徒を)預かっているわけですから、その責任は当然、会社にありますよ。NSCというところに……。

 え?、吉本でなくて、NSC?

 そして翌2日には、謝罪会見のロンブー亮の相方である淳の会見を報じた。5時間半ものグダグダ会見を開いた吉本の岡本昭彦社長を茶化しつつ、相方を思いやり、会社に対しては、亮と宮迫のために謹慎が続いている後輩芸人たちの処分を解くことを訴えた。

加藤:淳は当事者の亮の相方であるということもあるから、いろいろ発言しづらい部分もあるんだけど、こういう時期に会見やって、社長のグダグダ会見を全部、笑いで回収していったというところも、スゴいなと思いますし。

 そうなのだ、加藤だって、お笑い芸人なのだが、笑いに転じるどころか、どういうわけか自分がMCを務める番組で一人激昂。友人のおぎやはぎの矢作から「一匹狼」ならぬ「一匹狂犬」と揶揄された。さらに、自身の吉本との交渉については、

加藤:僕も正直言いますと、2回目の大崎会長との会談はまだできていない状況なんです。1回目が平行線で終わった段階で、2回目はできていないんです。僕のことはまだ後でいいです。

 と、やや引いたコメント。さらに、

加藤:(若手芸人について)トータルで松本さんなんかがいろいろ考えたりもしてくれているんで、僕なんかも電話させていただいたり、話させていただいてます。そこを大きな括りとして、時間はかかるけど、会社はやんなきゃいけない。でも、まず最初に亮、宮迫さん、さらに謹慎している芸人というのは、どういう処分になるのか、というのは早くしてもらいたいと思いますね。

「このトーンダウンはなんだ!と思うほど、大人しくなっていますよね。これについては、加藤の相方である山本圭壱から、ラジオで説教されたせいもあるかもしれませんよ」(同)


■相方・山本から「冷静になって」


 7月26日、宮崎県宮崎市のコミュニティ放送局で山本がレギュラーを務める「極楽とんぼ 山本圭壱のいよいよですよ。」に、加藤がゲストで出演した時のことだ。

山本:ちょっと私、お聞きしたいんですけど、どうなってんの?吉本さんと。聞かされてないからさ。

加藤:僕もああいう発言をして、いろんな方としゃべらせていただいて、これからいろいろ決まっていくのかな、ってとこはありますよ。僕もいま冷静に、あのときは熱くなった部分もあるから。

山本:私も見ましたよ、その熱い部分は。

加藤:だから、ちょっと冷静に話していこうと。そういう感じですよ。まだまだ全然、時間かかりますよ。

山本:そりゃあそうでしょうね。

加藤:何かを詰めるときっていうのは本当に時間がかかると思うんで、焦って何かを動かしてしまうと……僕もああやって言ったというのも、ああやって言ったことは僕の責任で、僕も悪いところもあるけれども、あの時はそういう気持ち……そういう気持ちですから。どういう風に和解という形になるのかわかりませんけど、そこは時間をかけて話をしようと思っていますよ。

山本:じゃあ、私もちゃんと、どういうことになったかということは、事前に聞くことができるってことですね。報道で聞かされるというようなことはないですね! 私、報道で聞かされることが多いんですよ、最近。あなたの発言で。

加藤:えーえーえー。

山本:あと、テレビの発言で「スッキリ」を見て「エーッ!」みたいなことになりますから、事前にできれば、私に伝えて……。

加藤:そうね、あの時は悪かったわー、うん。全然、頭になかったんだよ。

山本:そうですよね。朝、舞台の稽古行くために風呂から出て、髪でも乾かそうかとしているときに、あれ(「スッキリ」)見たんですから。ビックリしましたよ。

加藤:あれはホント、忘れてたんだよ、山本さんのことを。

山本:エエー!

加藤:アッと思ったの。

山本:あーそうですか。アッと思っていただいたんなら、まだいいですけど。

加藤:メールしたでしょ、だから。

山本:ああ、そうですね。〈俺、吉本辞めるかもしれない。申し訳ない〉って。短か!と思って。何じゃこりゃ、と。電話しても出ねえし。まあ、今すぐ電話するのも何かなと思って、マネージャーと話したりしてたんですけど……。

加藤:いや、そりゃ申し訳なかったですよ。

山本:じゃ、お願いしますね、冷静になって。

加藤:分かりました。

 結局、8月9日、加藤は「スッキリ」で、自身が提案したエージェント契約を吉本が導入することを発表したことを受け、残留を表明。「上層部が変わらなければ辞める」という発言についても謝罪したのだ。

「相方や若手芸人のために行動を起こした吉本芸人が多い中、加藤さんは一人だけ、感情的に動いた。まさに“一匹狂犬”だったわけですが、ちょっと大人の行動ではなかったですね。で、結局は吉本も辞めないことになった。『スッキリ』のスタッフにすれば、最悪の結末ですね。今恐れているのは、視聴者から嘘つきのレッテルを貼られること。もちろん、直情径行の加藤さんですから、本心で“辞める”発言をしたのでしょうが、熱心に応援した視聴者の中にはそうは取らない人もいる。結局、“辞める発言”の反動で、以前よりも視聴率を落とすことになるかもしれません。もしそうなれば、加藤さんの降板説が再び浮上するでしょう」

 松本との対立構図で報じられたことに関しては、加藤は「マスコミは改めて怖いと思った」とも語った。おいおい、それは全て自分の責任でしょう。

「松本さんとも話し合っている、と言っていたのも何らかの伏線かもしれません。『ワイドナショー』では松本さんが『俺がスッキリに出よか?』と言っていたので、本当に生出演してはどうでしょうか。視聴率も上がりますからね」

 スッキリしない結末と思っている視聴者も多いはず……。

週刊新潮WEB取材班

2019年8月9日 掲載

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