マツコ、「深夜の毒舌トーク」はゴールデン昇格でコンプライアンスに潰されないのか

 テレ朝は暑さに弱いのか? 年間視聴率三冠を奪わんという勢いで、日テレを猛追していたテレ朝だが、7月は3週連続、8月も第1週、第2週と続けて日テレに週間視聴率で三冠を持って行かれた。

 そのテレ朝が打ち出したのが、10月改編で「マツコ&有吉 かりそめ天国」のゴールデン昇格。果たして、これで上手くいくのか?

 ***

 民放プロデューサーは言う。

「今も日テレに次ぐ2位を確保しているテレ朝ですが、デッドヒートを繰り広げていた一時の勢いはなくなりましたね。5月までは7週連続で1位を取っていたテレ朝お得意の全日帯(6時〜24時)も、8月第2週では日テレ7・6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)に対して、7・1%と大差をつけられています」

 テレ朝の全日帯での強みといえば、午後に繰り広げられる「科捜研の女」や「相棒」といった再放送の数珠つなぎだが、

「再放送の視聴者層であるお年寄りは今、NHKの高校野球に持って行かれています。また、子供たちを虜にしていた日曜朝の『プリキュア』シリーズ、『仮面ライダー』シリーズもさっぱり見られなくなっているのも気がかりですね」(同)

 もちろん、日曜夜の「ポツンと一軒家」は今も健在で、8月11日の放送でも19・4%と「世界の果てまでイッテQ!」(日テレ)の14・9%を大きく引き離している。

「しかし、それに続くものが出てこない。平日夜の『報道ステーション』後の23時台のバラエティは、総崩れと言っていいほど。『ロンドンハーツ』や『雨上がり決死隊のトーク番組アメトーーク!』などは、吉本騒動で主役を欠いて不調です。その中で唯一好調だった『マツコ&有吉 かりそめ天国』が10月からゴールデン昇格が発表されました。スタッフの間には、なぜか残念がる声もあるそうです」(同)


■ゴールデン昇格後の死屍累々


「かりそめ天国」(17年4月〜)といえば、前番組の「マツコ&有吉の怒り新党」(11年4月〜17年3月)も合わせると、現在、東京キー局が放送するマツコ・デラックスがメインMCの番組の中では、最も歴史ある番組だ。2番目に古い「マツコの知らない世界」(TBS:11年10月〜)も、深夜帯からゴールデンに格上げされて好調を保っている。たまに特番が放送される「月曜から夜ふかし」(日テレ:12年4月)も、ゴールデン枠で高視聴率を取っている。何の心配もいらないはずである。

「素人を相手にトークする『マツコの知らない世界』や関ジャニの村上信五が相手の『月曜から夜ふかし』と違って、『かりそめ天国』の相方は有吉弘行ですからね。お互いの毒舌がウリの番組です。ゴールデンに移るとコンプライアンスも厳しくなり、マツコさんの持ち味である毒舌が潰されるのではないか、とテレ朝局内では言われているそうです。やはり、あの人の面白さは深夜向き。スタッフが残念がる気持ちも理解できます」(同)

 現在、マツコは7月29日に出演した「5時に夢中!」(TOKYO MX)で、NHKから国民を守る党(以下、N国党)について「一体これから何をしてくれるかで判断しないと、今のままだと単なる気持ち悪い人たちだから」と発言。これに対し、N国党の党首・立花孝志参議院議員より出待ちによる抗議活動が続けられている。そうした歯に衣着せぬ物言いが封じられてしまうのだろうか。

「立花党首は炎上狙いでしょうから、むしろマツコさんが利用されたと見るべきです。ですから彼女も、マトモに受けて立つようなことはしないでしょう。そもそも彼女は、極めて頭の良い常識人です。スタッフから発言についての指示やお願いなどされなくても、放送される時間帯を見極めて、そのコンプライアンスに沿ったトークが展開できる人ですよ。所属事務所では彼女が大黒柱であるという自覚もありますから、自ら墓穴を掘るようなことはしません」(同)

 ならば「かりそめ天国」も心配無用ということか。

「いえ、テレ朝の“深夜で鍛えてゴールデン昇格”という手法は、近年、上手くいっていません。『アメトーーク』や『お坊さんバラエティ ぶっちゃけ寺』、『お試しかっ!』、『しくじり先生』、『陸海空 地球征服するなんて』などなど、深夜で評判が良かった番組をゴールデンにもってきたものの、結局、評判を落として打ち切り、あるいは、深夜に戻ってくるというパターンが続いています。実際、『かりそめ天国』だって、今年3月28日に2時間スペシャルが放送されたのですが、視聴率は9・1%しか取れていません。懲りないテレ朝のことですから、『とりあえずやってみて、上手くいかなきゃ元に戻しますから』なんて説得したんじゃないですか」(同)

 三冠奪取にはちょっと心許ないが、「かりそめ天国」のゴールデン昇格で今、最も不安なのは、セミレギュラーのお笑いコンビずんの飯尾和樹かもしれない。彼が担当する、地方のキャバクラを訪ねてNo.1を決めるコーナーは、ゴールデンのレギュラーともなると、酔っ払ってキャバ嬢に甘える姿を晒すわけにもいくまい。スリムクラブの内間政成が“全力坂”を駆け登る女性をストーカーのように追走する姿も面白かったけど、こちらは願ったところで、はなから無理か……。

週刊新潮WEB取材班

2019年8月17日 掲載

関連記事(外部サイト)