朝ドラ「なつぞら」に田中裕子が登場 さすが「おしん」は格が違う!

 NHKの朝ドラ「なつぞら」も残りひと月。記念すべき第100作とあって、過去のヒロインを次々と登場させるなど、気合いの入れ様は凄まじかったが、ここへ来て中だるみ。第21週(8月19日〜24日)では、19日から3日連続で20%割れを続け、作品への不評も広がりつつあった。そこへ登場したのが、朝ドラヒロインの真打ち、「おしん」の田中裕子(64)である。朝ドラファンから歓喜の声が上がった。

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 すでに子役時代のおしん・小林綾子(47)は、「なつぞら」十勝編に出演している。だが、いずれは青年期のおしん・田中裕子も出演するのではないかという声はあった。民放プロデューサーは言う。

「BSプレミアでは、『なつぞら』の放送開始と同時に、『おしん』(朝7時15分〜)の再放送から『なつぞら』(朝7時30分〜)へと続く“2階建て放送”をしてきましたからね。いつかは田中裕子さんが出演するのではないか、と言われていました。ただ、毎日、2作品を続けて放送しているために、かえって『なつぞら』の粗が見えてしまう結果にもなっていたんです。もっとも、平均視聴率52・6%、最高視聴率にいたっては62・9%という『おしん』と比較されるのは、つらいとは思いますが……」

 1983年4月から1年間に亘って放送された「おしん」は、戦前から戦後の混乱期をたくましく生きた明治女の一代記だ。国内はもちろん、およそ70カ国で放送されて大反響を呼び、世界で最もヒットした日本のテレビドラマとされる。少女期を演じた小林綾子の名演もさることながら、全297話中189話、およそ3分の2でおしんを演じたのが、田中裕子である。

「その“田中おしん”が『なつぞら』に出演したのが、8月21日(水)でした。NHKも反響は期待していたようで、前週17日(土)の予告編でチラッと田中さんを出していましたが、まさか水曜まで引っ張るとは思いませんでしたね。引っ張りすぎたせいか、この日の視聴率は19・8%でしたが、翌日からは3日連続の20%超えとなりました。田中さんは産婦人科医の役で、23日、24日にも登場。妊娠したなつ(広瀬すず[21])の主治医です。『産後6週間でアニメーターの仕事に戻りたい』と相談するなつに対して、『私は子供産んで1週間で仕事復帰したわよ』と応じます。これを見て、BSで『おしん』の再放送を見ていた視聴者は、おしんの出産を思い出したのではないでしょうか」(同)

 再放送中の「おしん」で、出産の場面は8月3日第108話だった。さらに109話では、その長男は“雄(ゆう)”と命名される。

「23日に放送された『なつぞら』で、田中さんが取り上げた、なつの娘も“優(ゆう)”なんです。『おしん』では、田中さんは夫が命名した雄が気に入らず、『雄なんて、もっと優しそうな名前や賢そうな名前をつけてやってよ』と言っていたんです。そして『なつぞら』で“優”と名付けた祖父・草刈正雄(66)は、『なつのように優しい子になってほしい』とその理由を語っていました。なんだか『おしん』とのコラボを意識した演出ではないかと疑ってしまいますよね」(同)

 おかげで第21週の視聴率は、22日が20・5%、23日が20・7%、24日が21・0%となり、同週の平均視聴率は20・1%に。辛うじて20%割れを防ぐことができた。


■楽しいが勝ちすぎて……


「山口智子(54)の出番もなくなり、今後は田中裕子にかかっているかもしれません。結局、『なつぞら』は、歴代のヒロインに救われていますね。あまり同性ウケの良くない広瀬だけなら、とっくに20%割れを起こしていたでしょう。すでに撮影は終わって、NHKの公式ページでクランクアップの様子を公開したのですが、彼女の出したコメントに、これまた疑問の声が上がっています」

 8月20日に撮影が終了し、その直後の発言だった。

〈1年強、本当にお世話になりました。ありがとうございました。(中略)常に楽しいが勝ちすぎて、体調を崩すこともなく、だんだん「大丈夫?」とも聞かれなくなり、なんか本当に大丈夫でした! アハハ。体力だけは自分の中で、すごい自信があったので、やっぱりヒロインは大変だな、と思う瞬間もあれば、「まんぷく」の安藤(サクラ)さん(33)に「ヒロインにしか分からない気持ちがある」と言われて、正直それはあると実感した、痛感した瞬間もあるんですけど(中略)。私の前の99人の歴代のヒロインの方にもたくさんお会いしましたし(中略)、そんな「朝ドラ」の、しかも100作目という節目の作品にヒロインとして出演させていただいて、その全部には応えられていなかったな、というのがものすごい悔しいんですけど、“奥原なつ”という素敵な人物を演じることができて、心から幸せに思います。(中略)たくさんの幸せをもらうばかりで、何も恩返しできなかったかもしれませんが、この作品に出会えて心から幸せに、うれしく、そして誇りに思います。スタッフのみなさんのほうが休めていないと思うので、とりあえずぐっすり寝てください! みなさんが毎日現場にいてくださる姿が、私の一番の心の支えだったので。心から感謝します。お疲れ様でした!〉

 まとまりのない挨拶ではあるけれど、特に不評を買うほどでもないような……。

「楽しい現場に越したことはないんですけど、メインの視聴者はF3層(50歳以上の女性)ですからね、ここでも『おしん』と比べられてしまう訳です。『おしん』は83年8月15日から8月20日までの6日間、『もうひとりのおしん』という別番組が放送され、中断しました。なぜ、こうした放送が行われたか、当時は何も告知されませんでしたが、つい最近、当時の共演者から明かされました。『週刊現代』(6月15日号)の“「おしん」の田中裕子を語ろう”で、共演したおしんの親友役・東てる美さん(63)と、おしんの夫役・並樹史朗さん(61)が、当時を振り返っており、田中さんが撮影中に過労で倒れて救急車で搬送されたエピソードを明かしています。1カ月も入院したために撮影を休止し、差し替えざるを得なくなったというのです。田中さんはそれほど、根を詰めて演じていたというわけです。まさに撮影に耐え抜いたおしん、そのままのエピソードですが、一方のなつは、“楽しいが勝ちすぎ”た。実際、『なつぞら』のなつは、悩んでいる時もそれほど苦しんでいるようには思えませんからね」(同)

 朝ドラ第100作で平均視聴率を20%以上にすることは、NHKにとっては至上命題とも言われる。今後の「なつぞら」に田中裕子が出演するかは不明だが、視聴率は取れても、比較される広瀬すずにとっては辛いかも。ま、撮影は終わってるから、大丈夫か。

週刊新潮WEB取材班

2019年8月31日 掲載

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