こんまり通訳が語る「米国でウケる理由」と翻訳者が明かす「次回作の気になる中身」

 整理整頓の才覚ひとつで世界的著名人となって久しい“こんまり”こと近藤麻理恵氏(34)。なお勢いは衰えを見せず、米国ではレギュラーで出演する番組が高評価を受け、さらにその先、新たな商売の地平までもが視野に入っているそうな。

 まさに魔法みたいである。2010年刊の『人生がときめく片づけの魔法』がミリオンセラーになり、40カ国以上で翻訳されたと思ったら、売上累計1100万部超を記録。15年、米「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた翌年、彼女は米国に居を移すと、たちまちメディアから引っ張りだこに。

 かの地で“コンドウ”が“片づける”を意味する語となったほどだが、今年1月、彼女の名を冠する番組がついにお目見え。世界最大級の米映像配信サービス、ネットフリックスが「Tidying up with Marie Kondo」なるコンテンツの提供を開始した。すると、

「放映直後からすぐブームになり、さらにエミー賞にもノミネートされて、一層注目を集めています」

 と語るのは、番組に近藤氏の通訳として出演している飯田まりえさんだ。エミー賞といえばテレビ番組に対して与えられる、映画で言うアカデミー賞に比肩する権威ある賞。「お片づけ」を扱う番組が一体、そのお眼鏡にかなうものなのかと思ってしまうが、現地在住の日本人いわく、

「これが見応えがある」

 と太鼓判を押すのである。

 例えば引っ越しを終えたばかりの黒人家庭、あるいは伴侶を失って遺品整理の必要に迫られた独居女性などを訪ねたこんまりは、彼らに“残す物と捨てる物”とを選ばせていく。

「ただ、近藤さんが勝手に片づけることはなく、あくまでご家族が自らの意思で整理していくよう誘います。近藤さんは家族との会話や捨てる物への感謝といった要素をとても大事にされ、小柄な外見からは想像がつかないほど力強く、論理的な説明ぶりともあいまって、米国でますます驚きをもって受け入れられていますね」(飯田さん)


■次作に新趣向アリ!


 かくいう飯田さんが見るところ「近藤さんは住まいのみならず、心身への総合的なリフレッシュ効果をもたらしてくれる人だと認知されている」そうで、いやはや、これほどまでの人物とあらば、ビジネス界が放っておくはずもない。

 実際、去る8月2日には楽天が、近藤氏との提携を発表。具体的には彼女の会社の株を取得し、書籍・動画の制作を後押ししていくと言うのだが、さて、こんまりの次なる一手は?

 米国で公表されているのは、来年春に著作が発売されるということ。気になる中身を『人生がときめく片づけの魔法』英訳版の翻訳者で、次作でも英訳を手がける平野キャシーさんが、

「仕事場の片づけに関するものになりますね」

 と教えてくれる。

「今回は産業心理学者の方が参加し、その研究に基づく視点を加えます。パソコンに無駄なファイルがあったり、職場のデスク周りが散らかっていたりすると、仕事の効率が悪くなったりしますね。そうした問題を解決し、生産性を向上させるという観点から、近藤さんの片づけメソッドを説いていく予定です」

 今度は個人に加え、広く産業界をも相手にしていくらしい。仕舞い込まれるどころか、どんどん繰り出されるこんまりの手。やはり魔法と言うべきである。

「週刊新潮」2019年8月29日号 掲載

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