滝川クリステル、祖父は武田薬品に勤務…知られざるファミリーヒストリーを初公開

「未来の総理」の大本命・小泉進次郎代議士との結婚で、世の女性たちの羨望の眼差しを集めた滝川クリステル。だが、「未来のファーストレディー」の家系は謎のベールに包まれ、フェイク情報に踊らされるメディアまで現れる始末。知られざる「履歴書」の中身とは。

 ***

 2人の結婚が明かされたのは、8月7日に開かれた会見の場だった。遡ることおよそ1週間前には、両家の顔合わせの場が開かれていたという。

 小泉純一郎元総理の実弟で、私設秘書として長らく地元を支え続けた小泉正也氏は、

「滝川家のお母さんはさばけた印象の方で、話していてとても面白かった。フランス人のお父さんもダンディで素敵な方だったね。とにかくお互いすぐに仲良くなりましたよ」

 と、当日の様子を振り返る。

「クリステルさんの家族については根掘り葉掘り聞いていない。お父さんの仕事も知らないな。お祖父さんが元神戸市議って話もあるの? そういう家系の話はしなかったなぁ……」

 4代続く政治家一家である小泉家の家系は、かねてより、進次郎氏の祖父や曾祖父の代にまで遡って報じられてきた。

 対する滝川家はどうか。

 改めて新聞各紙の「結婚報道」を見渡すと、新郎側に比して、新婦側の親族に関するエピソードが明らかに少ない。滝クリの著書や過去のインタビュー記事に目を通しても、家族について触れているのは、フランス人の父と日本人の母のなれそめ程度だ。たとえば、

〈母は日本人なんですが、パリに留学していた時期に父に出会って、結婚したんです。(中略)父ももともと、日本の文化や伝統が好きで、日本語を勉強してたんですね。母のアパートには電話がなかったから、下のカフェの公衆電話を使っていたら、そこに父が遊びに来て母に一目惚れして、カフェのおじさんが取りもってくれたそうです〉(「週刊文春」2011年5月5日・12日号)

 だが、この父親の職業ひとつをとっても、〈フランス企業の日本支社を立ち上げ、社長を務めました〉(「朝日新聞」05年7月24日付)という程度の情報しかなかった。彼がフランスの高級ファッションブランド「ウンガロ」の日本法人で代表を務めていたと報じられたのも結婚発表後のことだ。

「令和のビッグカップル」と呼ばれながら、新婦の家系はなぜか謎のベールに包まれているのである。


■メディアも混乱


 02年に「ニュースJAPAN」のキャスターに抜擢された滝クリは、「斜め45度の美女」として注目を集め、フジテレビの「夜の顔」に登りつめた。最近では、「お・も・て・な・し」の名フレーズで東京五輪誘致の立役者となったことも記憶に新しい。

 そうした抜群の知名度に加えて、今回の「令和婚」である。

 お相手の進次郎氏が「未来の総理」の大本命なのだから、妻となった彼女はもちろん、「未来のファーストレディー」。となれば、彼女はいかなる家庭で育まれたのか、その来歴は、すでに公共の関心事と呼べるだろう。

 そこで週刊新潮は、滝クリ自身の口から滝川家の「ファミリーヒストリー」を聞き出すべく取材を依頼した。しかし、残念ながら直接取材には応じてもらえなかった。

 一方、謎多き滝川家を巡って、この間、メディアは混乱に巻き込まれていた。

 あるスポーツ紙は、結婚発表翌日に当たる8月8日付の紙面で滝川家の〈系図〉を掲載。

 そこには滝クリの母方の祖父として〈滝川勝三(神戸市議)〉との記述がある。さらに、曾祖母の欄には〈滝川イネ(婦人運動の草分け)〉という名前が書き込まれていた。

 また、さる女性誌の記事にも〈滝クリの母、美緒子さんは元神戸市議会議員の父と、日本の婦人活動の草分け的存在といわれる女性を母に持つ〉とある。

 祖母と曾祖母の違いはあれど主旨はほぼ同じ。

 実は、こうした情報は誰にでも入手できた。というのも、フリー百科事典サイト「Wikipedia」の滝クリのページに次のような書き込みがあったからだ。

〈祖父は元神戸市議会議員の滝川勝三。曾祖母の滝川イネは日本の婦人運動の草分け的存在〉

 先のスポーツ紙、そして女性誌の表現とほぼ一致する内容である。だが、確認作業を進めるうちに、意外な事実が明らかとなった。

 まず明治時代からの神戸市会史を繙いても「滝川勝三」という神戸市議の名前は見当たらない。「滝川イネ」も同様で、「婦人運動の草分け」とされているのに著作の類は見つからず、新聞記事で紹介された形跡すらないのだ。

 それどころか、本誌(「週刊新潮」)の取材では、滝クリの祖父母として全く別の名前が浮上したのである。

 そこで、滝クリの事務所に真偽を質したところ、「元神戸市議の滝川勝三」や「婦人運動家の滝川イネ」が親族という点については、

「事実ではありません」

 他方、本誌の取材で判明した祖父母の名前には、

「事実です」

 との回答があった。

 前述のメディアはネット上のフェイク情報に飛びついてしまったというわけだ。

 とはいえ、このような混乱を招いた一因には、滝川家の「履歴書」にあまりにも空欄が多いという事実も挙げられるのではないか。


■祖父は武田薬品に勤務


「クリステルの祖父の名前は滝川堅治で、神戸市議などしていません。それに、義母も婦人運動にはかかわっていない。どこから出たのか分かりませんが、全く根も葉もない話ですよ」

 そう語るのは、現在69歳になる滝クリの母方のおばである。ちなみに、彼女の娘はフリーアナの目黒陽子で、息子は俳優の滝川英治。彼女が暮らす大阪府内の瀟洒な一軒家は、もともと滝クリの祖父が建てた家だ。

 いま、初めて明かされる滝川家のファミリーヒストリー。まず、堅治氏とはどんな人物だったのか。

「北海道出身の義父は東京の大学に進んで薬学を学びました。その後、武田薬品工業に就職し、札幌の研究所で働いていたそうです。転勤で東京や大阪を行き来した後、義父は大阪にこの家を建てました。実は、亡くなった私の夫(滝クリのおじ)も同じ会社に勤めていたんですね。だから、クリステルが武田薬品のアリナミンEXプラスのCMに出演すると決まった時は家族みんなで大喜び。義父や夫の勤めていた会社とクリステルにご縁があったことが本当に嬉しくて。しかも、CMを担当して下さったのは武田薬品で義父の部下だった方でした」

 このおばによれば、滝クリの母親・美緒子さんは、

「京都の大学に進学してからパリのソルボンヌ大学に留学しました。そこで旦那さんと出会ったんです」

 そして、パリで生まれた滝クリが3歳の時、一家は神戸へと移り住んだ。

「大阪と神戸はそう遠くないので、幼い頃のクリステルはこの家にもよく遊びに来ていたようです。義母にはとても可愛がられていましたね。義母は言葉遣いが丁寧でとても品の良い人。クリステルはそれを受け継いだのだと思います」

 滝クリの祖母は婦人運動ではなく、若い頃から華道を嗜み、かつては自宅で教室も開いていたという。滝クリは15年末にこの祖母とのツーショット写真を自身のブログに載せている。それから4年弱の歳月が経過したが、

「義母はいまも存命で、98歳になります。ただ、脳梗塞を患って入院しているんです。元気な頃にクリステルの結婚を報告したら間違いなく喜んだろうねって、家族も残念がっています」

 ちなみに、おばが姪の結婚を知ったのは記者会見の前日だったそうだ。

「クリステル本人から電話で報告されました。本当に寝耳に水で、それまでは全く知りませんでした。もちろん、急なことだったし、結婚相手が政治家さんだったので驚きましたけど、クリステルはずっと華やかな世界にいましたから。とはいえ、未来のファーストレディーと言われても、まだ実感が湧きませんね」


■政治家一家の「茨の道」


 おばは滝川家の気風についてこう付け加えた。

「世間の方から見てクリステルに自由なイメージがあるとすれば、フランスの血が入っていることに加えて滝川家の雰囲気によるところも大きいと思います。美緒子はまだ留学自体が珍しい時代にフランスを訪れ、国際結婚しました。クリステルはもちろん、私の娘や息子もみんな好きな道へ進んでいますしね」

 結婚後も仕事を続けることを公言した滝クリは、家風そのままに〈「政治家の妻はこうあるべき」という形に捉われず、私らしく、ありのままの生き方〉(8月7日付のインスタ)を貫くつもりのようだ。

 しかし、『宰相と怪妻・猛妻・女傑の戦後史』の著者で、政治評論家の小林吉弥氏はこうクギを刺す。

「そもそも国会議員の妻は、夫が東京の国会で仕事をする間、地元を守る宿命にあります。かつては盆暮れになると、夫に代わって妻が10〜20件も会合をハシゴして支援者に酒を注ぎ、頭を下げて回ったもの。時代は変われど、日本ではいまだに地縁や血縁を大事にする文化が根強い。今後、滝川さんがどんな仕事をされるにせよ、地元を軽視したり、夫以上に前に出れば支援者からソッポを向かれてしまう危険性はある」

 謎のベールの向こうに垣間見えたのは、風通しの良い自由な家風だった。それゆえ余計に、滝クリが政治家一家の「茨の道」に悩まされないか案じられるのだ。

「週刊新潮」2019年9月5日号 掲載

関連記事(外部サイト)