錦戸亮の次は長瀬智也? 脱ジャニーズの「アーティスト志向」「アイドル活動への限界」

 秦の始皇帝、カエサル、織田信長……。カリスマの死は、単にひとりの人間が物理的に消えるだけでなく、複合的な余波を生む。それは新たな混乱だったり、そして帝国の崩壊だったりする。芸能界のカリスマ、ジャニー喜多川氏が亡くなって2カ月が経過。さしもの「ジャニーズ帝国」も、やはり歴史の法則からは逃れることができないようだ。

 それはあまりに「露骨」なタイミングだった。今月5日、ジャニーズ事務所の人気アイドルグループ、関ジャニ∞の錦戸亮(34)が、9月末日をもって事務所を辞めることを発表したのだ。その前日、東京ドームではジャニー氏のお別れの会が開かれていた。つまり錦戸は、ジャニー氏の喪が明けるのを見計らい、いわばあてつけのような形で退所を公表したのである。

「錦戸の退所は既定路線でした。原因は、芝居と歌へのこだわりを強めていた錦戸の『脱バラエティアイドル』志向です」

 と、スポーツ紙の記者が解説する。

「そのため彼は、バラエティ色の強い同じ関ジャニメンバーの村上信五、横山裕との確執を深めていて、『村上なんかと一緒の席で飲みたくない』と知人に言っていたほど。錦戸としては、本当は7月14日から9月3日まで行われていたドームツアーにも出たくなかったんですが、事務所に説得されて渋々ステージに立っている状態でした」

 言ってみれば「我慢の限界」に達していた錦戸は、6月末にも退所を発表したがっていたという。しかし、

「ちょうどその頃、ジャニーさんが倒れてしまったので、今回のタイミングとなった。ジャニーさんに義理さえ果たせば、それでいいでしょというわけです」(ジャニーズ関係者)

 こうした経緯で事務所と決別した錦戸は、

「アーティスト志向が強く、ジャニーズを去ってミュージシャンに専念した赤西仁(元KAT−TUN)とつるんでいて、いろいろと相談に乗ってもらっていた。今後は、赤西と同じレコード会社の厄介になるのではという話もあります」(音楽業界関係者)


■「システムの限界」


 ジャニーズにとって、錦戸を失うのが痛手であることは間違いないが、

「それ以上に心配なのは『後追い』です」

 と、先のジャニーズ関係者は不安を隠さない。事実、

「バンド活動に強い思い入れがありながら、山口達也がいなくなってそれができなくなっているTOKIOの長瀬智也が、錦戸に続いて退所するのではないかと見られている。すでに退所に向けて周囲に相談を始めていますからね」

 錦戸に続き、ジャニー氏の後継者である藤島ジュリー景子氏が育てたTOKIOの長瀬まで退所、しかもいずれも「音楽」がキーワードになっての退所となってしまったら……。

「SMAP以降、アイドル像は変わりました。歌番組が減っていくなか、アイドルであっても新人時代からバラエティ番組に出演するようになり、その方法が成功を収めたんですが……」

 とした上で、アイドル評論家の中森明夫氏は「錦戸退所」をこう分析する。

「単にカッコいいだけでなく、トークもできてバラエティもこなせるアイドル像が定着した結果、30代、40代になってもアイドルを『卒業』する必要がなくなった。これはまさに、ジャニーさんが築いたシステムです。しかし、アイドルの高齢化によって、ずっとアイドルを演じることに限界を感じるタレントが出始めた。それを象徴するのが錦戸さんの退所です。つまり、ジャニーさんの作ったアイドル像自体が、限界に近付いていると言えるのではないでしょうか」

 無限大を意味する関ジャニ∞の「∞」。だが皮肉なことに、そのメンバーの退所が、カリスマが築いたシステムの有限性を証明してしまったのかもしれない。

「週刊新潮」2019年9月19日号 掲載

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