バナナマン「設楽統」の受難 TBSやらせ2番組で“腸が煮えくり返る思い”か

■日村も「クレイジー」に出演


 自分がMCを務める2番組で、連続して“ヤラセ問題”が発覚。これほど不運なお笑い芸人は、なかなかいない。バナナマンの設楽統(46)のことだ。

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 TBSの公式サイトは9月5日に「『消えた天才』からのご報告とお詫び」を、さらに11日には「『クレイジージャーニー』からのご報告とお詫び」を掲載した。

 改めて、それぞれの内容をご紹介しよう。まずは「消えた天才」(日曜・20:00)だが、こちらは4回のオンエアにおいて“映像加工”が明らかになったという。(註:引用時は全てデイリー新潮の表記法に合わせた)

【1】リトルリーグ全国大会で、全打者三振の完全試合を達成した少年(当時12歳)の試合を放送した際、映像を早回してストレートの球が速く見える加工を行った。対象は31球のうち7球。投げたボールがキャッチャーミットに収まるまでの0・5秒で、2割程度速くしていた。(19年8月11日放送)

【2】インターハイ卓球女子シングルスで優勝した女性が現役引退後、29歳になって卓球をする映像のスピードを実際よりも2割程度速くした。(18年1月3日放送)

【3】フィギュアスケート大会で優勝した当時小学生の男子の映像で、スピンのスピードを実際よりも2割程度速くした。(18年1月3日放送)

【4】元Jリーガーの男性が小学生時代に出場した試合について、ドリブル突破を図る映像のスピードを2割程度速くした。(18年11月4日)

 続いて「クレイジージャーニー」(水曜・23:56)だが、8月14日の放送では、《爬虫類ハンターがメキシコに生息する珍しい生物を探し捕獲する旅》を取り上げた。

 その際、《紹介した生物は6種類ですが、このうち4種類は、番組スタッフが現地の取材協力者に依頼し、ロケの前に準備していた生物を使って撮影していた》ことが放送後に分かったという。

 両番組とも、調査終了まで放送を休止するという。放送担当記者が解説する。

「『クレイジージャーニー』のMCは松本人志さん(56)、小池栄子さん(38)、そして設楽統さんの3人です。『消えた天才』はバナナマンの設楽さんと日村勇紀さん(47)の2人に局アナの日比麻音子アナ(26)という顔ぶれでした。2番組でMCを務めていた設楽さんは、不運と言う他ありません。とにかく、こんなことは滅多にあることじゃないですよ」

 バナナマンの2人も問題を重視。9月14日には2人がレギュラー出演するラジオ番組「バナナマンのバナナムーンGOLD」(TBSラジオ・土曜・1:00)で、ヤラセ問題を取り上げた。

 サンスポは同日(電子版)「バナナマン設楽、レギュラー2番組で不適切演出発覚『びっくりしたのとショックと…』」と報じた。記事の一部を引用させていただく。

《設楽は、番組冒頭で「我々のレギュラーの、TBSでやってます『消えた天才』と『クレイジージャーニー』で、番組の不正がありまして、ちょっと立て続けに…。俺なんか両方出てますから、びっくりしたのとショックと…」と現在の心境を語り、「一番は見てる人に対しててだよね。信頼関係というかさ、うそだと思って俺らもやっていないわけ。だけどそれがうそだってなっちゃうと、見てる人もさ『これ、うそか』って。他のも『なんだこれ、もしかしたらやってんじゃないの?』とかね。そういう感じで、信頼関係が失われちゃう」と苦言》


■松本人志は擁護


「苦言」は当然だろう。民放キー局でバラエティ番組の制作に携わるスタッフは「設楽さんは、腸(はらわた)が煮えくり返る思いでしょう」と推測する。

「ラジオでは設楽さんらしい冷静な語り口でしたけど、本心は違うでしょう。『腸が煮え返る思い』、つまり、このご時世に何てことをしてくたんだ、と怒り心頭でしょうね。怒りを通り越して呆れているかもしれません」

 バナナマンの所属事務所はホリプロコム。2本のレギュラー番組が一度に放送休止するというのは、かなりの痛手だという。

「事務所としては、テレビ局に損害賠償を請求したいくらいだと思いますよ。まあ、実際に訴えることはないでしょうが、それくらいのダメージを被ったということですね。TBSとすれば、お詫びの意味も込めて、設楽さんを使った新番組をスタートさせるはずです」(同・スタッフ)

 一方、好対照のリアクションだったのが松本人志。ツイッターで「こういう時オレはスタッフをあまり責める気になれなくてねー。一生懸命なのは知ってるしねー。でも番組の性質上ウソだとしたらアカンなー。」と呟いた。

 これを13日に報じた日刊スポーツは「胸中複雑」と見出しに打ったが、前出のスタッフ氏によると「松本さんはずいぶん甘いですよね」と言う。

「本来、罵倒されてもおかしくないスタッフにとっては、胸を撫で下ろしているでしょう。しかし、松本さんほどの“重鎮”が、『責める気になれなくて』とツイッターに書き記したことは、今後に禍根を残しかねません。『再生速度を実際とは異なるものにする』や『もしもの場合に代替物を用意する』という“ヤラセの手口”は、古典的な手法です。松本さんがああいう甘い言い方をすると、番組スタッフは『もっと一生懸命、バレないような“ヤラセ演出”』を考えようとするかもしれませんよ」(同・スタッフ)

 松本は芸能界で確固たる地位を築き、現在もお笑いが主戦場だ。余裕綽々でスタッフを庇(かば)うゆとりがあるのかもしれない。だがバナナマンの場合は、ヤラセ問題に甘い顔ができない事情があるという。放送担当記者が解説する。

「バナナマンというコンビの魅力に、設楽さんの知的な印象と、日村さんの温厚な人の良さがあります。これはバラエティ番組でも、教養やドキュメンタリーの要素を加味した番組にとって、またとない出演者です。設楽さんが解説を担当すれば説得力がありますし、日村さんは無知をさらけ出すことで視聴者の代表になることができます」

 具体的に見てみよう。例えば「YOUは何しに日本へ?」(テレビ東京系列・月曜・18:55)という人気番組がある。外国人が日本を探訪するVTRを見る2人は、設楽が状況の推測や解説を担当し、日村が情緒的な反応を引き受ける場面が少なくない。

 そして、この番組に登場する外国人が“仕込み”だとしたら、即打ち切りは必至だろう。

「『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ系列・木曜・19:57)も、ノンフィクションのVTRの要所要所で、スタジオの2人が映ります。やはり本来のMC役は設楽さんで、日村さんは情緒的なリアクションや、ボケで笑いを取るのが役割です」(同・放送担当記者)

 楽しんで見られる番組だとはいえ、内容自体は極めて真面目だ。殺人や事故という重いテーマも頻出する。松本人志が出演する「水曜日のダウンタウン」(TBS系列・水曜・22:00)のような“純粋なお笑い番組”とはテイストが違う。

「『水ダウ』ならヤラセ問題をネタに、笑いを取ることもできます。やはり松本さんは無意識のういちにお笑いを中心に考えており、それがツイートに反映したのかもしれません。一方、バナナマンが得意とするバラエティは、ファクトの凄さ、面白さがカギです。当然、“やらせ演出”は命取りです。設楽さんも日村さんも、どうしても今回の問題には敏感にならざるを得ないのではないでしょう」(同・放送担当記者)

週刊新潮WEB取材班

2019年9月20日 掲載

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