池江璃花子選手に取り憑いた怪人・なべおさみ 「吉本で復帰」の陰に安倍首相人脈

■「池江璃花子」に取り憑いた怪人「なべおさみ」(1/2)


 怪人。タレントのなべおさみ(80)を評するのにこれ以上相応しい言葉はない。政界から裏社会まで、幅広い人脈を有するのみならず、名だたる著名人にオカルト治療を施してきた。目下の心配は、そんな彼が競泳の池江璃花子選手(19)に取り憑いて離れないことで……。

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 万感胸に迫るものがあったのだろう。優勝インタビューの様子を見つめる彼女の目は、涙を湛(たた)えていた。

 水泳の聖地、「東京辰巳国際水泳場」で行われた日本学生選手権。池江選手は9月6日から8日まで3日連続で、自らが所属する日大の応援に訪れた。メガホン片手に声援を送る彼女の元気そうな様子をニュースの映像で見て、安堵した方も多かっただろう。そんな中、7日にその感動的なシーンは目撃された。日大の同期、男子100メートルバタフライの石川慎之助選手が優勝インタビューで、

「璃花子の帰りを待ちながらやってきた。いいタイムを出せて良かった」

 と語ると、応援席の池江選手は涙を見せたのだ。

「報道で見る限り、彼女の治療は順調に進んでいると思います」

 そう話すのは、血液・腫瘍内科を専門とする医師で医療ガバナンス研究所理事長の上(かみ)昌広氏である。

「彼女は現在、いわゆる地固め療法の段階だと推測出来ます。白血病の治療では、最初、4、5種類の抗がん剤をミックスして点滴などによって投与する寛解導入療法による治療が行われる。それが終わると、体内に残っている白血病細胞による再発を防ぐために地固め療法を行う。その次は入院治療を解除して抗がん剤を飲む治療か、または骨髄移植か、どちらかの治療に進みます」

 復帰に向け、着々と歩む競泳女子のエース。だが、彼女の現状に懸念材料が全くないわけではない。それは、タレントのなべおさみとの関係――。

本誌(「週刊新潮」)は「『池江璃花子』と『なべおさみ』奇怪なる巡り合い」(9月5日号)で、なべが都内の自宅に彼女を招じ入れる様子や、2人が肩を並べて銀座の街を歩く場面を写真と共にお伝えした。タレントとして一時代を築いたなべと、闘病中の池江選手。2人の「巡り合い」が、なぜ懸念材料になるのかといえば、彼がこれまで、オカルトと表現する他ない言説を振りまいてきた事実があるからだ。

 例えば、なべは自著『スター万華鏡』で次のように書いている。

〈病巣に存在している悪きものの本質を、一度私の体に移動させて、それを私は滅してしまう〉

「施術」「気を送る」などと称するそうした行為を、目下、なべは池江選手に施しているとみられる。本誌記事はそれを伝えるとともに、これまでなべが「施術」をしてきた著名人の実例にも触れた。例えば、「世界の王」こと王貞治氏の場合、なべは、自分が手を握り続けたことによって病が治癒したと豪語する。また、2年前に乳がんで亡くなった小林麻央さんの闘病中には、周囲に「麻央ちゃんに気を送ってあげている」と話していたという。

 本誌記事が世に出ると、読者からは池江選手を心配する声が多数寄せられた。「そんなオカルト治療に頼って大丈夫か」といったものだが、当のなべはどこ吹く風だという。記事が出るのと同じタイミングで吉本興業に所属したことが明らかになったこともあり、

「なべさん本人は、池江さんとの関係を報じる記事が出たことは“いい宣伝になった”と言っていました」(芸能関係者)

 また、池江選手を知る関係者によると、

「記事が出た後も、池江選手および彼女の母親となべさんの関係は続いていると聞いています。ただし、周囲の目があるので、なべさんの娘が病院にいる池江選手を訪ね、なべさんの言葉を伝えています。落ち着いたらまたなべさん本人が池江選手に直接『施術』するつもりのようですが……」

 世間の心配をよそに池江選手側がなべとコンタクトを取り続ける理由は、「施術」以外にもあるといい、

「池江選手側には、何か困ったことがあれば、なべの人脈を頼ろう、という思いもあるのではないでしょうか」(同)


■相次ぐ「困惑の声」


 水原弘の付き人として芸能界の片隅に居場所を得たなべが「シャボン玉ホリデー」で一躍脚光を浴びたのは1964年。同番組のコントが好評を博したことを足掛かりに、司会から俳優業まで、マルチな活躍を見せた。しかし91年、長男・なべやかんの「明大替え玉受験事件」が発覚。メインストリームから姿を消した彼は、『やくざと芸能と』など、多くの著作をものしてきたが、そこで誇示されているのは、政界から裏社会まで、幅広い人脈を有していることである。その人脈の一端には安倍晋三総理も連なっており、

「毎年4月に総理主催で行われる『桜を見る会』に、なべは少なくとも、一昨年から今年まで3年連続で招待されている。しかも、“なべ枠”のようなものがあるようで、毎年、なべやかんなど家族数人で参加しています」

 と、永田町関係者。

「参加者は総理と言葉を交わすことが出来ますが、大抵の人は挨拶程度。が、昨年、なべは自分から総理に声をかけ、その後、2人でしゃがんだ状態で数分間以上話し込んでいたのが印象的でした。なべは総理の背中辺りに“しっかりしろ”といった感じで手を回しており、一体どういう関係なのかと思いました」

 実は、今回、なべが吉本入りした背景にも、安倍総理の存在が見え隠れする。

「吉本の大崎洋会長に安倍総理が話をつけ、契約に至ったと聞いています」(芸能記者)

 自著でなべは自身の〈政界での原点〉として安倍総理の父親、安倍晋太郎氏の名前をあげている。ちなみに晋太郎氏をなべに紹介したのは、「東北の政商」小針暦二氏だったそうだ。

(2)へつづく

「週刊新潮」2019年9月19日号 掲載

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