「スカーレット」は「なつぞら」に比べてかなり地味 プロはスタートをどう見たか

 NHKの朝ドラ第101作「スカーレット」がスタートした。9月30日の初回視聴率は、20・2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)と辛うじて20%の大台をキープ。ところが、第2話は19・2%と早くも大台を割れ。主演の戸田恵梨香(31)は、初回冒頭にちょこっと出て以来、まだ出演はない。大丈夫か?

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 民放プロデューサーが語る。

「初回視聴率としては、2017年下期『わろてんか』(初回20・8%)以来、5作連続の20%超えとなりました。ただ、3作続けて終戦直後の昭和が舞台なので、ちょっと飽きてきましたね。また、前作『なつぞら』(初回22・8%)が第100作ということで、びっくり箱のように次から次へと歴代ヒロインやら吉沢亮(25)、草刈正雄(67)といった話題の人を登場させたのと比べると、『スカーレット』はどうしても見劣りしてしまう。ヒロイン一家の父が北村一輝(50)、母が富田靖子(50)、他に財前直見(53)……演技力はある人たちですが、明らかに地味です。第2話でオッと思わせたのが、村上ショージ(64)でしたからね。ギャグもやらずに淡々と演じていて、悪くはなかったのですが……んー、やはり地味かな」

 滋賀県の信楽(甲賀市)を舞台に、男ばかりの陶芸の世界に踏み込んでいくヒロイン・川原喜美子(戸田)を描く今作、テーマからして地味かもしれない。

「ただ、アニメーターになるという前作が今風を狙って、かえって無理を感じたのより、視聴者の年齢層が高い朝ドラには陶芸のほうがいいかもしれません。机に向かっているだけのアニメーターよりも、土を練り、造形して、焼くという作業のほうが動きもあります。初回の冒頭で出てきた戸田が、火事になるほど窯に薪をくべていたのも、先行き楽しみです。彼女はそれほど期待されない割りに、結果を出すポテンシャルを持っていますからね」

 問題は戸田が出て来るまで、どれだけ視聴者をつなぎ止めておけるかだ。

「第3話に佐藤隆太(39)という華のある人が出てきて、視聴率も20・6%に戻しました。『なつぞら』は色々な人を登場させすぎでしたが、やはり視聴者をおびき寄せる撒き餌は必用です。前々作『まんぷく』にも橋本マナミ(35)が初期の頃に出ていましたからね。そのあたりは、『夏子の酒』(94年、フジテレビ、主演:和久井映見[48])、『ホタルのヒカリ』(07年、日本テレビ、主演:綾瀬はるか[34])など、女性の主人公を描くことに関しては定評のある脚本の水橋文美江(55)次第でしょう。それに、イケメンは必須でしょうね」


■芸人のキャスティングが目立つ


 もっとも、イケメンはあまり期待できそうにない。NHK出版のドラマ・ガイド「スカーレットPart1」には、水橋の言葉としてこうある。

〈声をかけてくださった制作統括の内田ゆきさんや演出の中島由貴さんとは、おもしろいと思う映画やドラマに対する価値観、そんなにイケメン好きじゃないところも似ていて、(中略)今回貴美子が恋をする相手は、いわゆる登場した瞬間に女子がハッと一目惚れするようなタイプではなく、かめばかむほど味が出るキャラクターにしようと。毎朝見る朝ドラだからこそできる手法で、「ほんとはすごくいい男なんですよ」と視聴者の方をじわじわ洗脳し、「あれ……? この人かっこいい!」と気づいてもらおうと〉

 発表済みのキャスティングを見ても、関西だけに吉本の芸人が目立つ。すでに出演している村上はじめ、オール阪神(62)、吉本新喜劇からは辻本茂雄(54)、未知やすえ(56)、さらに松竹芸能からもTKOの木本武宏(48)……といった面々である。

「気になるのは、滋賀県を代表するミュージシャンの西川貴教(49)や、『奪い愛、冬』(17年、テレビ朝日)などの怪演が話題となった水野美紀(45)、一人芝居のイッセー尾形(67)、朝ドラ『京、ふたり』(90年)以来、約20年ぶりの出演となる羽野晶紀(51)らが、どんな演技を見せてくれるかですね」

 とはいえ、彼らが登場するのも、まだ先のようだ。

「となれば、やはり子役です。『なつぞら』では、なつ(広瀬すず[21])の幼少期を演じた粟野咲莉(9)が好評でした。現在、貴美子の幼少期を演じているのは、川島夕空(ゆあ[11])で、映画『進撃の巨人』やドラマ『緊急取調室』(テレビ朝日)、『グッド・ドクター』(フジテレビ)、朝ドラでは『花子とアン』、教育エンターテインメント『みいつけた!』(Eテレ)の3代目スイちゃん役を演じていた“ベテラン”です。ドラマのキャラクター上、ちょっとこまっしゃくれたところがあって、それほど可愛く見えないのが、視聴者に受け入れられるかどうか。むしろ、彼女の親友となる照子には、『義母と娘のブルース』の横溝菜帆(11)、貴美子の妹役には、やくわなつみ(7)、彼女たちが気になります。特にやくわは、芦田愛菜(15)はじめ寺田心(11)、粟野咲莉など天才子役を続々と生みだしている事務所の所属です。ドラマはほぼ未経験のようですが、乳歯が抜けて前歯のない状態で熱演しています。また男の子ですが、林遣都(28)の幼少期を演じている中村謙信(11)は、現在出演しているキャスティングの中で最もイケメンと言えるかもしれません」

「スカーレット」第4話は20.7%で大台キープ。「なつぞら」のような尻すぼみではなく、ジワジワ盛り上がることを期待したい。

週刊新潮WEB取材班

2019年10月7日 掲載

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