高畑充希「同期のサクラ」が第5話で最高視聴率 “右肩上がりドラマ”の共通点

 夢にまっしぐらで何ごとにも忖度できないサクラ(高畑充希[27])と同期たちの群像劇「同期のサクラ」(日本テレビ)が、折り返し地点の第5話(11月6日放送)で番組最高視聴率11・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)を記録した。

 初回の8・1%から3・7ポイントも伸ばしている。このまま上がり続けることは可能なのか、過去の右肩上がりドラマから検証する。

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 まだご覧になっていない方のために、簡単にこれまでの経緯をおさらいしてみよう。「同期のサクラ」は、2009年に大手ゼネコンに入社した同期たち5人の物語を、1話で1年ずつ描いていく。

 第1話でサクラは、入社式でいきなり社長の挨拶にダメ出しをして周囲から浮きまくる。サクラは新人研修で、百合(橋本愛[23])、葵(新田真剣佑[22])、菊夫(竜星涼[26])、蓮太郎(岡山天音[25])と同じグループになるのだが、課題の建築模型作りでマイペースぶりを存分に発揮する……という彼女のキャラを紹介する内容だった。ただ、2019年現在の彼女は、重い脳挫傷で意識が戻っていないことも明かされた。

 第2話の舞台は入社1年後の2010年。営業部に配属された菊夫は、上司からパワハラを受けていた。超過勤務で倒れ、自分を見失ったところをサクラに救われる。

 第3話は2011年。自他共に認める広報部の華の百合だが、そこに自分の居場所は見いだせず、寿退社を決める。だがサクラから、「結婚が居場所なのか」と問い詰められて大げんかに。結局、百合は結婚を取りやめ、仕事を続けることになった。

 第4話は2012年。設計部の蓮太郎は、後ろ向きな性格も災いして部内に馴染むことができなかったが、サクラたちの励ましで気持ちを一新。

 第5話は2013年。エリートコースの都市計画部へ配属された葵は、将来は社長になることを公言する自信家だったが、誰からも評価されていないことを知って自殺未遂を計る。サクラたちの励ましで立ち直る葵だったが、土木部に異動――。

 民放プロデューサーが言う。

「前半5話で、同期5人のキャラクターそれぞれが、“一生信じ合える友”として認識したところまで描かれました。その間、8・1%→9・5%→9・3%→11・5%→11・8%と、ほぼ右肩上がりとなっています。1クールの連ドラで右肩上がりは滅多にありませんでしたが、最近は増えています。特に、TBSの火曜ドラマ枠はその傾向が強いですね」

■監督が変わって視聴率上昇


「右肩上がりのドラマに共通しているのは、実力派人気若手女優を主役に、旬のイケメンという組合せです。そして話の軸が2人からブレないこと。火曜ドラマでもなく、2クールでしたが、『あなたの番です』(日テレ)は、初回8・3%でしたが後半に入って視聴率が上がりはじめ、最終回では19・4%を記録しました。前半の数字が1桁続きだったのは、人物関係がゴチャゴチャしすぎて、主役が原田知世(51)だったこともあるかもしれません。彼女は実力的には申し分ないものの、旬の若手ではなかった。彼女が死亡して、後半のヒロインが西野七瀬(25)と横浜流星(23)が中心になってから、視聴率は二桁続きとなりましたからね。逆に言えば、キムタク(木村拓哉[47])の『グランメゾン東京』(フジテレビ)や『シャーロック』(同)の数字が今ひとつパッとしないのも、若くて綺麗で実績のある女優が不在だからかもしれません。大型テレビ、デジタルハイビジョンの現在、若くて綺麗な女性は欠かせないと思います」(同・民放プロデューサー)

 では「同期のサクラ」は、これに当てはまるのだろうか。高畑の若さと実力は申し分ないだろう。しかし、第5話までは同期の1人ずつを描いており、男女の物語ではないのだ。

「第5話で、ようやくイケメンの新田真剣佑が主役の回となりました。これで同期5人が一巡したわけです。この第5話で視聴率は最高を記録し、今後どう展開させるかにかかってくるでしょう。すでに真剣佑が演じる葵は、サクラに対し、『メガネを取ると可愛い』、『好きになった』とのセリフもありましたからね。2人の恋バナに発展していく可能性は十分にあり得ます。また竜星涼の菊夫もサクラに好意を持っているところを小出しにしていますから、男に全く興味がなさそうなサクラがどう対応するのかも楽しみです」(同・民放プロデューサー)

 それにしても、ドラマ開始直後は、なんだか内容が暗かった。デイリー新潮(10月23日配信)でも、「『同期のサクラ』はリアル過ぎる設定に難アリ 遊川作品『ハケン占い師アタル』との差」として報じたほど。だが最近は、それもさほど気にならなくなったような――。

「脚本はベテランのヒットメーカー遊川和彦氏(64)ですから問題はないでしょう。調べてみると、番組開始時とは演出が変わっているそうです。第1と第2話は若手監督でしたが、第3話以降は超ベテラン監督が務めているんです。『デイリー新潮』では、サクラが意識不明で入院しているのが分かっているから笑えるシーンも笑えない、といった意見も掲載していましたね。結局、彼女が入院中であることを忘れさせるほど、過去が描き切れていなかったからかもしれません。プロの目で見ても、第1と第2話は、『そこ、BGM入れるところじゃないだろ!』とか、『欲しいのはそのカットじゃない』とイライラして見ていましたから。もちろん若手監督も、前作『過保護のカホコ』のスタッフでしたが、担当したのは全10話中の1話のみでした。『カホコ』が上手くいったので、今回は初回と第2話を任せてみたのかもしれません。あのまま行ったら、視聴率は下がり続けたかもしれませんが、第3話で明らかに流れが変わった。特にサクラと百合(橋本愛)の大バトルは見応えがありました。キレやすい百合に対して、常に冷静なサクラが訛りながらキレて、負けずにののしる姿は圧巻でした」(同・民放プロデューサー)

 とはいえ、第3話は第2話よりも、わずかながら視聴率を落としている。

「実は、この日の日テレは、日本シリーズ第4戦の中継が押して、『サクラ』は55分遅れで始まるという不幸がありました。それでも第4話から視聴率が上がり出したのは、視聴者にも第3話での違いが伝わったからだと思います。大事なのは20〜40代の働く女性達の口コミです。女同士の戦いはウケたと思います。ただ、SNSなどによる口コミにはタイムラグがありますからね。効果が出るのは翌週ですから」(同・民放プロデューサー)

 さて、第5話では、サクラの子会社への出向、葵は土木部に移動することが明かされて終わった。土木部には、第2話で菊夫にパワハラを続けた部長(丸山智己[44])が異動している。果たして彼は、今もパワハラを続けているのだろうか。その下で葵はどうなるのか。そしてサクラは子会社で何をしでかすのか――。さらなる右肩上がりは、ベテラン監督たちの腕にかかっているのかも。

週刊新潮WEB取材班

2019年11月13日 掲載

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