ビートたけし「おい、刀出せ!」と恫喝…元弟子が語る森社長「吊し上げ糾弾会」

ビートたけし「おい、刀出せ!」と恫喝…元弟子が語る森社長「吊し上げ糾弾会」

ビートたけし

■ビートたけし、軍団が「森社長」吊し上げ糾弾会(1/2)


 ビートたけし(72)は「愛人」に幻惑されている。たけしの運転手を務めてきた人物が、本誌(「週刊新潮」)11月21号でその詳細を実名告発した。にもかかわらず、たけし側は相変わらず真実に蓋をしようとしている……。元運転手の告発第2弾では、たけしによる「恫喝」が明らかにされる。

 ***

「おい、刀出せ!」

 あの時、殿は間違いなく、この物騒な言葉を口にしました。

 2018年2月11日、東京都世田谷区にある殿の自宅兼事務所、通称「等々力ベース」。軍団と会計士ら約10人を引き連れ、殿は叫んでいました。

「なめてんじゃねーぞ、コノヤロー!」

 森昌行さん(当時「オフィス北野」社長)を取り囲んでの糾弾会。絶叫しながら森さんを吊し上げる殿は、もはや「正常」ではありませんでした。そして実際に木の棒を手にし、森さんに殴りかかろうとしたのです。

「テメエ、いい加減にしろよ、コノヤロー?」

 軍団も入り乱れての阿鼻叫喚。私は咄嗟に殿を羽交い締めにし、殿が右手に握りしめていた「武器」を取り上げ、放り投げました。

 殿は変わってしまった。もう昔の殿ではない。全ては「あの日」に始まったのです。殿が「彼女」と出会ったあの日から――。

〈こう証言するのは石塚康介さん、41歳だ。本誌は11月21日号で《10年来の「弟子」が実名告発! 殿「ビートたけし」を幻惑する「18歳年下愛人」の手練手管》と題した記事を掲載したが、彼はその告発の主である。

 第1弾の内容をおさらいしておくと、2010年に「殿」ことたけしに弟子入りし、翌年6月から8年間、たけしの運転手を務めてきた石塚さんは、たけしの愛人とされてきた「彼女」、横井喜代子氏(仮名)のパワハラに耐えかね、今年7月30日にたけしのもとを去った。

 そして10月23日、そのパワハラによって自律神経失調症を患った石塚さんは、横井氏と、たけしが代表取締役を務め、彼女も取締役に名を連ねる「T.Nゴン」を相手に、1千万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 石塚さんは横井氏の理不尽な言動の数々、また彼女がたけしを「幻惑」している様子を詳細に語った。それはまさに、運転手としてたけしを間近で見続けてきた人物ならではの、微に入り細を穿(うが)つ生々しい告発だった。

 しかし、本誌の報道を受け、T.Nゴンは《報道機関各位》と題したコメントを発表し、石塚さんの告発内容は事実に反するとの主張を展開した。だが、そこには事実に反することの具体的な根拠は何ら示されていなかった。

 このコメントに対する石塚さんの反論は(2)で紹介するが、まずは石塚さんがたけしと横井氏の関係、そして「森糾弾会」について続ける。〉


■給料が高過ぎる


 殿の誕生日だった13年1月18日に横井さんと出会うと、殿はすぐに恋に落ち、約3カ月後には奥様だった幹子さんと暮らしていた外苑前の家を出て、横井さんと同棲するようになりました。そして、殿は彼女の「影響」を色濃く受けるようになっていきます。

 例えば、横井さんと出会ってから殿はケチになり、おカネにうるさくなってしまいました。「あのネエチャン(横井氏)、カネがかかるからよ」と、幹子さんから貰っていたお小遣いの額を月300万円から400万円にあげてもらったり、スタッフに配っていた万札入りのポチ袋を止めてしまったり、といったことは第1弾でお話しした通りです。

 そして、森さんの糾弾会も、横井さんから「この人たち(オフィス北野のスタッフやタレント)の給料が高過ぎる。ダーリン(たけし)、あなた会社に金を取られているだけなんじゃないの」と吹き込まれた殿が、森さんが役員報酬を貰い過ぎだと思い込んだために開かれたものでした。

 その日、殿と軍団は、「金を貰い過ぎだ」「これまで10億円なんてもんじゃないに決まってる」「株主総会になぜ呼ばない」「会社の株はどうなっているんだ」などと、延々とカネ絡みのことで森さんを追及していました。それも約3時間にわたって――。

〈当日の様子を、森氏はかつて本誌(18年4月12日号)でこう語っていた。

《軍団がいると感情的な話になってしまうので、たけしさんとT.Nゴンの責任者のひとりを交えて3人で話したいと伝えたのですが、結局、今年2月11日、「軍団はいるけれど彼らに口は出させないから」ということで、たけしさんの自宅で話し合いをすることになったのです。/しかし、いざたけしさんの自宅に行ってみると、ガダルカナル・タカ、ダンカン、つまみ枝豆、グレート義太夫、水道橋博士、井手らっきょ、その他、若い衆もいて、(中略)追及を受けました》

《たけしさんの自宅での話し合いは、怒号が飛んでくるものとなり、私は自分の持ち株を軍団に贈与するよう迫られました》

《軍団が居並び、たけしさんも「(軍団に対して)お前ら、黙ってんのか!」と荒れた様子で、10人程度に囲まれた私はかなりの圧力を感じざるを得ない環境に置かれていました。正直に言って、その場から早く逃れたかった》

《恫喝に近い強いプレッシャーを感じた》

 現場にいた石塚さんが、この日の様子を振り返る。〉

 そもそも森さんの糾弾会は、横井さんの存在が叩かれ始めていたなか、森さんを悪者に仕立て上げ、話をすり替えるために開かれたというのが真相だと思います。その日、殿は鬼の形相で森さんに凄んでいました。


■「テメエ、コノヤロー?」


〈それが冒頭で紹介したシーンだが、その時に録(と)られていた音声データと石塚さんの証言をもとに、ここにたけしの「恫喝」を再現する。なお当時、たけし側は、「恫喝は全くないです」(つまみ枝豆)と語っていたのだが――。

 森氏が、

「殿ご自身が経営には……」

 こう説明している最中のことだった。

《ガンッ》

 たけしが湯呑みを叩きつける音が響く。彼をはじめ、軍団も総立ちとなり、森氏に襲いかからんばかりの緊迫した空気が漂った。

 そして、ついにたけしが「一線」を越える。

「おい、刀出せ!」

 森氏に殴りかかろうとするたけし。石塚さんがたけしを羽交い締めにし、何とか事なきを得たものの、悲鳴や怒号が飛び交い、現場はカオスと化す。たけしは、なおも森氏を一方的に責め立てた。

「なめてんじゃねーぞ、コノヤロー!」

「テメエ、いい加減にしろよ、コノヤロー?」

「うじゃうじゃ、うじゃうじゃ、適当なことばっか言いやがって!」

「腹括れよ、おまえ!」

「おまえ、普通だったら軍団も半端じゃねえぞ。おまえ、いいかっ? おまえ、30年も騙され続けて、最後の最後にこのザマだぞ。この汚さ、見たか、えっ」

「(軍団)全員に何株かずつ返せよ。それで、(株の)贈与税も全部テメエで払えよ。いいかっ!」〉

 今から振り返れば、この日が最後の「チャンス」だったと思います。結局、この直後に、殿はオフィス北野を辞めて独立し、T.Nゴンに移籍。そして、一緒に連れて行ってもらえると思っていた軍団メンバーはオフィス北野に置いていかれ、今年6月には幹子さんとの離婚が明るみに。この日、誰かが「殿、目を覚ましてください」と言えていれば……。結果的に、これを境に横井さんを妄信する殿の「孤立」は深まっていきました。やはりこの日が「ポイント・オブ・ノーリターン」、後戻りできない境目だったと思います。

〈以後、たけしのもとから、より正確に言えば横井氏に幻惑されるたけしのもとから、次々と人が去っていく。森氏、スタイリスト、マネージャー、幹子夫人……。たけしを尊敬して止まなかった石塚さんもそのひとりだった。横井氏に振り回されるのは、また、そんな彼女を野放しにしているたけしのもとにいるのは限界だった。〉

(2)へつづく

「週刊新潮」2019年11月28日号 掲載

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