「和牛」がM-1準決勝でまさかの敗退 業界に敗者復活で優勝を望む声が多いワケ

「和牛」がM-1準決勝でまさかの敗退 業界に敗者復活で優勝を望む声が多いワケ

和牛の2人

 12月4日、漫才日本一決定戦「第15回M-1グランプリ」(ABCテレビ/テレビ朝日系)の準決勝が行われた。22日に開催される決勝戦に登場する9組の中に、「和牛」の名はない。昨年まで3年連続で準優勝に泣き、今年こそ優勝と目されていたのだが……。とはいえ、決勝に進出したのは聞いたことのないコンビばかりで、このままでは話題性も低くなる。業界関係者は、「優勝には“ドラマ”が不可欠」と言うのだが――。

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 今年のM-1には、過去最多の5040組がエントリーした。その中から勝ち残り、決勝に進出する9組は以下の通り。

 からし蓮根、ミルクボーイ、ぺこぱ、オズワルド、すゑひろがりず、ニューヨーク、インディアンス、見取り図、かまいたち。

 バラエティ番組にも数多く出演している「かまいたち」を除けば、他は知らないという方が少なくないのではないか。なにせ、これまで決勝に進んだことがあるのは、「かまいたち」(3年連続3回目)と「見取り図」(2年連続2回目)のみで、他7組はいずれも初出場なのだ。民放プロデューサーは言う。

「M-1王者には賞金1000万円が授与されますが、芸人としてそれより大きいのがテレビへの出演です。優勝が決定する生放送直後から出演オファーが殺到し、翌日のワイドショーへの生出演を皮切りに、100本近くの仕事が決まります。このチャンスを活かすことができれば、テレビタレントとして認められ、3ヶ月、6ヶ月とブームが続くわけです。ちなみに、昨年の王者は『霜降り明星』でした。彼らは見事、この1年を生き残りました。来年も、しばらくはこの人気は続くと言われています」

 注目度もバツグン。例えば、霜降り明星のせいや(27)が、深夜ラジオでちょこっとしゃべった、「お笑い第7世代」発言は波紋を呼んだ。第7世代は2010年代後半から活躍する若手お笑い芸人、もしくは平成生まれの若手お笑い芸人を指すとされ、古い世代のお笑いとの差別化をアピールしたと受け取られた。


■第7世代はほぼいない


「彼らはM-1優勝者で初の平成生まれですからね。せいやも軽い気持ちで言っただけでしたが、それ以前の世代とされた芸人たちからは反発の声も出ました。ひょっとすると、今年も『霜降り』のような超新星が続出して、新たな盛り上がりが出てくるのかと期待したのですが……」(同・民放プロデューサー)

 今年の決勝進出者たちはフレッシュな顔ぶれだが、

「実は決勝に残った9組のうち、第7世代に当てはまる20代コンビは『からし蓮根』(杉本青空[25]、伊織[26])のみ。『オズワルド』の伊藤俊介もかろうじて平成元年生まれですが、30歳です。そのほかも皆30代で、『かまいたち』の山内健司は38歳です。島田紳助さん(63)がこの番組を企画した時、出場資格は結成から10年以下のコンビとされ、明確に新人発掘番組だったんですけどね。現在は、結成15年以下と変更されています」(同・民放プロデューサー)

 すでに中堅どころともいえる「かまいたち」は、今年が結成15年でラストチャンスである。M-1では一昨年が決勝4位、昨年は5位だった。ラストチャンスで優勝となれば、これも盛り上がるのではないか。

「メディアはそうやって盛り上げようとするでしょうが、彼らはすでに17年のキングオブコントで優勝しているので新鮮味があまりない。かといって、全く知らない芸人よりも、ある程度も知名度のある芸人のほうが扱いやすいですからね」(同・民放プロデューサー)

 そこで期待されていたのが「和牛」だった。

「彼らはM-1決勝には昨年まで4年連続で出場しており、史上初の3年連続準優勝という記録を持っています。“M-1の帝王”と呼ばれることもありますが、本人たちにとっては優勝こそ悲願のはずです。漫才の実力は折り紙付きで、すでにバラエティでも認められた存在です。今年こそ優勝の最有力候補とみられていたので、まさか準決勝で敗退するとは思いませんでした。やはり連続出場すると審査員たちのハードルも上がってしまうのでしょうね」(同・民放プロデューサー)

 だが、敗者復活という目が残っている。

「私たちが期待するのはそこです。これまで敗者復活から優勝したのは、サンドウィッチマン(07年)と、トレンディエンジェル(15年)のみ。両コンビとも長く人気を保っています。やはり、3年連連続準優勝、そして今年は敗者復活から優勝すれば、かなりのドラマになるし、印象にも残りますからね。他にも復活を狙うのは『ミキ』や『アインシュタイン』、『カミナリ』などもいますが、やはりドラマ性という意味では『和牛』が断トツでしょう」(同・民放プロデューサー)

 3年連続準優勝からまさかの敗退、敗者復活で這い上がり、念願のM-1王者、なんてことになれば、やらせを疑われるほど盛り上がるだろう。

「もちろん審査員たちはガチですよ。審査員がらみの騒動は、昨年の上沼恵美子さん(64)に対する暴言騒動で懲りているでしょうから。いずれにせよ、『和牛』にはその実力はもちろん、審査員たちも好む本寸法の漫才ができるし、ツッコミの川西賢志郎(35)は“抱かれたい芸能人”で2位になるほどの人気もある。彼らの優勝は、テレビ業界も期待していますね」(同・民放プロデューサー)

週刊新潮WEB取材班

2019年12月13日 掲載

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