加藤「スッキリ」が羽鳥「モーニングショー」を猛追 日テレVSテレ朝視聴率戦争に異変

加藤「スッキリ」が羽鳥「モーニングショー」を猛追 日テレVSテレ朝視聴率戦争に異変

「スッキリ」のMC、加藤浩次

 昨年の年間視聴率争いは相変わらずで、かろうじて日テレが三冠を制した。だが、年が明けると状況は一変しているという。第2週〜第4週にかけて、日テレは週間視聴率で3週連続の三冠を獲得。逃げ足を早めて、テレ朝を引き離している。一体、何が起こっているのか。

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 両者の勢いを象徴しているのが日曜夜のバラエティ戦争だった。昨年は、日テレの看板とも言える「世界の果てまでイッテQ!」を、テレ朝の「ポツンと一軒家」(ABCテレビ制作)が追い抜き、突き放したことはデイリー新潮でも伝えてきた。

 しかしながら、「『ポツンと一軒家』が『イッテQ』に連勝! それでも業界からは早くも不安の声」(19年4月14日配信)でも報じた通り、そこには裏番組の大河ドラマ「いだてん」の不調が大きかった。「いだてん」が下げた視聴率は、そのまま「ポツン」に移ったような傾向があったのである。民放プロデューサーも言う。

「個人視聴率で見ても、『ポツン』の視聴者はお年寄りが多かった。同番組は、今年1月5日には19・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)の高視聴率を誇っていましたが、19日にNHK大河『麒麟がくる』がスタートすると、16・1%に急落。一方、この日の『イッテQ』は15・6%といつもと変わらず安定していました。日テレがどうしたというわけではなく、テレ朝が失速したわけです」

 そこに不運も加わったという。

「昨年の連ドラNo.1の視聴率だった米倉涼子の『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレ朝)の後番組『ケイジとケンジ〜所轄と地検の24時〜』は、16日の初回こそ、12・0%とまずまずの出足でした。しかし、『週刊文春』が主演の東出昌大の不倫を報じた日に放送された第2話は、9・7%と急落。彼に対する批判の声は、当分、治まりそうもなく、CMはすべて降板。ドラマにも打ち切り説が流れているほど。第3話では10・3%に持ち直したとはいえ、はたしてそこから伸びるかどうか……」(同)

 さらに朝番組にも異変が起きている。

「テレ朝の全日帯(6時〜24時)を引っ張ってきたのが、朝の情報番組の強さでした。中でも『羽鳥慎一モーニングショー』は盤石と言ってよく、昨年までの3年連続で民放の首位(年間平均視聴率9・4%)を獲っていた。しかし、徐々に日テレ『スッキリ』が迫りつつあったんです。そして20日には、『モーニングショー』8・0%、『スッキリ』8・4%で逆転しました」(同)


■闇営業問題で変わった「スッキリ」


「スッキリ」といえば、MCは極楽とんぼの加藤浩次だ。昨年は、自身も所属する吉本興業の闇営業問題に対して、番組内で反旗をひるがえし、“加藤の乱”と耳目を集めたのは記憶に新しいところ。

「実は、昨年春頃まで『スッキリ』は数字が上がらず、加藤更迭論や番組打ち切り説なども取り沙汰されるほどでした。しかし、6月に闇営業問題が発覚し、宮迫博之とロンブー田村亮による涙の会見、その後の吉本社長によるグズグズ会見が行われた。これに加藤が吉本に対して歯に衣着せずに吠えたことが、視聴者の琴線に触れたのでしょう。視聴率も上がり、時には『モーニングショー』を上回ることもあった。その頃から、日テレスタッフの番組のネタ選びも変わってきたように思います。奇をてらったネタや外タレ情報ではなく、視聴者が見たいものをしっかり伝えようとする姿勢が見えてきた」(同)

 日テレ、いや加藤には運の良さも加わる。

「23日も『スッキリ』(9・2%)は『モーニングショー』(8・8%)に勝っています。この日の放送のオープニングは『スッキリ』は、“米・ノースカロライナで行われたレスリングに親が乱入”、『モーニングショー』は“ペインカタルーニャの街を覆った白い泡”と、いずれもドッキリ映像で始まっています。最近はこのパターンが多いんですね。裏では朝ドラが始まりますから、チャンネルを変える途中で立ち止まってもらえたらというこです」

 第一報が特ダネというわけではないのか。

「『スッキリ』がその後に取り上げたのは“東出昌大&唐田えりかの不倫問題”でした。解説には井上公造さんを呼んで、20分以上かけた。それから、“武漢の新型コロナウイルス”でさらに20分という王道の選択でした。一方の『モーニングショー』はといえば、“泡”の後に、“武漢”を13分、その後に“沖縄で起こったパトカーとのカーチェイス”。しかし、これは話題の“あおり運転”というわけでもなかった。さらに“暖冬で野菜が豊作”というネタで1時間近く引っ張った。この日の数字の差ははっきりと、取り上げたネタの差と言えるでしょう。まさに日テレに運があった」

 23日といえば、東出主演の「ケイジとケンジ」の放送日である。

「そこにぶつけていくのは当然でしょうね。ただ、テレ朝に限らず、ドラマ制作部と情報番組は仲が悪いですからね。『モーニングショー』も“東出”ネタをやろうとしていたのかもしれません。しかし編成からストップがかかったのでしょう。ワイドショーの視聴率よりも、スポンサーがつくゴールデンの数字の方が大事ですからね。そうでも考えないと、なんであんなに、ひまネタが続いたのか説明できません。どこでもやれる陳腐なネタでは、視聴者は離れます。それが『スッキリ』の勝利に繋がったのでしょう」

 加えて、『モーニングショー』はコメンテーターにも陰りが出てきたという。

「『モーニングショー』は実績と好感度でNo.1の羽鳥慎一アナに加え、月曜コメンテーターには石原良純、金曜には長嶋一茂、さらにレギュラーには口うるさい玉川徹で人気を保ってきました。しかし、よくよく見てみれば、火曜〜木曜までのコメンテーターは弱い。玉川はテレ朝の一社員にもかかわらず、『徹子の部屋』に出演したり、昨年は熱愛報道まであって、段々、謎の人ではなくなってきた。視聴者の関心が薄らいできたのかもしれません。さらに『モーニングショー』の前に放送されている『グッド!モーニング』は一昨年には10%を獲ってきた番組でしたが、これも陰りが見えてきた。最近はフジの『めざましテレビ』や日テレ『ZIP!』の後塵を拝することもあります。朝の時間帯は、忙しい家庭が多く、チャンネルはそのままの傾向が強い。『グッド!モーニング』の失速は、続く『モーニングショー』の失速に繋がります。逆に『ZIP!』の勢いが『スッキリ』の猛追に繋がっているのも間違いないでしょう」(同)

 テレ朝は、会社創立以来初の年間三冠王を諦めることになるのだろうか。

週刊新潮WEB取材班

2020年2月7日 掲載

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