視聴率12%割れの「相棒」 凝り過ぎのストーリーが不評、再放送のほうが面白いという声

「相棒」5日放送分の視聴率は異例の12%割れ 水谷豊の宿敵・伊武雅刀が登場

記事まとめ

  • 2月5日放送の「相棒」の視聴率が、今シリーズ2度目となる12%割れとなった
  • 右京(水谷豊)の宿敵、南井(伊武雅刀)が来日すると連続殺人事件が発生する内容
  • 視聴者からは「細部にこだわりすぎて、内容を理解するのが困難」との声も

視聴率12%割れの「相棒」 凝り過ぎのストーリーが不評、再放送のほうが面白いという声

 2月5日放送の「相棒」(テレビ朝日)は視聴率11・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)だった。他のドラマならいざしらず、人気シリーズとしては異例の数字だ。12%割れは今シリーズ2度目(19年10月23日放送の第3話:11・9%)で、その前はと言えば、05年3月16日に記録した11・6%。実に15年ぶりとなる。このままではシリーズ平均も15%を割りそうだ。

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 11・8%を記録した5日の放送は、前週の1月29日放送から2週連続放送の後編。ちなみに29日の視聴率は14・0%だった。

 どんなストーリーだったかと言えば……。右京(水谷豊)にとって、かつての相棒であり宿敵でもある南井(伊武雅刀)が英国ロンドンから来日すると、東京で連続殺人事件が発生する。山手線沿線で相次いで起きている殺人事件が、かつてロンドンの地下鉄で発生した“逆五芒星事件”と呼ばれる連続殺人と多くの類似点があることに気づく。右京は南井の犯行であることを暴くが、すでに南井は認知症が進んでおり……。

 SNSでの評価を見ていよう。

《初期からずっと追いかけてるドラマですが、今回の話はながら見すら時間がもったいなく感じるほど面白くなかったです。。今までの相棒ワーストスリーに入るかも。帳尻合わせ感が見ていて辛かった。シリーズまたいで、しかも2話連続でやるにはちょっと残念な結末。せっかくの伊武雅刀が老いで殺人て。もっと良い犯人役であってほしかった……》

《最近の相棒はあまりにも細部にこだわりすぎて、内容を理解するのが困難。精神的に問題のある犯罪者が合理的に行動することが可能なのか。まるで、文学作品を読んでいるような内容で、後味が良くない。》

《TV朝日と系列局は相棒再放送もやめないでほしい……》

 ある民放プロデューサーも同感だったという。

「この日は裏番組の『1億人の大質問!?笑ってコラえて!3時間SP』(日本テレビ)が15・4%も取っていたことも影響したのでしょう。しかし、かつての『相棒』はバラエティなどに負けませんでしたからね。『相棒』の面白さって、キャリアで天才的な頭脳を持ちながらも、いやそれが故に窓際部署の“特命係”に追いやられた右京さんと相棒が、予想に反して事件を解決し、偉そうな捜査一課の鼻を明かす。ある意味『水戸黄門』的な痛快さがウリでした。ところが最近の『相棒』は、筋立てに懲りすぎていて、話が現実離れしすぎです。ついて行けない視聴者が多いのも分かります。それもあって、最近は夕方の再放送のほうが面白いという声をよく聞きますよ」

■シリーズ平均20%超も


 現在放送中の『相棒』はSeason18で、Season1が放送されたのは02年のこと。それに先立つ2000年から土曜ワイド劇場の特番として放送されているから、21年目を迎えたことになる。

 Seasonごとの視聴率を見比べると【表1】のようになる。

 Season4まではシリーズ平均視聴率は大台15%以下だったが、Season5以降は15%超をキープ。それどころか、2代目相棒・神戸亘(及川光博)となったSeason9では全話平均で20%超という快挙を成し遂げた。

 ちなみにこの間の劇場版は、08年5月公開の第1弾「絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン」が興行収入44・4億円と大ヒット。10年12月公開の第2弾「警視庁占拠! 特命係の一番長い夜」の興収は31・8億円だった。

 Season11から相棒は3代目の甲斐亨(成宮寛貴)となるが、視聴率はいずれも17%超と安定している。だが、Season14からの相棒は4代目の冠城亘(反町隆史)となって異変が起きる。シリーズ平均は一気に15%台をうろつくようになるのだ。

 この間に公開された劇場版は、14年4月公開の第3弾「巨大密室! 特命係 絶海の孤島へ」が興収21・2億円。17年2月公開の「首都クライシス 人質は50万人! 特命係 最後の決断」の興収は19・2億円と、公開するたびに観客を減らしている。

 これらをグラフ化してみるとこうなる。(※【グラフ】参照)

 こうしてみると、Season14から明らかに数字を落としている。反町が足を引っ張っているようにも見えるが……。


■長期シリーズはスタッフにも変化


「確かに当初の反町は、キャリアなのにふざけた態度が多く、鼻につくこともあったが、今ではそれが板についた感がある。やはりドラマそのものの作り方が変わってきたのだと思います。20年続くシリーズですからね、人が変われば内容も変わってきます。まずSeason1からプロデューサーを務めてきた松本基弘氏が、Season13から桑田潔氏に。そしてSeason14を終えて、それまでメイン監督を務めていた和泉聖治監督が降りたことが大きいでしょう。彼は映画監督ですが、『相棒』では特番の時から監督を務めていました。シリーズ化してからも、時にはワンシーズンに10話も監督を務め、中でも初回と最終回、そしてSeason4以降の恒例となった元日スペシャルでは必ずメガホンを取っていました」(同・民放プロデューサー)

 だが、視聴率が落ちるのは、監督を務めた最後のSeason14だ。

「すでにSeason14の元日スペシャルに彼の名はありませんでした。“和泉ブルー”とも呼ばれる独特の色調と、単純明快で痛快な面白さがありましたが、Season14から、新スタッフに変わり始めていたのです。そもそも『相棒』は東映の製作で、テレ朝はなかなか口出しできません。和泉監督は東映に籍を置いているわけではありませんでしたが、他の監督はほとんどが東映ですから……」

 反町のせいではなかったのか。

「反町は“相棒”として5シーズン目となり、いまや歴代2位の長さを誇ります。むしろ先代の相棒・甲斐の終わり方に、唖然としたという声も多いですね。警官でありながら、警察の追及を逃れた犯罪者たちに天誅を下す暴行犯で、逮捕されるというのがSeason13の最終回でした。“何だよ、それ”と思った視聴者は多かったと思います。視聴率が落ちるのは、その後からです。また、彼の父役の甲斐峯秋(石坂浩二)が、いまだに特命係の直属の上司的な立場で残っているのも納得がいきません。もっともこれには、右京の上司であり時に敵対した官房長・小野田公顕(岸部一徳)を劇場版IIで殺してしまったことで、彼に意見を言える存在がいなくなってしまったからかもしれません」(同・民放プロデューサー)

 長期シリーズはスタッフもキャストも大変なようだ。ところで、鑑識の米沢さん(六角精児)がレギュラーだったのはSeason14まで。オタク気質のいいキャラだったが、彼がいなくなって視聴率が落ちた――という見方は穿ちすぎか。

週刊新潮WEB取材班

2020年2月10日 掲載

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