「麒麟」「ポツン」「イッテQ」が近年稀に見るハイレベルな戦い 最後に笑うのは?

「麒麟」「ポツン」「イッテQ」が近年稀に見るハイレベルな戦い 最後に笑うのは?

怪演の光る本木雅弘

 日曜夜8時に勃発したテレビ局の戦いが熱い。NHK大河「麒麟がくる」VS日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」VSテレビ朝日「ポツンと一軒家」で、近年稀に見るハイレベルな視聴率争いが繰り広げられているというのだ。各局ともさぞや沸いているかと思えば、意外にも、それ程でもない、むしろ今後が心配だとか――。

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 4月19日(日)の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)は以下の通りだ。

●NHK大河「麒麟がくる」:15・4%

●日テレ「イッテQ 春の2時間スペシャル」:18・5%

●テレ朝「ポツンと一軒家」:20・0%

 15%超の番組が3つもあったのだ。

 この日の「麒麟がくる」は、斎藤道三(本木雅弘)と娘婿である織田信長(染谷将太)の初対面、いわゆる“聖(正)徳寺の会見”が見せ場だった。民放プロデューサーは言う。

「大河はモックンの怪演が光っていましたね。信長がメインの時代劇では、外すことのできない名場面ですし、この会見後、数年で世を去ることになるわけですから。大河は初回こそ19・1%でスタートしましたが、一時は13%台にまで落ち、15%台に持ち直してきました。やはり時代劇は強い。昨年の『いだてん』(平均視聴率8・2%)とは違います。それにしても、かつて“大河のウラはぺんぺん草も生えない”と言われた時代とは隔世の感があります。『独眼竜政宗』(87年)など、平均で39・7%ですから、いかに民放が苦しかったことか。日テレなど、『コント55号の裏番組をぶっとばせ!』(69〜70年)で野球拳などを入れた低俗番組で対抗し、そこそこの視聴率は取ったものの、視聴者から苦情が殺到して1年で打ち切られたほどですからね。その頃に比べると、大河は20%も取らなくなりましたし、おかげで民放も対抗できるようになったわけです」

 その日テレの「イッテQ」は、19日は2時間スペシャルで、目玉はイモト夫妻の結婚後初のロケだった。

「『イッテQ』は、世帯視聴率で見ると18・5%で2位ですが、個人視聴率で見ると13・7%、2位の『ポツン』は11・4%ですから、ダントツです。やはりまだまだ強い。ただ、それにもまして『ポツン』の勢いが落ちないことは驚きですね。昨年は大河を見なくなった視聴者がテレ朝に流れたと思っていましたが、今年になっても勢いが落ちていないのは大したものです」(同)


■売る品物がなくなる


「ポツン」が20%をキープし、「イッテQ」もそれに近い数字を取る中、「麒麟がくる」まで15%超を取っているのはどういうことだろう。

「コロナの影響で、在宅率が増えているからでしょう。4月第3週(13〜19日)で見ると、日テレが全日(午前6時〜深夜12時)9・9%、プライム(午後7時〜11時)13・1%、ゴールデン(午後7時〜10時)13・7%でトップなのですが、これはかなり高水準です。HUT(調査対象世帯のうち、テレビ放送を放送と同時に視聴している世帯の割合)は、全日47・3%、プライム64・1%、ゴールデン66・8%もあった。7割近い世帯が、視聴しているなんて……。これは昭和から平成にかけてのテレビ全盛期の数字ですよ」(同)

 ならば、他のテレビ局も数字が上がっているのだろうか。

「19日のTBS『バナナマンのせっかくグルメ!!』は9・5%でした。3強の下でよく頑張っていると思います。なにより、この番組は日曜昼の単発でスタートし、15年4月に深夜でレギュラー化したものの、3カ月で終了。再び単発を経て、16年10月から日曜夕方でレギュラー復活。それも19年3月で打ち切られ、今年4月に日曜ゴールデンで復活という数奇な運命を辿っています。今回の復活も特にアナウンスされなかった感じですし、『坂上&指原のつぶれない店』と週替わりで2時間スペシャルを放送していて、いまだレギュラー感はない。TBSでこれですから、フジ、テレ東は自ずと……。では、どこが数字を取っているかといえば、“OTHERS”です。HUTには、地上波以外にBS・CS放送、ケーブルテレビも含まれます。これらに全日5・1%、プライム6・8%、ゴールデン7・2%も取られているからです」(同)

 では、3強だけが安泰ということに?

「喜んでいるわけにもいきません。現場は4月に入って、収録がストップしています。いまは新作や特別編で何とかやりくりしていますが、そろそろストックが尽きる番組も出てくるでしょう」(同)

 NHKは4月1日に、大河と朝ドラの収録を12日まで見合わすことを発表したが、7日には、収録休止の延長を発表している。再開は未定だ。

 日テレも4月6日から2週間、バラエティやドラマ制作を休止と発表したが、10日に、当面の間継続することを発表した。

 テレ朝は4月3日の発表では「在宅視聴者の不安を少しでも軽減する為に良質なエンターテイメントやスポーツ番組等を出来る限りお届けしたい」として、収録の休止する番組などは個別に判断するとしていた。しかし、9日にはグループ会社社員に感染者が発覚し、11日には「報道ステーション」の富川悠太キャスターも陽性であることが判明。17日から3日間は全館を完全消毒のため、生放送以外原則入館禁止となった。

「需要はあるのに、売る品物がないという状況がもうすぐやってきます。大河もいつまでストックがあるのか。『ポツン』も番組の歴史が浅いため、ロケ素材も少ないでしょう。『イッテQ』は番組の歴史が長いため、これまでの収録素材のストックは豊富かもしれませんが、いずこもこれからが試練だと思います」(同)

 スタートを遅らせている連ドラも心配だ。日本のテレビは再放送ばかりに?

週刊新潮WEB取材班

2020年4月26日 掲載

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