【コロナ禍】乃木坂46・白石麻衣さん卒業公演の無期延期が1000万人を救うカラクリ

【コロナ禍】乃木坂46・白石麻衣さん卒業公演の無期延期が1000万人を救うカラクリ

白石麻衣

■遅刻も弱音もカンシャクもなし


 乃木坂46の白石麻衣さんの卒業延期が発表されました。新型コロナウイルスの影響がなければ、5月5、6、7日の東京ドーム公演で卒業予定だったそうです。

 乃木坂46の人気はご承知の通りだとは思いますが、改めて驚かされたのは、白石麻衣さんの卒業コンサートが3日間に亘って開催されるはずだったこと。過去に3日に亘って卒業もしくは引退公演を行った人はいたでしょうか?

 しかもコンサート仕様だと5万人は収容できる東京ドームで! 単純計算でも15万人の人が見送る形のビッグイベントということになります。本題に入る前に、コンサートを始めとするイベントに携わる方々の話をしたいと思います。

 私の知人にもイベント業者がおりまして、彼らは異口同音にとにかく見通しが立たない、会社を一時的に畳むかもしれないと嘆いております。彼らの仕事はイベントが開催されて初めて収入が発生するシステムなので、イベントそのものが中止や延期になってしまうと、全く実入りがない状態になってしまうのです。

 そして緊急事態宣言が解除されたとしても、オーバーシュートの危険性をはらんだ大きなイベントは、さらにしばらくの自粛を求められる可能性が高いそうです。年内は難しいという意見も出ているとのことでした。一体、どのタイミングでどのような形で収束を迎えることができるのでしょうか? 国の判断が待たれるところであります。

 戻りまして乃木坂46、そして白石麻衣さんについてのお話です。ファンとして、最初にお伝えしておきたいのは、彼女たちは今まで決して平坦な道を歩んできたわけではないということです。AKB48の公式ライバルとしてデビューしましたが、初めのうちは世間に届かないどころか「AKBの紛い物」のような扱いもされていました。

 もどかしさや苦悩を抱えていた彼女たちは、シングルデビューからおよそ1年後「君の名は希望」という楽曲に出合い、オリジナリティ確立への第一歩を歩み始めました(少々私見が入ります)。もっとも絶対的な認知度や爆発的な人気を決定付けた「インフルエンサー」を歌うまでには、さらに4年の月日を要することになります。

 楽曲との出合いが彼女たちを向上させ進化させたのは間違いありません。グループ誕生後、アイドルとしての活動ではない雑誌モデルやファッションショー、バラエティ番組、そして映画やドラマに出演し、終始一貫して乃木坂46の知名度を上げようと突っ走ってきたのが白石麻衣さんでした。

 もちろん他のメンバーもそういった活動をしていましたが、乃木坂46のアイコンとして八面六臂の活躍をしたのは白石麻衣さんを置いて他にないでしょう。10代後半に芸能界入りして仕事に翻弄されると、愚痴を言ったり、周りに辛く当たったり、弱音を吐いたりするのも仕方ない面があります。しかし、彼女に関してはそういったところがまったくないと、関係者や元在籍メンバーからも聞きました。

 そして、前日深夜まで仕事が延びたとしても翌朝の集合に遅刻したことは一度もないそうです。

《白石さんがあそこまで頑張っているんだから、自分もしっかりしなくちゃ》

 そう口にはしないまでも、メンバーたちは、彼女のその仕事に対する姿勢を目の当たりにして、背筋を伸ばしたそうです。


■“破壊力”や“浸透力”


 そんな白石麻衣さんの卒業公演の延期が発表されたのが4月28日のことでした。緊急事態宣言下で、延べ15万人を動員するイベントなど開催できるわけがありません。乃木坂46のコンサートに限ったことではありませんが、ある意味で、新型コロナウイルスは日常のみならず非日常の楽しみも奪ったと言えるのかもしれません。

 ただ、「皆さんには直接、今までの感謝の気持ちを伝えたいなと思っております。卒業ライブはみなさんが安全に楽しんでいただける状況ができたら、改めて行いたいと思っているので、会場と時期が決まりましたらお伝えしたいと思います」という白石さん自身のこの言葉に「中止ではなく延期ということは、まいやん(白石さんの愛称)を送り出すことができるんだ」と、胸を躍らせた方も多いと思います。

 さらに白石さんは、「毎日大変かと思いますが、ここを一緒に乗り越えて頑張りましょうね!」と続けました。そこで一考です。このコンサートに参加する約15万人の方、コンサートチケットを求めて応募する方々(15万人の50倍、いや60倍とすると900万人)、パブリックビューイングにて各映画館でご覧になる方々(30館×500人=1.5万人が限界ですが、それも抽選なので50倍はあり得ます。したがって、75万人)、これらを合わせると1000万人に手が届きそうです。

 彼らは来るべきその日に備え、国の言いつけをしっかりと守り、健康に留意した日常を送ることは間違いないでしょう。

 安倍首相や各都道府県知事の言葉ももちろんしっかりと受け止めたいところですが、その影響力は強くないのが現実です。小池都知事がヒカキンさんとコラボしたのも、安倍首相が星野源さんに勝手にあやかろうとし(てスベっ)たのも、自身の限界とコラボ相手の“破壊力”や“浸透力”を十分に知っていたからでしょう。

 白石さんの言葉を聞くにつけ、この時期、影響力のある方が自粛要請に伴った言葉を投げかけることが、収束への近道だと思えてならないような気がしました。

徳光正行
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。司会、タレント業。主な著書に『伝説になった男〜三沢光晴という人〜』『怪談手帖シリーズ』など。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』が出版された。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月7日 掲載

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