赤木野々花、池田伸子、副島萌生……NHK女子アナ“隠れた実力派”3人の魅力

■隠れた実力派


 現在のNHKを代表する女子アナといえば、平日版の「NHKニュースおはよう日本」(4:30)の桑子真帆アナ(33)、同じく平日版の「NHKニュース7」(19:00)の上原光紀アナ(29)、「ニュースウオッチ9」(21:00)の和久田麻由子アナ(31)、そして平日夜に放送されている「ニュースきょう一日」(23:15)の井上あさひアナ(38)の“四天王”だろう。

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 この4人に「あさイチ」(平日・8:15)を担当している近江友里恵アナ(31)を入れて“トップ5”としてもいいかもしれない。

 だが、この5人の影に隠れた実力派のバイプレイヤー的女子アナがNHKにはまだまだたくさん存在するのだ。

 そこで今回は隠れた実力派の中から3人をピックアップ、その人となりや魅力を紹介しようと思う。

 まず1人目は赤木野々花アナだ。彼女は岡山県出身で90年8月8日生まれの29歳である。

 慶応義塾大学の総合政策学部を卒業後、13年4月に入局すると、徳島放送局に赴任した。そこで「とくしまニュース845」などのニュース番組や県内のニュース・中継リポートを精力的にこなしている。

 さらに15年春には大阪放送局へと異動、そこでも夕方のニュースワイド「ニュースほっと関西」をメインで担当するなど、一貫して報道畑での活躍が目立っている。

 17年4月からは東京アナウンス室に配属され、「NHKニュースおはよう日本」の平日の前半パートのキャスターに就任(近江友里恵アナと隔週で担当)。いわば局の“早朝の顔”となった。しかし、この番組は1年で降板してしまったため、お茶の間にあまり浸透しなかった。

 だが、そんな赤木アナの魅力はニュース/報道番組よりも他の演者とやりとりをするバラエティ番組で発揮される。

 今年3月17日からMCを担当している「うたコン」(火曜19:57〜20:42)ではもう一人の司会者・谷原章介(47)と軽妙なやり取りを毎回展開し、評判になっているという。

 初登場の回から、谷原と息がピッタリと合っていたのには驚かされた。コロナ禍で谷原のみリモート出演で、冒頭に2人声を合わせる番組タイトルコールでなかなか息が合わない……というハプニングもあったが、それも笑いに変えたのもお見事だった。

 彼女の面白さが最も発揮されるのは、「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!」(木曜19:57)だろう。

 名字を筆頭にさまざまな“モノのお名前”の由来などを紹介し、その歴史を掘り下げる教養バラエティ番組である。

 赤木アナは東京への異動直後からこの番組を担当、メインMCを務めるフリーアナウンサー・古舘伊知郎(65)の進行を補佐するサブMCという役割を担っているのだが……。

 そもそもメイン司会に“実況の達人”“しゃべりの天才”古舘伊知郎を起用している時点で、“段取り”という言葉とは無縁の番組になることは容易に予想がつく。


■ボケが魅力の赤木アナ


 というのも、古舘は番組を進行しつつも、出演者に対してリアクションしたり、ボケたりという、ある意味“1人3役”くらいの仕事をこなしている。その中で、たまに調子に乗ってアドリブをやり過ぎてしまうことが多々あるのだ。

 ここからが彼女の見どころである。話の本筋から脱線しかかったと思ったら、すかさず軌道修正を図るべく、話に割って入る瞬間を見定める。

 後述するが、赤木アナは基本、“ボケ”の人だろう。そのボケの赤木アナの渾身のツッコミを面白がる古舘(というか、ツッコまれたがっている感じがアリアリとしている)という構図が、この番組をより盛り上げる形となっているのだ。

 古舘にツッコミをする際、赤木アナは出演者の脱線トークを一切聞いていない時がある。盛り上がっている輪の中に入らず、ここぞという場面でフリップを出したりして見事なまでに話を“ぶった切る”。結果、古舘を筆頭とする他の出演者たちからクレームの嵐が飛び交うハメになるのである。

 そうかと思ったら、自ら振った話題で出演者が白熱したトークを展開しているのに「とりとめのない話はこの辺にして……」というような身も蓋もない遮り方……もとい、ボケっぷりで、他の出演者全員から総ツッコミを食らってしまうことも微笑ましかったりするのだ。

 続いて2人目は池田伸子アナである。86年に新潟県で生まれた34歳。お茶の水女子大学生活科学部を卒業後、09年4月に入局した(余談だが、同期入局の佐々木彩アナ[33]はお茶の水女子大学生活科学部からの仲である)。

 初任地は熊本放送局で、なんと着任してすぐにNHK熊本放送局の地上デジタル放送推進大使という大役を担った。

 また、11年3月の東日本大震災の後には盛岡放送局に応援として派遣され、災害情報を中心にローカルニュースを担当していたこともある。

 その後、12年4月に名古屋放送局へと異動、ニュースのほか、東海・北陸地方向けの音楽番組「Uta-Tube」(2012〜16)の初代MCなどを担当することに。

 そのハードワークぶりから“鉄人”という異名で視聴者からは呼ばれていたという。

 そしてこの名古屋時代の14年4月からは千原ジュニア(46)とともに「超絶 凄ワザ!」(2014〜18)というドキュメントバラエティの司会を担当、全国放送の番組だったため、知名度が一気に広がることとなった。

 16年4月に東京アナウンス室に配属となったが、この番組は継続して担当するほど(17年3月まで担当していたが、5月から番組自体が月1回放送に変更されたため、このタイミングで降板している)、愛着が深かったようだ。

 19年4月からは「NHKニュース7」の土・日・祝日のサブキャスターとして活躍しているが、平日を担当している上原光紀アナ(29)が華やかな印象が強いため、あまり目立っていない。

 とはいえ、漂わせている“落ち着いた雰囲気”と“控えめな感じ”が、彼女の魅力である。そのアナウンス能力もかなりの高スペックで、一音一音を大字に発している感じだ。さらに、その声のトーンが少し低めなせいか、知性が溢れ出ている。

■和久田か副島か


 池田アナは民放ではなく公共放送のアナウンサーなので、タレント性という点では物足りないが、安定感が抜群で安心して見ることができる人でもある。“落ち着いた雰囲気”と評したが、逆にそのことが“年齢不詳疑惑”を呼んでいるほどだ。

 ただ、である。その“古式ゆかしい和風美人然”としている見た目とは裏腹に意外とアクティブで、高校時代は陸上部で短距離の選手として活躍している。

 熊本放送局時代の12年2月には「政令指定都市移行記念 第1回熊本城マラソン2012」に出場、さらに名古屋放送局時代の16年3月には「名古屋ウィメンズマラソン」にも出場し、ともにフルマラソン完走を果たしたほとだ。

 実は筆者はまだ彼女が名古屋放送局にいるころ、普段では東海・北陸地方でしか見ることの出来ない「Uta-Tube」を見たことがある(確か「紅白歌合戦」のPR番組として放送され、出場するSKE48の特集回だった)。

 そこで初めて池田アナを知ったのだが、その時は、とにかく明るくてテンションが高い人という印象だった。

 あとで知ったのだが、番組公式ツイッターでこう呟こうとしたこともあったという(システム上のトラブル発生で、結局、呟けなかった内容である)。

「森山直太朗さんと真心ブラザーズのみなさんの生ライブが見られます。待ってるぜ!」

 日本舞踊を特技とする池田アナから、まさかのロケンロールなひとことであった。見た目の落ち着いた印象とのギャップも彼女の魅力の一つだろう。

 最後にご紹介するのは、現在「サタデースポーツ」(土曜・21:50)と「サンデースポーツ2020」(日曜・21:50)を担当している副島萌生アナだ。

 彼女は91年12月28日生まれで、現在28歳である。生まれは青森県で、慶応義塾大学を卒業後の15年4月に入局、初任地は大分放送局だった。

 そこで早くもスポーツ番組と関わることとなる。16年の第98回全国高等学校野球選手権大会の大分県大会の準決勝“大分対臼杵”戦のラジオ実況を担当したのだ。

 続く本大会でも連日のように暑いスタンドから丁寧なアルプスリポートを送ってくれている。

 また、16年の11月下旬から12月上旬まで、代理出演ながら「NHKニュースおはよう日本」のスポーツコーナーを任されてもいるのである。

 その後、17年4月に名古屋放送局へと異動することに。東海3県で放送される「NHKニュースおはよう東海」のキャスターや、先の池田伸子アナから引き継いだ「超絶 凄ワザ!」などを担当していた。そしてわずか1年の名古屋勤務で東京アナウンス室への配属となったのだ。

 この入局4年目での東京アナウンス室勤務は、現在「ニュースウオッチ9」のメインキャスターを務める和久田麻由子アナと同じ、異例の人事と言われる。

■将来のエースアナは?


 そして担当することとなったのが、先述した週末夜の看板スポーツ番組である。彼女に対するNHKの期待の大きさが分かろうというものだ。

 そのルックスは、目鼻立ちのはっきりとしたキレイ系の和風美人顔で明るくまぶしい笑顔は魅力的だし、何よりスポーツ番組を担当するうえで重要な“健康的な雰囲気”を身体全体から漂わせている。

 さらにアナウンス能力も抜群である。少し高めのハイトーンボイスがはつらつとしていて絶妙に耳に心地よい。

 それもそのハズで、副島アナは高校時代に放送部に所属し、高校2年時に「第55回NHK杯全国高校放送コンテスト・アナウンス部門」に出場を果たし、優良賞に輝いているのだ。

 こうした実績が評価されたのだろう。09年3月には第81回選抜高校野球大会の開会式と閉会式の司会という大役を任されている。つまり学生時代からすでにアナウンサーとしての下地ができていたということなのだ。

 さらに「サタデースポーツ」ではVTR明けのコメントも的確で、“ひとそえ”というスポーツの豆知識を披露するミニコーナーも楽しい。

 と、ここまで書いてきたが、副島アナの最大の見どころは「サタデースポーツ」での最後の挨拶の場面だろう。

 翌日の「サンデースポーツ2020」の予告をしながら「明日もご覧ください」と言って頭を下げるのだが、その際に普通に前にお辞儀するのではなく、やや身体を左前に傾け、カメラ目線で挨拶するのである。

 以上が今、注目して欲しい、まだいる実力派のNHK女子アナウンサー3人である。

 最後に、この中から将来的にNHKのエース女子アナになれそうな人材を1人選ぶとなると、やはり一番若い副島アナだろうか。

 来年に東京オリンピックが開催されるかは分からないが、その中継や関連番組で大活躍を見せれば、1つの上のステージに駆け上がるに違いない。

上杉純也

週刊新潮WEB取材班編集

2020年6月28日 掲載

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