「NiziU」は大丈夫? 末期がんの父にも会えず…24時間合宿K−POPアイドルの悲痛

日本人9人組「NiziU」は大丈夫? 元AOAのクォン・ミナがジミンのいじめ暴露

記事まとめ

  • 韓国の育成システムの元で純粋培養された日本人9人組・NiziUを筆者は心配している
  • 元AOAのクォン・ミナが活動当時、ジミンからいじめを受けていたことを暴露した
  • 過去にはT-ARAのメンバーのいじめやBEASTの不和説などK-POPグループの闇は深いという

「NiziU」は大丈夫? 末期がんの父にも会えず…24時間合宿K−POPアイドルの悲痛

■所属事務所は謝罪


 人気ガールズグループAOAの元メンバーだった俳優のクォン・ミナ(26)が、活動当時にリーダーのジミン(本名:シン・ジミン)から10年以上に亘っていじめを受けていたことを暴露し、韓国の芸能界に激震が走っている。K−POPアイドル特有のプライバシーのない24時間合宿訓練の実態が暴露されるなど、混乱はしばらく続きそうだという。韓国の育成システムの元で純粋培養され、今年秋のデビューを目指す日本人9人からなるグローバルガールズグループ「NiziU」は大丈夫なのか、ファンならずとも気になるところだが……。

 今回の件が明らかになったのは、7月3日、クォン・ミナが自身のSNSに長文の暴露文を掲載したことによる。AOA活動中は精神的に追い詰められるほどの強いプレッシャーを受け、末期の膵臓癌だった父親の見舞いにも行かせてもらえず、臨終にも立ち会えなかったという衝撃発言が続く。ジミンはSNSに謝罪文をアップしたが、真心が籠もってないとクォン・ミナが指摘、さらに炎上する騒ぎとなった。

 炎上が拡散して世論を意識したのか、ジミンは自身のインスタグラムに「短い文章にすべてを込めることはできないけど、すまないと謝罪したい。人間的に未熟なリーダーだったと思う」とコメント。これに呼応して所属事務所であるFNCも、「ジミンのAOA脱退と芸能活動中断」というカードを切ると、クォン・ミナの現所属事務所であるウリアクターズは、「クォン・ミナが現在パニック障害治療中」と状況を説明し、「これ以上、追加で暴露文を掲載しないことを約束した」とプレスリリースを7月5日に出した。

 2012年にデビューしたAOAは8人体制で、ダンスユニットとバンド活動を並行して行う「トランスフォーマー型ガールズグループ」として注目を集めた。しかし、ダンスユニットがヒット曲を飛ばす反面、バンドユニットは3年間活動を行わないまま次第に世間から忘れられ、バンドユニットのメンバーの方は続々と脱退していく。

 結局、AOAはメンバーを再編して5人で活動することになるのだが、2019年5月にクォン・ミナはFNCとの契約を終了して演技に専念するとだけ発表。当時はクォン・ミナとジミンの不和は知られていなかった。

 今回のジミンの脱退により、AOAはデビュー9年目を目前にしてメンバーは8人から4人と半減したことになる。

■事実上、兵営文化のなごり


 今回はクォン・ミナの暴露でAOAが注目されたが、過去にはT-ARAのメンバー間によるいじめや、BEASTメンバー間の不和説など、問題が表面化したアイドルグループもおり、K−POPアイドルグループの闇は深い。

 これらの波紋と関連して芸能界関係者は、オーディションを通じて合格したアイドル練習生たちが、子供の頃から合宿生活を通じてスパルタ式の歌とダンスのレッスンを受けるK−POPアイドル育成システムの暗い負の部分を指摘する。

 合宿訓練について芸能関係者A氏は「メンバー同士、共に苦労して友愛を育んでいく場合も多いが、練習生の頃から過酷なオーディションを受け、ライバル関係でもあるだけに、デビュー当時から仲が悪いメンバーも存在する」と明かす。また、「一緒に生活するということは、24時間一緒にいて、食事やトイレ、風呂を使用し、一緒に寝るのだから、トラブルが起きるしかない構造」だとし、個々人が共同生活をする煩わしさについて説明した。

 アイドル練習生同士の争いの仲裁に入ったことがある芸能事務所関係者のB氏は「個人面談を定期的に行ってトラブルを聞くことが多い」とし、「メンバーの親から聞くこともある」と言う。しかしながら、これらの「面談」や「対話」では事態を把握するに留まり、心理治療や相談に繋がらないのが実情だ。

 その一方で、さる評論家は「少ない人員の練習生で息の合ったパフォーマンスを見せるために合宿生活を行い、リーダーを決める。個人所有物の持ち込み禁止や門限など厳しい規律を作り、それを破ると罰を受けるのが韓国のアイドル産業構造だ。事実上、兵営文化のなごり」と構造的問題にも言及する。

 クォン・ミナは暴露文で「膵臓癌を患う父親がいても、メンバーたちに迷惑をかけるという思いから、満足に見舞いに行けなかった」と告白した。華麗なアイドル活動の成功と引き換えに、合宿訓練を強要する所属事務所は、かれらを人としてではなく商品と捉え、不和が存在しても傍観してタッチしない。K―POP市場をリードしているアイドルスターへのより積極的な関心と支援なくしては。第2、第3のクォン・ミナが登場するだろう。

張惠媛(チャン・ヒェウォン)
建国大学広報大学院でジャーナリズムの修士号を取得、漢陽大学政治外交学科大学院で国際政治を専攻。世界日報デジタルニュース部で時事、問題、エンターテイメント記事に関連。その後、東亜日報、KBS、韓国経済の記事編集に携わる。現在フリーで記者活動を意欲的に継続中。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年7月9日 掲載

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