柴咲コウ、独立後も仕事は順調 卓越した自己プロデュース力に秘密あり

柴咲コウ、独立後も仕事は順調 卓越した自己プロデュース力に秘密あり

柴咲コウ

 今年4月、これまで所属していたスターダストプロモーションから独立した柴咲コウ(39)。NHKの朝ドラ「エール」ではオペラ歌手を演じつつ、10月からは主演ドラマ「35歳の少女」(日本テレビ)も決まった。大手事務所を去っても、仕事は順調である。そこにはある理由が……。

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 民放プロデューサーが言う。

「柴咲とほぼ同時期に独立、未だに女優としての仕事が決まらない米倉涼子(45)とは対照的ですね。柴咲はドラマに加え、8月にはAmazonプライムビデオのオムニバス映画『緊急事態宣言』(ムロツヨシ監督の『DEEPMURO』に出演)も配信され、岡田准一主演の映画「燃えよ剣」(公開日未定)も控えています。まさに順風満帆と言っていい」


■会社設立は4年も前


 何が明暗を分けたのだろう。

「まず独立に向けた準備期間が違います。3月いっぱいでオスカープロモーションを辞めた米倉の場合、個人事務所デサフィオを立ち上げたのは4月3日です。一方、柴咲が代表を務めるレトロワグラースを立ち上げたのは16年11月でした。ちょうど、17年に主演したNHK大河『おんな城主 直虎』の撮影をしていた頃ですね。もっとも、彼女が独立を見据えていたのか分かりませんが、当初はインターネット等を利用した各種情報提供サービスを謳う、いわばIT企業でした。その事業の中に、柴咲の女優業以外、つまり音楽活動やファンクラブ事業に加え、ショッピングサイトなどもありました。独立を機に、女優業も自分の会社でプロデュースすることになったわけです」(同)


■会社は赤字


 個人事務所の設立が早ければ、うまくいくというものでもないだろう。

「もちろんです。ただ、柴咲の会社設立は、所属事務所を辞めたので個人事務所作りました、というのとはわけが違います。すでに会社設立の前年、彼女は、小児がんの治療や外傷などで髪を失った子供達のために、ヘアドネーションという自分の髪を寄付する運動に参加したことで絶賛されていました。ショッピングサイトを始めたのも、環境や健康への関心の高さがもたらしたもの。販売商品は、天然素材にこだわった衣類や化学調味料を使わないレトルト食品といったものですから、正直言って、値段も高めでそれほど売れているようにも見えなかった。ただ、彼女のそうした活動がYouTubeチャンネル開設につながり、18年には環境省から環境特別広報大使に任命されました。そうした活動も彼女の個性として評価されたということでしょう。つまり自己プロデュース能力が高いということですね」(同)

 もっとも、柴咲の会社は赤字のようだ。

「一昨年までの決算を見ると、赤字ですね。ただし、今年からは本業の女優業も事業に加わるわけですから、黒字化するかもしれません。彼女が生活スタイルを書いた本も売れているようですし」(同)

 昨年9月に出版された「LIFE THE KO 生きるを活かす9のこと」(パルコ出版)は2度増刷されている。その中にも彼女のこだわりが詰まっている。と同時に、ところどころで本音も見え隠れする。

 例えば、お茶の稽古について、

〈私は、お芝居も歌も、学校へ行ったりお稽古に通ったりして学んだ経験がありません。「型なし」ということにコンプレックスがあったせいもあり、お茶を通して「学ぶ」という時間を持てるのがとてもありがたいことだと思っています〉

 愛猫“のえる”と暮らしていることについては、

〈一緒に生活を始めてからは「のえる前」「のえる後」というくらい自分の性格が変わったと思っています。癒されることで余裕が生まれ、思考の仕方が変わっていきました。(中略)それまでの私は、自分のことでいっぱいいっぱいで、他人の痛みや苦しみを考える余裕がないことも多々ありました。でも、のえると過ごすうちに、相手を思いやる気持ちや余裕が自然と出てくるようになりました〉

「猫が変えてくれたんですかね。その昔、彼女はわがままで、きつい性格と言われていました。ドラマ『空から降る一億の星』(フジテレビ)の頃、当時の事務所の担当者に『扱いづらくて困っている』と聞いたこともありました。大ヒットした『Dr.コトー診療所』(フジ)では彼女はヒロイン役でしたが、続編では極端に出番が減ったのも、ロケ地の与那国島に行くのがしんどい、とゴネたこともあったそうです。また、『ガリレオ』(フジ)もヒロインでしたが、映画化第2弾では降板してしまったり……」(同)

 それでも、彼女を起用したい、という業界人が多いのはなぜか。

「美人ですし、現代劇はもちろん、コメディエンヌ的な役もこなせる。品があるから時代劇もできる。歌も上手いですしね。視聴者だって、彼女に心を揺さぶられる何かがあるのだと思います。何でしょうね、生活感を見せない、昔の“スタア”のような……そんな彼女だからこそ、業界人も彼女を使ってみたいと思うのでしょう。ましてや、環境に優しくなったのですから、人間にも優しくなったでしょうし。今後はさらに彼女の起用は増えると思います」(同)

 前出の彼女の著書には、彼女の部屋の写真もある。クローゼットのハンガーはすべて統一されており、ホテルのよう。オフィスの収納も、すべてがキッチリと収まっていて完璧だ。生活を見せているようでいて、生活感はまるで感じさせない。まさにスタア。

 最後に、著書からもう一言。

〈今では、音楽と芝居、さらには環境のことや猫のこと、衣食住すべてが循環してつながっているように感じています。以前は別のものとして分けて考えていましたが、自分の会社を持つことで、点と点がつながり、少しずつ循環してきています〉

週刊新潮WEB取材班

2020年9月16日 掲載

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