BS日テレが「極楽とんぼ」の旅番組をしれっと放送 山本圭壱の地上波復帰はあるか

■視聴者は山本を許すか?


 公式サイトには《コンビ揃って久しぶりの全国放送出演!》と書かれている。BS日テレは10月24日、「週末極楽旅」(土・22:00)を放送した。一体、誰が出るテレビ番組か、これだけの情報でお分かりだろうか。

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《コンビ》、《久しぶり》、《極楽》などの単語から、出演者が浮かんだ向きもあるだろう。「週末極楽旅」は、極楽とんぼの加藤浩次(51)と山本圭壱(52)の2人が出演する旅番組だ。

 単発番組ではない。公式サイトは10月31日、11月7日も放送と明記、全3回の番組と紹介している。

 後で詳しく見るが、BSとはいえ2人が民放キー局の制作する番組に“本格出演”するのは、2006年以来と言っていい。

 これほどのブランクがありながら、なぜ今になって、極楽とんぼにとっての“冠番組”が制作されたのだろうか。ニーズはあるのか。

 その問題に触れる前に、山本圭壱がテレビ出演から遠ざかった経緯を、改めて確認しておこう。

 06年7月18日、所属事務所の吉本興業は突然、山本の解雇を発表した。無職少女(当時17歳)に淫行したことなどを説明し、「許されざる反社会的行為」と断罪した。

■コンビの“廃業”


 当時、山本は萩本欽一(79)の野球クラブチーム「茨城ゴールデンゴールズ」に所属しており、北海道遠征に同行していた。

 同16日の夕方、山本や他のメンバーは函館市に到着。チームメイトなど数人が4人の少女に声をかけ、山本が泊まるホテルに連れてきた。

 深夜から翌17日の未明にかけて、山本は4人の中にいた17歳少女と酒を飲んだり、性的な関係を持ったりした。

 17日午前、少女は被害届を提出。北海道警は暴行容疑で捜査を開始し、山本にも任意で事情聴取を行った。

 吉本は18日に聞き取り調査を行い、山本が淫行については認めるなどしたため、即日の解雇を決定した。

 この解雇により、極楽とんぼは活動を停止した。その結果、コンビとして出演するテレビ番組はなくなってしまった。

■加藤の嗚咽


 しかし、まだ話は終わらない。8月、北海道警の函館西署は強姦容疑による書類送検を行ったのだ。

 山本は性的な関係を持ったことを認めて謝罪したが、《ゲーム感覚で合意があった》と容疑の一部を否認したと報道された(出典:記事末尾註)。

 最終的には山本と少女との間に示談が成立、告訴が取り下げられたため、函館地検は10月に不起訴処分とした。

 相方の加藤浩次は山本に対して強い怒りを表明しながらも、コンビとして復帰したいという意思を表明していた。

 山本の解雇が発表された際、加藤がMCを務める「スッキリ」(日本テレビ系列・平日・8:00)で大粒の涙をこぼし、何度も嗚咽した。

「ちょっと気持ちの整理ができていない状況です」と口にするのがやっとで、体を90度に折って視聴者に謝罪を行った。

 加藤は13年の8月にはテレビカメラの前で「マジで一緒にやりたいんです」とコンビ復活を視聴者に訴えた。

■コンビ復活で仕事も再開


 16年7月には「めちゃ×2イケてるッ! 夏休み宿題スペシャル」(フジテレビ系列)に出演し、2人でスタッフや視聴者に向かって土下座を行った。

 この結果、同年11月に吉本興業(当時:よしもとクリエイティブ・エージェンシー)は山本を10年ぶりに復帰させた。

 こうして加藤と山本の“悲願”は成就、コンビとしての仕事も再開した。

 現在は「極楽とんぼのタイムリミット」(AbemaTV・毎月第2日曜・22:00)や、ラジオ「アッパレやってまーす!」の木曜日(MBSラジオ・月〜木・22:00/日・0:00)といった番組に出演している。

 だが、「めちゃ×2イケてるッ!」といった“謝罪用の特番”などの例外を除けば、極楽とんぼは依然として地上波の番組に出演できていない。そんな中、BSとはいえ日本テレビが出演番組の制作を決め、放送をスタートさせた意味は大きい。

 どんな内容の番組なのか、テレビ担当記者が解説する。

「極楽とんぼの2人と、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さん(46)と田村亮さん(48)、それに高橋みなみさん(29)が加わり、5人で東京の奥多摩を1泊2日で旅行する様子が放送されています」


■日テレの余裕


 山本は淫行事件という“十字架”を背負っているが、田村亮も19年に闇営業で金銭を受け取っていたことが明らかになった。宮迫博之(50)と2人で行った会見は、世間の大きな注目を集めた。

「公式サイトでは、極楽とんぼとロンドンブーツ1号2号の4人で、辛い過去を率直に語り合う様子が予告編で紹介されています。番組の売りにしているようですね」(同・記者)

 だが、山本のイメージが回復したのかといえば、そこは微妙だろう。なぜ日テレは極楽とんぼの番組を制作したのだろうか。民放キー局で番組制作に携わるスタッフが言う。

「日本テレビさんはどのキー局よりも早く、徳井義実さん(45)の復帰番組をオンエアしました。視聴者からは200件以上の意見が寄せられ、その大半は苦情だったそうです」

 それだけのリスクがあっても、日テレは“訳ありタレント”の復帰には前向きだという。

「他局が二の足を踏んでも、『話題性がある』、『視聴率が見込める』と判断すれば、ゴーサインを出す。その代わり、批判が大きければ引っ込めるというスタンスなのでしょう。視聴率三冠王の余裕なのかもしれません」(同)


■冷静な現場


 何しろ「週末極楽旅」は3回も放送されるのだ。

「3回も放送するからには、レギュラー化を視野に入れていると思います。加藤浩次さんがプッシュするのは間違いないでしょうから、後は視聴者がどう反応するのかになります」(同)

 極楽とんぼにとっては正念場と言える。BSでコンビとしてのレギュラー番組を持てば、地上波復帰も視野に入ってくる。

 だが、テレビ業界の現場で働くスタッフは、もう少し冷静に見ているという。

「正直なところ、極楽とんぼのお二人が『復帰』したことを業界全体として受け入れていても、一緒に仕事をしたいかどうかは別です。世間のイメージは悪いままですし、お笑いも若手の台頭で、山本さんを必要とする場所があるとは思えません」

 特に地上波となると、依然として厳しいようだ。

「16年の時と似ますが、『めちゃ×2イケてるッ!』(1996〜2018)の同窓会という企画があれば、今のお二人なら出演できるかもしれません。視聴者とスポンサーの動向は大きな鍵ですが、やはり最後は現場のスタッフだと思います。『山本さんは面白いな』と思うスタッフがいなければ無理です」


■東国原のコラム


 元宮崎県知事でタレントの東国原英夫(63)は15年、スポーツ報知にコラム「元『極楽』山本氏復帰 お客さんが決めること」を寄稿した。

 1998年10月、東京都の風俗店が未成年者の少女に性的なサービスを行わせていたため、児童福祉法違反などの容疑で経営者が逮捕された。

 その捜査で16歳の少女が東国原に性的なサービスを行っていたと供述したため、任意の事情聴取を受け、芸能活動を5か月間、自粛した。

 だが東国原は「18歳未満とは知らなかった」と説明し、刑事罰に問われることはなかった。山本も最終的には不起訴だったが、少なくとも強姦罪の疑いで書類送検された。この違いは、やはり2人の復帰に大きな影響を与えている。

 そのコラムで、東国原は次のように指摘した。

《山本君の復帰については賛否両論はあるだろう。しかし、最後はやはりお客さんが決めることではないだろうか。山本君の話やコントが全然面白くなければ、お客さんは会場に足を運ばないだろう》

 キー局制作の番組に復帰した山本は果たして面白いのか──テレビマンや視聴者の審査が、いよいよ始まる。

註:日刊スポーツ「元極楽とんぼ山本容疑者書類送検、『合意あった』容疑一部否認」(2006年8月30日)

週刊新潮WEB取材班

2020年11月7日 掲載

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