永野芽郁、田中みな実…勝手に“布団やマット”にされる芸能人 販売元はやっぱり

 11月中旬、香港警察が大ヒットアニメ『鬼滅の刃』を模倣したキャラクターをフェイスブックに投稿したとして、「著作権法違反ではないか」と物議を醸した。その騒動の裏で、堂々と別の”海外企業による権利侵害”が行われているのをご存じだろうか。

 ドアップの永野芽郁3人がこちらを見つめる布団と枕……。Amazonにて「永野 芽郁 布団カバー 3点セット」の名で販売されている商品で、お値段は3880円、送料別。同じ出店者からは彼女の別の写真を使ったアイテムほか、今田美桜や「乃木坂46」のメンバーの布団カバーも販売されている。中には切り取る構図が変で、肝心の顔が大きく見切れてしまっているものも……。

 こうした“謎の芸能人アイテム”は、他の出店者からも販売されており、たとえば「田中みな実 メンズ用 トレーニングマット」なる商品も確認できた。こちらは送料別で5899円と、なかなか高価だ。販売ページには、ポーズをとる田中みな実の上で、笑顔の外国人女性がエクササイズをする写真が掲載されている。こちらの商品も、吉岡里帆や新垣結衣の別バージョンが用意されているが、販売ページにあるのは、先と同じ女性が、同じ角度でエクササイズする写真。商品部分だけを入れ替えた合成写真と見て間違いないだろう。

 これらの商品の販売者はすべて中国になっている。先述の“永野芽郁・布団カバー セット”は中国・西安市の会社が販売している。

 商品紹介の文言も、〈高密度生地のため、防ダニ、エネルギーに影響されにくい、いつでもカバーは清潔に毎日快適に眠れます。〉とか〈手触りも良く肌に触れるとスベスベで気持ちいいで、毎日快適に眠れて、〉とか〈毎日素肌に触れる布団カバーは、いつも清潔なものを使いたいと思います〉やら、日本語がおぼつかない。

〈色が落ち着いているので睡眠時に癒されます!〉とも謳うが、いくらファンでも巨大な顔に埋もれて安眠できるのだろうか……。レビュー欄には、まだ購入者からの感想がない。ならば、と実際に商品を注文してみた。

■試してみると


 待つことおよそ1カ月、“永野芽郁・布団カバー”と“田中みな実マット”が、到着予定日を
2週間ちかく過ぎて届いた。“田中みな実マット”の発送元は福建省のようだ。ただし販売企業名の記載はなかった。

 まず“永野芽郁・布団カバー”。販売ページの画像とは異なり、拡大されすぎて不鮮明な彼女の顔が、大きな布団カバーになっている。表面はつるつるとしていて、あまり吸湿性は高くなさそうだ。ところどころほつれも見られる。

 “田中みな実マット”はどうか。開封すると、大胆に見切れた彼女が、艶めかしいポーズをとっている。触ってみると、「トレーニングマット」という用途には向かない、ふかふかした温かみのある素材が使われている。どちらかというとカーペットに近く、筋トレやヨガなどには使いにくいだろう。新品のはずなのに白い部分には茶色っぽい汚れが目立ち、角は裁縫が甘くほつれている。裏をめくると、一応滑り止めがついていた。

■2つの権利を侵害も、泣き寝入り


 予想通りではあるが、クオリティは決してサイトで謳われているほど高いものではなかった。各事務所の許可をとっていないことは明白だが、法的な問題はないのだろうか。肖像権に詳しい金井重彦弁護士は、これらの商品は2つの権利を侵害していると解説する。

「商品はいずれもどこかから写真を無断で使用しているようですが、これはカメラマンや出版社などの著作権者に対する、著作権侵害にあたります。しかし、損害賠償の相場は20万〜30万円と少額で、中国企業相手に裁判を起こすとなると、費用がかかりすぎ、割にあいません。中国企業の著作権侵害は今回以外にも見られますが、私の知っている範囲では、こうした事情を承知でやっている”確信犯”もいますね。

 もうひとつは、芸能事務所のパブリシティ権侵害です。パブリシティ権とは顧客に訴求する力がある人が持つ権利で、肖像権より賠償額が大きくなります。ただ、中国は知的財産権が整い始めたばかり。裁判を起こせるかわかりません。現実的には泣き寝入りしかないでしょう」

 布団にされた側は、枕を濡らすしかないということか。

万亀すぱえ/編集者・ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月 掲載

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