「マツコ」が「さんま」とTBSで新番組 “義理と人情”で引退説を払しょくの内幕
2021年03月08日 10時35分 デイリー新潮

マツコ・デラックス、明石家さんま
■厭世観は消滅!?
2月24日、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系列・水・21:00)が放送されたのだが、視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区、リアルタイム、世帯)は6・7%だった。
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ライバル民放キー局の関係者が言う。
「視聴者の“テレビ離れ”が常態化し、6%台でも驚かなくなりました。ただし、今年最低の数字です。やはり、原因はマツコ・デラックスさん(48)の降板でしょう。
番組が完全に迷走しています。初期の『ホンマでっか』を支えた人気識者が、今でも様々な番組で活躍しているのとは対照的です」
昨年9月16日に放送された「ホンマでっか!?TV」は、異例の展開が話題となった。番組の終盤で突然、マツコの“卒業”を発表したのだ。
セレモニーもなく、「卒業します」というテロップをナレーターが読み上げるだけだった。極めて素っ気ない演出だったことも、視聴者から不審の目で見られた。
一部のマスコミは、番組MCである明石家さんま(65)とのトラブルや不仲を疑ったが、しばらくすると複数のメディアが否定する記事を掲載した。
そして2月16日、TBSはさんまとマツコがMCを務める新バラエティー「週刊さんまとマツコ」(日・18:30)が4月からスタートすると発表した。これで不仲説が完全に払しょくされたことになる。
■さんまの説明
とはいえ、TBSで新番組が始められるのであれば、なぜ「ホンマでっか!?TV」を降板する必要があったのかという新たな疑問も湧く。
先の民放キー局の関係者は「マツコさんは義理堅く、人情に厚い人です。それが謎を解く鍵でしょう」と指摘する。
「TV業界から最初に声がかかった『5時に夢中!』(東京メトロポリタンテレビジョン・平日・17:00)には、依然として安いギャラのまま出演しています。これがマツコさんの義理堅さです」
明石家さんまは昨年の9月、自身がパーソナリティを務める「ヤングタウン土曜日」(MBSラジオ・土・23:00)に出演した際、“マツコ卒業”の理由を説明した。
《本当は5年前にやめて、今年コロナがなかったら舞台とかもやっていきたいらしい》
「率直に言って、この発言を信じる人はいません。さんまさんとマツコさんの関係は悪くないわけですし、先に触れた義理堅い仕事ぶりとも整合性がとれません」(同・ライバル民放キー局の関係者)
■人間関係を重視
マツコは「気心の知れた仲間との関係」を大切にするという。これが「人情に厚い」部分だ。
「マツコさんが『5時に夢中!』を降板しないのも、人間関係を大切にしているからでしょう。最初のMCが徳光正行さん(49)で、現在、徳光さんの従兄弟であるミッツ・マングローブさん(45)が金曜日のアシスタントとして出演しています。マツコさんにとっては大切な人たちです」(同・ライバル民放キー局の関係者)
「マツコ会議」(日本テレビ系列・土・23:00)は番組スタッフの出演が印象的だ。「アウト×デラックス」(フジテレビ系列・木・23:00)は視聴率の低迷が伝えられているが、出演者の顔ぶれは変わらない。
「となると、一部のメディアが報じた『「ホンマでっか」の気心知れたスタッフが現場から外されたから』というのが最も説得力のある降板理由になると思います。
さんまさんはTBSで『さんまのSUPERからくりTV』(1992〜2014年)を放送していました。この縁で新番組が実現したのでしょう」(同・ライバル民放キー局の関係者)
■「裏番組」問題
スタッフとの人間関係が番組からの卒業や、新番組の誕生に影響を与えているのは興味深い。
「しかしながら、さんまさんとマツコさんという人気者を擁して日曜夕方の、たった30分番組というのは不可解です。本来ならゴールデンで放送してもおかしくないはずです」(同・ライバル民放キー局の関係者)
理由として可能性があるのは、「裏番組」の問題だという。
「さんまさんは年に数回ですが、『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系列・日・21:00)の2時間特番でMCを務めます。
また年に1回、日曜の19時から『誰も知らない明石家さんま』(日本テレビ系列)という特番も放送されます。恐らく被ってしまうことを怖れたのでしょう」(同・民放キー局の関係者)
■芸能界も二分
一時期、マツコは“厭世的”な発言が多いと注目を集めた。昨年5月23日に放送された「マツコ会議」(日本テレビ系列・土・23:00)の発言は、こんな具合だ。
《いつ切られてもおかしくないわよ。それは同じよ、みんな同じ》
《そんな私はね、千葉の山奥にでも土地を買ってね、加藤登紀子さんのような農園を作ってね。何もかも未練はなくなりました。私はもう、いつでも山ごもりをする準備はできております》
「新型コロナウイルスの感染拡大で、芸能界も二分されました。コロナを怖れない派と、怖れる派です。前者は、さんまさんとビートたけしさん(74)で、後者がマツコさんです。
リモート出演さえNGで、電話音声のみの出演になったことは記憶に新しいでしょう。『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日系列・金・0:15)は、『徘徊しない』にタイトルも変わってしまいました」(同・ライバル民放キー局の関係者)
■事務所の“恩義”
コロナ渦中は、マツコもナーバスになり、厭世的な発言が多かったと解説する向きもある。
「現在でも『私なんかいてもいなくてもいい存在』と口癖のように言っているそうです。とはいえ、マツコさんは新番組を引き受けた。これは大きな変化だと思います。
依然として厭世的な気分が残っているのかもしれませんが、芸能界からは手を引かないということでしょう。
そもそも“義理と人情”を重んじるマツコさんですから、所属事務所のナチュラルエイトへに“恩返し”しなければと思っているはずです。マツコさんが大ブレイクしたのは、ナチュラルエイトに入ってからです」(同・ライバル民放キー局の関係者)
デイリー新潮取材班
2021年3月8日 掲載