台北の街から福原愛の広告が消えた! モラハラ&不倫報道、台湾人の反応を現地在住の日本人が取材

台北の街から福原愛の広告が消えた! モラハラ&不倫報道、台湾人の反応を現地在住の日本人が取材

2017年2月にディズニーリゾート内で行われた福原愛と江宏傑の結婚式

 台北の繁華街。多くの通勤客が行き交うターミナル駅の通路に、福原愛(32)と夫の江宏傑(32)がツーショットでニッコリとほほ笑んでいる。パナソニック製のエアコンの広告だ。愛ちゃんが流暢な中国語で性能をアピールするテレビCMの効果もあり、台湾ではよく知られたポスターである。だが、この夫婦の離婚騒動が報じられた後の3月9日早朝、二人の姿は広告スペースから忽然と消えてしまった。

 日本で発覚した福原(以下、日本人として親しみを込めて愛ちゃんと呼ばせていただく)の不倫騒動は、コロナ禍で話題に乏しいマスコミの格好の取材対象となって、台湾でも一気に広まった。その中には、愛ちゃんに対して批判的な論調も多々見受けられる。

 例えば、台湾メディア『中国時報』のWeb版では、「日本人のよそ者は、台湾にいる子供や自分の母親を置きざりにしてまで、日本での仕事を大事にして、コロナ禍にもかかわらず日本に戻って好き放題に羽を伸ばしている」といった書き方をしている。

 台湾在住30年、台湾人の妻を持つ日本人である筆者が、日台社会の温度差を肌で感じつつ、ゴシップ好きな一般人も含めた台湾人の生の声を拾ってみた。


■「北京なまりの中国語がキライ」


 まず大前提として、愛ちゃんに対する眼差しは、日本人と台湾人で大変な隔たりがある。端的にいうと、台湾人にとっての愛ちゃんは「日本人が感じるような“お馴染みの顔”ではない」ということだ。

 例えば今回の騒動が持ち上がるずっと前の話だが、愛ちゃん一家が出演するパナソニックのCMをテレビで見た私は、「愛ちゃんもすっかり台湾社会に溶け込んだね」と隣に座る妻(台湾人)に話を振った。すると妻は、「私、あの人の中国大陸ナマリの中国語がキライ」と、思いのほか否定的な反応を示したのだ。大陸の中国共産党と70年も“冷戦状態”で対峙し続けてきた台湾の人々にとって、長年中国で卓球修行をしてきた愛ちゃんは“北京寄り”の匂いのする日本人なのである。

 要するに愛ちゃんは、あくまで「中国大陸で愛されている日本人」なのだが、それでも台湾に嫁に来てくれたからには、ということで表向き温かく迎えいれていた。かといって、真の台湾人として認められるほど台湾社会に溶け込んでいるわけでもない。彼女はいまだ「よそ者=新参の移住者」だというのが、台湾人の正直な感情ではないだろうか。


■金にまつわるジョークに笑う台湾人、傷つく日本人


 もちろん、一方的に愛ちゃんが悪者にされているわけではない。台湾でも、日本で報じられた「江一族からの愛ちゃんへのモラハラ疑惑」は話題になっている。だが、夫妻が暮らす台南周辺で取材をしてみると、愛ちゃんが嫁姑たちから受けていたという“イジメ”は、多くは日台の文化の違いで、「単に相互理解ができてなかったのでは?」という冷静な見方が多い。

 台湾に移住してまもなく、愛ちゃんはカルチャーショックを体験したようだ。例えば愛ちゃんは、姑から「私の嫁は金鶏母(金の卵を産む鶏=金のなる木)」と言われたことにショックを受けた、とされる。だが、台湾ではそういったお金にまつわるジョークを言い合うというのは日常茶飯事であり、姑からすればただの軽口のつもりが、日本人の愛ちゃんは「私のことをそんな風に考えているのか。汚らしい」と思ってしまったのだろう。

 台湾人と国際結婚した私から言わせてもらえば、単なる日台の金銭感覚のギャップなのである。実際に現地の報道では、「金の卵を産む鶏というのは“頼れる嫁”という意味で、むしろほめ言葉」と言及されていた。そういうギャップを夫婦の間でよくコミュニケーションを取って埋めていくことができないと、相手がどこの国の人であろうと国際結婚は難しいのではないか。

 そして、ここで愛ちゃんが注意すべきなのは、台湾人は金銭にかけてはどこまでも抜け目がないということである。仮に今後、離婚が避けられないとなれば、江一族は裁判を起こしてでも慰謝料を得ようとする可能性が高いと思う。さらに、子供の親権を主張した上で愛ちゃんにも養育費を負わせ、一族としての損失が最小になるように団結するだろう。台湾における一族の団結心は、日本人が思うより遥かに強いということを心に銘じなければいけない。


■「産みっぱなし」で子育てはお任せ??


 ここで台湾人の生の声を紹介しよう。私の現地の友人の多くは、「江一族も、当面は家庭内の痴話を大きくして恥の上塗りはしたくないはずだし、契約中のCMスポンサーにも気兼ねして、具体的な離婚手続きは進まないかもしれない。ただ、将来的な離婚はほぼ確実だろう」という見方をしている。

 また、ある台湾人女性は、「福原は『産みっぱなし』。台湾では、忙しい夫婦には仕事を優先させて、その代わりに祖父母が率先して子供を育てるという風土がある。愛ちゃんの子供の世話の多くも、江の母親の仕事になっていたはず。それなのに夫の一族を一方的に非難するのはおかしい」と語る。

 さらに、「福原は夫の家族と同居する生活に嫌気がさしていて、打開策として日本滞在中にワザとマスコミに浮気現場を撮影させるという方法で、夫の家族に絶縁状を突きつけたのではないか」と疑う人も多かった。ゴシップ好きの私の友人などは興奮気味に、「だっておかしいじゃないですか。有名人の福原は、日本に滞在中はマスコミに狙われていると自分でも分かっていたはず。それなのに無警戒で『撮ってください』と言わんばかりの正面からのショットばかり。こりゃ確信犯だわ」とまくし立てた。


■田舎暮らしに我慢できなかった?


 3月6日に放送されたあるケーブルテレビの番組では、司会者が、「福原は国際大会など百戦錬磨で気を張って試合を続けてきた娘で、かなり気性も激しい。そんな女の子がだよ、急に台南の田舎で、卓球に興味もない家族に囲まれて、何年もガマンできるかね? 不可能だろ」と語っていた。

 現役引退と同時に台湾へ嫁いできて、幸せの絶頂のように感じたのも束の間。日本時代と比べて、台湾では自分の活躍の場が思いのほか少ないということに、愛ちゃんは早々に気づいたのではないだろうか。一方で、日本からは相変わらず卓球がらみの仕事のオファーが定期的にくるわけで、自然と足は日本へ向かうことになる。しばらくすると、台湾での家庭生活と日本での芸能生活という二重生活に陥り、夫との別居生活が常態化していく。そこに、コロナ禍で移動が不便になるという状況が生じ、別居期間を長くする要因になったのかもしれない。

 幼少の頃から日本卓球界のアイドルだった愛ちゃんを知る私たち日本人からすれば、彼女がそういう状況に陥ってしまった事情もなんとなく理解できる。東京オリンピックが延期になってしまった今だからこそ、元日本代表として卓球界を下支えするような仕事をしたい。そう考えての長期滞在だったのかもしれない。

 だが、台湾人の多くは、「コロナで移動が不便なら、台湾でおとなしく子供と時間を過ごしていればいいのに、わざわざ日本に居続ける理由がわからない」と感じるのだ。なによりも家庭の絆を第一に考える台湾人には、彼女の行動は不可解なものにしか映らないのである。


■それでも夫が離婚を否定するワケ


 ただし、前出のゴシップ好きの友人はこうも語る。「それでも江は、福原との離婚を簡単には承認しないでしょう。理由は2人の経済格差。福原はタレントで、日本卓球界で重宝されていて、仮に離婚しても経済力はビクともしない。

 一方で江の方はというと、多少は裕福ではあるけれど、台湾では中流程度。江自身にタレント性があるわけでもなく、愛ちゃんという配偶者あっての有名人です。離婚によって今まで夫婦で出演していたCMは全て降板、賠償金問題にまで発展するとしたら、経済的にマイナス要因ばかりなので、しばらくは離婚を拒否し続けるんじゃないかな」

 たしかに今のところ、夫である江は愛ちゃんを擁護して離婚を否定している。だが、台湾人の気質を考えれば、このままでは江の一族郎党が黙ってはいないだろう。仮に愛ちゃんの不倫疑惑が確定的となれば、「そんなふしだらな日本人妻とは、さっさと別れてしまえ」という話がトントン拍子で進む可能性もある。仮に妻側の不貞で離婚となれば、愛ちゃんは子供の養育権も奪われてひとり寂しく日本に出戻りする、という結末になることも大いにありうる。

 もちろん、夫婦のことは他人にはわからないので、愛ちゃんの不倫疑惑や夫のモラハラ疑惑の真偽は定かではない。ただし、これまで「中国でも人気者だった日本卓球界のアイドルが、台湾にお嫁に来てくれた」と歓迎ムードだった台湾の人々が、今回の騒動で大きく失望していることは間違いない。

広橋賢蔵(ひろはし・けんぞう)
台湾在住ライター。台湾観光案内ブログ『歩く台北』編集者。近著に『台湾の秘湯迷走旅』(双葉文庫)など

デイリー新潮取材班編集

2021年3月9日 掲載

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