宮迫博之はYouTuberを選択、やることすべてが裏目にでる“運のなさ”と厄介な“自己評価”

直撃取材を受ける宮迫博之('21年1月)

 ■雨上がり決死隊が解散した。

■吉本に戻れなかった宮迫博之

 8月17日、ABEMAと吉本興業の公式YouTubeチャンネルで『アメトーーク 特別編 雨上がり決死隊解散報告会』が配信され、宮迫博之・蛍原徹のふたりが発表。■一昨年の闇営業騒動で吉本と対立し、クビになった宮迫が解散の主因であることはいうまでもない。

 その騒動の約半年後、YouTuberとして出直した宮迫。当初から「地上波に戻りたい」とテレビへの未練を語っていた。せめて、コンビ解散という重大発表くらい、地上波でやりたかっただろう。

 しかも『アメトーーク』(テレビ朝日系)は雨上がりの冠番組。にもかかわらず、■解散発表はネット配信のみで行われた。吉本がいかに、宮迫をテレビに出したくないかがうかがえるような展開だ。

 実際、大崎洋会長も「頑張るか頑張らないかは、本人が決めることだから。■僕はもう別に関係ないし」と絶縁ともとれる発言をした。

 それにしても、宮迫はなぜここまで追い込まれたのか。そもそも、彼の芸人としての旬は20年近く前。雨上がり、DonDokoDon、ガレッジセールが共演した『ワンナイR&R』(フジテレビ系)が人気を博し、山口智充(DonDokoDon)と組んだデュオ・くずの『ムーンライト』もヒットした。

 しかし、■この番組では初スキャンダルも発生。2003年に山口とやったコントの「王シュレット(ウォシュレットのもじり)」が当時のダイエー・王貞治監督を揶揄したとして批判された。

 また、’17年の不倫騒動では「白か黒か」を聞かれ「■オフホワイトです」とごまかしたことが話題に。ややダーティーなイメージがあったところに、闇営業騒動が起きた。彼が得意なサッカーでいえば、レッドカード以上の状況だったわけだ。

 ただ、もっとまずかったのは、クビになってからの言動だ。YouTuberとして一応の成果を上げているものの、彼の持ちギャグといえば、チャンネル名にもなっている「宮迫ですッ!」という自己紹介くらい。そこを補うべく、知り合いの吉本芸人を出演させたりしてきた。

 吉本としては面白いはずがない。いっそ、オリエンタルラジオの中田敦彦のように、■テレビとは訣別してYouTube一本で活動するなら、ここまで睨まれずにすんだのではないか。

 そう、このあたりが宮迫の煮え切らなさだ。テレビが恋しいあまり、YouTubeを復帰までの腰掛けにしたいという思惑すら見て取れた。

 しかも、厄介なことにけっこう自信家でもある。昨秋にはニュースサイトのインタビューで「僕のようにテレビに30年も出してもらっていて、YouTubeもやっているという人間は少ない」として、

「■お互いのいいところをつなぐような懸け橋になりたいです」

 と、発言。ただ、大谷翔平あたりが日米の野球界の懸け橋になりたいというならともかく、こういうのは両方で成功してから言ってほしいものである。

 それでも、さすがに自分の立場がわかってきたのか、26日には「■やっぱり、僕ができるのはYouTubeという場所しかない」と表明。そこから、別の芸能人のこんな名言を思い出した。

「今、目の前にあることを頑張れないやつが何を頑張れるんだ」

 嵐が大ブレイクする前の時期に、メンバー間で路線変更案が出た際、大野智が語った言葉だ。とはいえ、宮迫の場合、気づくのが遅すぎたかもしれない。

PROFILE●宝泉薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。

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