三浦孝太 『RIZIN』勝利のウラにあった“カズのサポート”と「今後の成長」

『RIZIN』に出場した三浦孝太(本人インスタグラムより)

「RIZINの主役になってしまい、誠に申し訳ありませんでした」

 1月5日、自身のYouTubeチャンネルで皮肉たっぷりに謝罪してみせたのは、炎上系ユーチューバーのシバター。

「‘21年の大晦日に行われた格闘技イベント『RIZIN.33』に出場し、元K-1王者の久保優太選手と対決しました。試合は1ラウンドでシバターさんが関節技を決めて勝利しましたが、その後、久保選手サイドがツイッターで、シバターさんから“1ラウンド目は上手く時間を潰そう”という“八百長”の提案があったことを暴露。久保選手は嘘の提案に騙され、油断させられたことをアピールしていますが、そもそも八百長自体が許されるものではなく、事態は混沌を極めています」(スポーツ紙記者)

 騒動を受け、両者を『RIZIN』に推薦した格闘家で大人気ユーチューバーの朝倉未来も、自身のチャンネルで双方の落ち度を指摘しつつ「こんな形になってしまったので、責任感を感じています」と謝罪の念を明かした。

 リング外で思わぬ騒ぎが起きているが、大晦日の夜、そんなシバターや久保とは対照的に輝かしい形で注目を集めた19歳の若者がいる。

■父・三浦知良譲りの一撃

「■これから、格闘技界の“キング”になれるように頑張ります!」

『RIZIN.33』のリング上で高らかに宣言したのは、あのサッカー界の“キング”の息子。

「“キングカズ”の愛称で知られる元サッカー日本代表、三浦知良さんの次男・孝太さんが、格闘家としてデビュー。アマチュアの地下格闘技で活躍した経歴を持つ選手を相手に、見事1ラウンドでKO勝利を飾りました」(スポーツ紙記者)

父・三浦知良と並ぶ三浦孝太(孝太のインスタグラムより)

 特に話題となっているのが、フィニッシュの場面。

「■孝太選手は、積極的に前に出てくる相手を序盤から落ち着いてコントロール。相手のスタミナが切れてきたところに、すかさず“サッカーボールキック”(グラウンド状態の相手の頭部への蹴り)を繰り出し、そのまま追撃して試合を終わらせました。まさにお父さん譲りというか、見事な一撃でしたね」(同・スポーツ紙記者)

 試合終了のゴングとともに、孝太は観戦に来ていた両親のもとへ駆け寄り熱い抱擁。この日は第1試合を務めたが、会場は大舞台の幕開けにふさわしい盛り上がりを見せた。

 デビュー戦から抜群のスター性を発揮した孝太だが、昨年9月に出場が発表された際はまだまだ無名な若者。ネット上では《親の七光り》《客寄せパンダ》などと批判の声も上がっていた。

■カズが那須川天心とも引き合わせて

「大晦日のイベントというのは、選手だけでなく格闘技ファンにとっても特別な舞台。“貴重な出場枠を、こんな選手に……”という声が上がってしまっていたのも、無理はありません」(格闘技関係者)

 そんな批判的な意見を、見事にはねのけてみせた。試合後のリングで、本人もこう語っている。

「批判の声、誹謗中傷もあったんですが、徐々に応援のメッセージも増えて力になりました。お父さん、お母さん、小さいときはいっぱい迷惑かけたけど、初めての試合を見に来てくれてありがとう」

 マイクパフォーマンスまで、初試合の19歳とは思えない落ち着きよう。すでに大物感が漂っているが“カズの息子”として期待されるプレッシャーは計り知れない。それを察してか、父も陰ながら支えていたようで……。

「■大晦日の出場について聞いたときにはカズさんもさすがに驚いたそうですが“やるからには頑張れ”と応援して、デビュー前から孝太くんが大ファンだった元プロボクサーでK-1選手の渡辺一久さんや『RIZIN』のスター選手である那須川天心くんとも引き合わせたそう」(スポーツライター)

『RIZIN』に出場した三浦孝太(本人インスタグラムより)

『RIZIN』の榊原信行CEOも「ポテンシャル、DNAは最高」と語るなど期待の星となっている孝太だが、実戦はまだ1試合、それも1ラウンドのみ。本当に、今後の活躍が期待できる精神や実力を備えているのか……。格闘技ライターの布施鋼治さんに話を聞いた。

「■まず率直な印象としては、振る舞いや言動の好感度が高かった。いわゆる“2世”の人って高飛車とか悪い意味での“おぼっちゃま”のようなイメージがありますけど、孝太選手はむしろその真逆。相手を無闇に煽るようなこともまったくしない、好青年でした」

 気になる実力面はというと……。

「■試合自体のレベルで言うと、孝太選手も対戦相手も総合格闘技のプロの試合は初ということで、そこまで高いレベルを求めてはいけない試合だと思います。ただ、それを踏まえて言うのであれば“持ってる選手”だなと思いました。ラウンドの終了間際に、三浦一家のヒストリーをオーバーラップさせるような決まり手で試合を終わらせた。展開も含め、非常に持ってるなあと」(布施さん)

■総合格闘家として修行している

“サッカーボールキック”については、試合後の会見で本人も

「とっさに身体が動いた」

「想定していなかった」

 と話している。まさに天性の感覚で相手を沈めた孝太だが、その武器は父親譲りの運動神経だけではない。練習環境や、その姿勢も伊達じゃないようで……。

「■『RIZIN』のファイターを何人も指導している元オリンピックレスラーの宮田和幸さんのジムで、高校卒業後から住み込みで教えを受けています。映像などで見る限り、決して何かの片手間ではなく、“総合格闘家”としてゼロからしっかり修行していますね。試合では積極的に寝技も仕掛けていましたが、相手の対応力のレベルのこともあるので、まだまだ評価は難しいところ。宮田さんの育成に期待ですね」(布施さん)

 多くの選手を輩出している名門ジムの“内弟子”として鍛錬を重ねる孝太だが、今後については慎重にならなければいけない。

「■レベルとしては、プロというよりはセミプロのデビュー戦を飾ったという感じ。『RIZIN』には、しっかり育成してほしいなと思います。磨けば光るダイヤの原石ですし、マッチメイクはいかようにでもなるので、いきなり強い選手ではなく実力に見合った選手と組んで育ててほしい。すべてはこれからですが、かなり期待できるポテンシャルを秘めた“金の卵”だと思います」(布施さん)

 世界を相手に活躍した父のように華麗なキックで鮮烈なデビューを果たした孝太は、偉大なる“キング”への旅路を着実に歩んでいく。

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