日本テレビのバラエティーはなんだかんだ強いのに、『夜ふかし』『しゃべくり』らが移動する背景

日本テレビ

 先日、毎週月曜深夜23時59分からの約10年にわたる放送が終了した、日本テレビ系の『月曜から夜ふかし』。4月からは月曜22時へ枠を移動しての放送となる。

 日本テレビは22年4月期の改編について、ゴールデン・プライム帯の、特に21時以降を強化することを発表している。これまで月曜22時に放送していた『しゃべくり007』が1時間繰り上がって21時からの放送となり、21時から放送していた『人生が変わる1分間の深イイ話』は終了となる。

日テレのバラエティーは安定している

 ほかにも毎週水曜21時からの『今夜くらべてみました』もその歴史に幕を下ろし、日テレの夜が大きく変わる印象を受ける。

■「日テレは、なんだかんだ『強い』人気番組が各曜日に揃っていて、他局が大型改編を行うなかでもほぼ変更することもなくずっと安定している印象はありましたね」

 と、あるテレビ関係者。現在ゴールデン・プライム帯で放送されているバラエティーの番組名を列挙するだけでも人気番組の数と充実ぶりを実感する。

・月曜……『有吉ゼミ』『世界まる見え!テレビ特捜部』『人生が変わる1分間の深イイ話』『しゃべくり007』
・火曜……『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』『踊る!さんま御殿!!』『ザ!世界仰天ニュース』『一撃解明バラエティ ひと目でわかる!!』
・水曜……『有吉の壁』『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』
・木曜……『THE突破ファイル』『ぐるぐるナインティナイン』『ディスカバリーエンターテインメント 秘密のケンミンSHOW』『ダウンタウンDX』
・金曜……『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』『沸騰ワード10』
・土曜……『I LOVE みんなのどうぶつ園』『世界一受けたい授業』『1億3000万人のSHOW チャンネル』
・日曜……『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる相談所』『おしゃれクリップ』

■「それぞれ視聴率が安定しているから多くの番組が10年超えの長寿番組となっていますね。今回終了する『深イイ』や『今くら』は人気番組でしたが、全体としてみたときにマンネリ化しないよう、そして飽きられないため、という意味合いがあっての改編だと思います」

 と、前出のテレビ関係者が言えば、ある放送作家も、

「どの番組も安定した人気があり、終わらせたり移動する理由もありません。下手に新しい番組を始めるよりも継続したほうがいいと思うのですが……」

 と、番組終了を惜しんだ。

 とは言え日テレのバラエティー番組は強い。その理由について放送作家は「ものすごく特徴があるわけじゃないが、“なんとなく見られる”強さがある」と言う。続けて、

■「日テレは安心なブランド、『とりあえず日テレつけてみるか』と、視聴者がチャンネルを合わせやすい局となっています。だからこそヒット番組も生まれやすく、似たような企画の番組でも日テレのほうが人気が高いという現象が生まれやすい。ただ、長い目でみたときに、変化をしていかないといけないですからね。それがこのタイミングなのかもしれません」

枠が変わっても見逃し配信で視聴

 人気番組を移動させるときによく問題視されるのが、いわゆる「視聴習慣」。何曜日の何時にこのチャンネルを見るという習慣が、枠を移動したときに外れてしまうという現象だが、そこも近年は以前ほど重要視されなくなってきている傾向もあると、前出の放送作家は言う。

■「見逃し配信などで見る人がすごく増えたことが大きいです。以前は枠移動は大きな賭けでしたが、いつ放送していても関係ないという人が増え、ハードルが下がった部分はあります。いっぽうで、『夜ふかし』のような番組は、どの時間帯で放送してもついていくよというコアなファンも多いです。枠の時間帯が昇格すればスポンサーもよりつきますし、メリットのほうが大きいという考えかただと思います」

『夜ふかし』の番組内でも、22時からの放送ということで、極端な下ネタはやれなくなるとマツコ・デラックスも言っていた。深夜に放送していたからよかった、深夜だから面白かったという声も、深夜番組の昇格にはつきまとう。

「ネタの選び方などは、グルメ企画や人気チェーンなど、深夜に比べてファミリー向けのものは増えると思います。ただ、深夜で続けていても、番組の収益が上がるわけではありませんし、お金にならない状態で続くよりもいいスポンサーがつくならつくほうがいい。今は『深夜だからOK』『深夜だから制約がない』という部分は相当減っていますし、むしろゴールデンのほうが攻めていることもあったり、深夜との違いは実際なくなりつつあるという気がします」

 『夜ふかし』も月曜深夜に配信で視聴すれば解決(ただし下ネタ少なめ)、ということだろうか。

〈取材・文/渋谷恭太郎〉

関連記事(外部サイト)