天心vs武尊の生配信に「50人以上のエンジニアがリアルタイム監視」フジが逃した50億円を拾ったABEMAの“準備”

6月19日に行われた『THEMATCH2022』

■《チケット売り上げ20億、ペイパービュー50万件25億 スポンサー5億、計50億。》

 6月19日に開催された格闘技イベント『THE MATCH 2022』の“成功”を、『K-1』創始者である石井和義氏がイベント終了直後、自身のツイッターで報告。ツイートには『THE MATCH』製作実行委員会の榊原信行氏との“ガッツポーズ”ツーショット写真が添えられていた。

■《サーバー落ちないabemaが1番凄い》

 同イベントは、キックボクシングのRISE王者・那須川天心とK―1王者・武尊の“世紀の一戦”が行われるとあって大注目だった。招待席と思われる一帯には、山下智久、西川貴教、ローラ、TAKAHIRO・武井咲夫妻、松田翔太、RADWIMPSの野田洋次郎、三浦翔平ら多くのタレントも集結した。

 しかし、開催前にはひと悶着が。

「今回の『THE MATCH』は、ネットテレビ『ABEMA』にて独占生配信となりましたが、当初はフジテレビによって地上波放送が予定されていました。しかし、大会まで3週間を切った5月31日に同社公式ホームぺージで■“主催者側との契約に至らず、フジテレビで放送しないことが決まりました”と発表。具体的な理由は明かされていませんが、『THE MATCH』大会実行委員の榊原氏と反社会勢力との関係が報じられたことが理由ではないかなど、さまざまな憶測を呼びました」(スポーツ紙記者)

 “トラブル”を経て、放送に至ったのはネットテレビの『ABEMA』(旧称・『AbemaTV』)。フジが自ら逃した“チャンス”は、冒頭のような“巨額”に化けた。天心・武尊の世紀の一戦とともに視聴者から評価を得たのが、放送したABEMAだった。以下はツイッターにあがった声だ。

■《50万人のPPV生放送でもサーバーが落ちず画質安定して配信し続けたのabemaもすごいな》

■《こんだけ視聴者いっぱいいんのにサーバー落ちないabemaが1番凄い》

■《誰も言ってないけど1回も落ちなかった ABEMAの鯖とインフラ班、最強》

■《今Abemaで昨日の天心-武尊の無料放送やってるんだが、同時接続103万人。Abemaのサーバーすごいな!》

■《DAZNなんかでやっててみ すぐに鯖落ちしてクルクル地獄で観れなかっただろうな そう考えるとAbema神》

■《Abemaのサーバーがどの選手より一番打たれ強かったかもしれない》

「■有料のPPVが50万件、翌日の無料放送でも100万人以上の同時接続という状況のなか、サーバーがダウンすることなく配信を終えました。システムが脆弱だった場合、映像が止まったり、サイトにアクセスできなかったりしたでしょう。ネット環境は個々の視聴者で変わるので、画質が落ちたという声も一部で見られましたが、多くの人がストレスなく視聴できたようですね。

 ABEMAは'17年に『亀田興毅に勝ったら1000万円』という、文字通り元プロボクサーの亀田さんにボクシングで勝てば賞金1000万円を獲得できるという番組を生配信し、大変な注目を集めました。■しかし、このときはサーバーが負荷に耐えきれず、試合開始と同時にダウン。配信日夜に特設サイトにて無料放送する事態となりました。その“経験”もあり、今回はかなりシステムを増強して配信に臨んだのではないでしょうか」(ITジャーナリスト)

■テレビ局がコンテンツを買い負ける時代に

天心とともに今大会の“勝者”となったABEMAに、『THE MATCH』の配信にどのように臨んだのか話を聞いた。

「■この度『THE MATCH 2022』を配信するにあたり、サーバーの増強やネットワーク帯域の確保を事前に行い、『ABEMA PPV ONLINE LIVE』における過去最高の接続数を想定し、券売実績に対して数倍以上のキャパシティを確保したうえで、配信に臨みました。

 また、当日は、予期せぬトラブルや障害につながるリスクに対して迅速に検知・対応するため、50名以上のエンジニアがリアルタイムでシステム状況のモニタリングを行いました。結果、システム障害が発生することなく、ABEMA PPVの画質についても高い評価をいただき、最高品質の映像を安定してみなさまにお届けできたと感じています」(ABEMA広報担当者)

『K-1』創始者である石井和義氏がイベント終了直後、自身のツイッターで報告。製作実行委員会の榊原信行氏との“ガッツポーズ”ツーショット写真が添えられて

 ホリエモンこと実業家の堀江貴文氏は自身のYou Tubeチャンネルにて『THE MATCH』の配信について触れ、“誰でも見れる” “スポンサー収入だけに頼った”地上波テレビ局のビジネスモデルは「それじゃあ採算乗らない」、■「地上波のテレビ局がコンテンツを買い負ける時代になったっていうことが、今回の『THE MATCH』でわかったんじゃないかなと思います」と述べた。

 今年11月にカタールで開催される世界最大のスポーツイベント『FIFAワールドカップ』もABEMAは全64試合を無料中継する。こちらは地上波放送もあるが、視聴者は“どちら”を選ぶか。

 武尊に勝利した天心はボクシング転向を発表。彼には未来しかないだろう。フジに勝利したABEMAは長年、設備投資もあり赤字が続いているが、広告事業やゲーム事業は絶好調。秋のワールドカップ配信も『THE MATCH』同様、未来を明るくする一件となるかもしれない。テレビの未来は……。

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