2019年春ドラマ、ベスト&ワーストは? 高橋一生&福山雅治は“キャラ迷走”

(写真左から)滝藤賢一、福山雅治、高橋一生、斎藤工

 漫画家3人によるドラマ斬り座談会第2弾。三者三様のドラマ愛を語るなか、今期3作のLGBTを盛り込んだ作品で大盛り上がり。その一方で、福山雅治、高橋一生らが主演した話題作に大ブーイング!

■中条の渾身の“顔芸”はクセになる

──3人の話題は、高橋一生、斎藤工、滝藤賢一がハイスペックな独身男を演じる『東京独身男子』(テレビ朝日系)から。

■上田倫子(以下、上田) ■好きなキャストがいっぱい出ているのに期待はずれでした。AK(あえて結婚しない)男子って、いくつだよってところもあるし。

■なかはら・ももた(以下、なかはら) 滝藤は去年、NHK朝ドラ『半分、青い。』の主人公・鈴愛のお父さん役。一生と高橋メアリージュンのカップリングにも違和感。■キャラクター間違いが多いのがダメで1話しか見られませんでした。

■折原みと(以下、折原) ■そのダメさがクセになるの。昔の“月9”みたい。狙いすぎだけど、臭い靴下のにおいを嗅ぐように、つい見ちゃう。

■なかはら ドMですね(笑)。ただ、1話でダメと思っていても回数を重ねて評価されるドラマもありますしね……。

■折原 『白衣の戦士!』(日本テレビ系)もひどいけど、元ヤン看護師役の中条あやみの演技がちょっとずつ成長しているのがみえる。■中条の渾身の“顔芸”はクセになる。

■上田 橋本環奈ならわかるけど、中条あやみって誰?から始まった。

■なかはら ■ほぼ『ナースのお仕事』(フジテレビ系、1996年に第1シリーズスタート)。フジは抗議しないんですかね(笑)。

■折原 ■『─お仕事』の観月ありさは8頭身。『─戦士!」の中条は9頭身。令和を感じる。

■福山のセリフ“がんばれ、がんばれ”はパワハラのよう

■上田 福山雅治の『集団左遷!!』(TBS系)は(見続けるのを)脱落しそう。福山ファンなのに“面白い”と思えない私に原因があるのかと思うほど。

 ■福山がセリフで言う“がんばれ、がんばれ”はパワハラのようで、主題歌も“がんばろうぜぇ”と歌っていて疲れる。

■なかはら ■福山でなくてもいい役。堺雅人ならもっとそれっぽい話になったのでは。

■折原 軽すぎる『半沢直樹』? 土下座もするエリート銀行マン役で路線変更した福山を見守りたい。

■なかはら 福山のいいところを最大限に引き出す、もっとカッコいい役をやってほしい。

■上田 福山の妻役を八木亜希子にしたのは、ファンへの配慮? マジ嫁(吹石一恵)だったら、すごかったのに!

■なかはら ■『ストロベリーナイト・サーガ』(フジテレビ系)の亀梨和也は、“亀ちゃん、いる?”と探しちゃうほど、二階堂ふみとのバディ感もイケメン感も薄い。ドラマは面白いと思うけど、私が亀梨ファンだったら、ちょっとガッカリ。

■折原 竹内結子と西島秀俊の前作がよすぎて。同じ話でなく、若いころの話にしてほしかった。

■なかはら “サーガ”がついていますから、これから展開していきます。

■折原 ■山P(山下智久)主演の『インハンド』(TBS系)は好き。ドSキャラの山Pが“バカ”“愚か者”と小さい声で吐く言い方がステキ、ツボにハマった。

■“俺スカ”はもっと尖った作品だと思っていた

──今期はLGBTものが古田新太主演『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)、『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK総合)、『きのう何食べた?』「(テレビ東京系)の3作品。

■折原 ■“俺スカ”は期待していたけど、普通の学園もので、ちょっとガッカリ。もっと尖った作品だと思っていた。

■なかはら 生徒に悪い子がいなくて平凡。でも、それがちょっと新鮮。

■上田 ■『腐女子─』は、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で、イマドキの新入社員・マロ役だった金子大地が、ナイーブなゲイの高校生・純くんを演じていてビックリ。

金子大地

■なかはら ■超カッコいい。前髪で目元が隠れているのが似合う。昔はメガネ男子だったけど、今は米津玄師みたいに前髪を垂らして目の表情が読めない■“米津感”男子の時代です。

■折原 5話(クラスメートにゲイであることがバレた純が、藤野涼子演じる腐女子・三浦の目の前で自殺を図る)は“神回”、号泣しました。

 純くんには“何食べ”を見せてあげたい。(ゲイであることを)そんなに悩まなくても幸せになれる、と。

■上田 ■タイトルのインパクトにつられて“うっかり”見たら、これがもう最高! 初回で谷原のいい声でのベッドシーンには釘づけ。どんな結末になるのか楽しみ。

■折原 ■“何食べ”は、ゲイカップルを演じる西島秀俊と内野聖陽が“神キャスティング”。内野がキャッキャッしているのがほんとに可愛いし、恋人(西島)のために卵焼きを作ったのを見て、作り方を覚えた。

西島秀俊、内野聖陽

■なかはら 料理をさせたいと思わせる。

■上田 自分でもできそうなメニューがいい。ドラマのレシピ本が出ていて重版になる人気で、私も買いました。

■なつは絵で食べていけるほど普段、描いていない

──4月スタートのNHK朝ドラ『なつぞら』は高視聴率が続く。

■上田 美男美女ぞろい。

■なかはら 100作目の朝ドラマですから、高級なイチゴやメロンの豪華盛り合わせ。

■折原 ■BSプレミアムで『おしん』の再放送後に見ると、主人公のなつ(広瀬すず)は、恵まれすぎて健気に見えないので、損している。

■上田 ■なつは、絵で食べていけるほど普段、描いていない。漫画家の立場からすると、酪農で忙しいのはわかるけど、寝る間も惜しんで描いているシーンがほしかった。

■なかはら なつが目指すアニメーターは、漫画家と比べるとわかりにくいのかも。■なつの“もうひとりの兄”照男役の清原翔が、『インハンド』(第6話、異端の陸上選手役)にも出ていてわからなかった。どちらも役にハマっていてブレイクしそう。

清原翔

──月9の『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート』(フジテレビ系)も好調。

■上田 本田翼は、放射線科医ではなく、広瀬アリス演じる新人放射線技師のほうがよかった。

■折原 彼女は■ヘタレなAD役とかが似合う。

■上田 ■主演の窪田正孝のキャラが薄い。

■折原 それはキャラ設定。■それよりも全部、病気の原因究明を彼が解決している病院は、大丈夫かと思う(笑)。

■なかはら 放射線技師の軒下を演じる浜野謙太のインスタに、クイーンの楽曲に合わせて踊る場面がアップされていて、人気になっています。

■純愛ドラマは貴重! 無条件に応援したい

──松坂桃李と山本美月が演じる『パーフェクトワールド』(フジテレビ系)は今期、唯一のラブストーリー。

■折原 ■純愛ドラマは、貴重。無条件に応援したい。車イスの主人公(松坂)が、恋人の親に(交際を)反対されたり、恋人を助けることができなかった無力感などしっかり描いている。

■なかはら 木村拓哉と常盤貴子の『ビューティフルライフ』(TBS系)の今版。

■折原 ■松坂は、尿漏れしてしまう場面など下半身が不自由な人の演技が素晴らしい。

──吉高由里子主演の『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)は働き方改革を牽引するヒロインが奮闘する。

■上田 ■(元恋人で上司役の)向井理の立ち位置がステキ! 最近は敵役が多かったけど、今回はマイルドな役柄がいい。

■なかはら なぜ(吉高と)別れたんだろう。ドラマは、『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)みたいだけど、それよりも軽い感じ。

■折原 ■ゆる〜く、癒してくれる吉高がいい。

■なかはら 最後にビールを飲んでいるのもいい。

■今期のベスト&ワーストドラマは?

──ほぼ意見が出そろったようですが、今期のワーストともいう期待はずれドラマに、折原先生は『俺のスカート、どこ行った?』、上田先生は『東京独身男子』、なかはら先生は『東京─』と『集団左遷!!』と意見が分かれる結果に。

■なかはら ■高橋一生、福山雅治ともキャラじゃないことをやらされて、迷走している。

■上田 ■今期のベストドラマは『きのう何食べた?』で。

■折原 ■MVPは“何食べ”のカップル、西島と内野。ニューカマーは、金子大地と清原翔。

──若手の活躍に期待したいと思います。ありがとうございました。

<プロフィール>

折原みと(おりはら・みと)●1985年デビュー。’90年『時の輝き』が100万部を超えるベストセラーに。小説家としても活躍。『幸福のパズル』文庫版が6月13日に発売。仕事で“推しメン”俳優の岡田健史と初対面し、念願の岡田出演による『幸福─』映像化に一歩前進か?

上田倫子(うえだ・りんこ)●1986年『マーガレット』でデビュー。代表作は『リョウ』『月のしっぽ』『裸足でバラを踏め』など。最新刊『蘭と葵』第6巻(紙版&デジタル版)が発売中。最近は“着やせの神”おかだゆりさんのインスタグラムをチェックすることにハマっている。

なかはら・ももた●1991年に『ぶ〜け』でデビュー。NHK朝ドラ『マッサン』の公式漫画化。『半分、青い。』のヒロイン・鈴愛の劇中漫画を担当。推し俳優・柏原収史がオーナーの『浅草苺座』に通い詰め苺ビール、苺ハイボールを愛飲する日々だが、本音はお仕事募集中!

(構成・文/島 右近)

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