『24時間マラソン』を女芸人たちが走らざるをえなくなった“黒い理由”

(左から)よしこ、近藤春菜、いとうあさこ

 今年もまた『24時間テレビ「愛は地球を救う」』(日本テレビ系)の季節がやってきた。

 放送の内容はドラマ、バラエティーなどさまざまだが、番組の目玉となっているのが、日本人なら知らない人はいないといっても過言ではない『チャリティーマラソン』。

 この時期になると、過酷なレースに挑戦するのが誰なのかということが話題になる。記念すべき第1回目の走者は間寛平で、以降、数々のタレント・女優・芸人などが挑戦している。'05年には丸山和也弁護士が走ったこともあった。

 “走り”のスペシャリストでもある間寛平を除けば、これまでの走者は60kmから100km超の距離を走破するのが慣例となっている。

 昨年、ランナーに選ばれたのはANZEN漫才のみやぞんだった。だが、例年とは違い、マラソンという競技自体が少し形を変えることになった。ただ走り続けるマラソンではなく、さらに過酷と思われる“トライアスロン”形式を導入。これは『チャリティーマラソン』初の試みだ。マラソンのほかに水泳と自転車が加わり、全走行距離は161.95kmだった。

■功を奏した“もったいぶり”作戦

 もともとチャリティーマラソンは、無理だと思われる距離をどうにかして必死に走り切るところに意味がある。“感動を与える”という番組テーマ上、余裕で走り切ってしまっては視聴者の心に響かない。制作サイドもみやぞんの体力ならやすやすと走り切ってしまうと思い、“ハンデを課した”のかもしれない。

 視聴者もマラソン自体にマンネリを感じてしまっている気配があるから、何かしら新機軸を打ち出そうとした可能性もあるが。

 そして今年は、4人で走り継いでいく『駅伝形式』になることが決まっている。

 '12年に佐々木健介・北斗晶夫妻がふたりの息子たちと一緒に家族4人でリレーのかたちで走ったのについで、2回目だ。

 走者4人のうち3人はすでに発表されているが残りの1人は、放送当日になって発表されるという、最近よくある“もったいぶり”作戦。

 ■これまでは同番組の告知をするのとほぼ同時期にランナーも発表されていたのだが、一昨年のブルゾンちえみのときには放送当日まで誰が走るかを引っぱったところ、それがマスコミを巻き込んだ予想合戦に発展し、大きな話題を獲得することに成功した過去がある。今回もそれに倣(なら)ったかたちだろう。

■マラソンが“ガチ”になって

 すでに発表されているのが、いとうあさこと、ガンバレルーヤのよしこ、続いて近藤春菜の名前。

 マラソン走者を選ぶ基準の中に、その年に活躍したか、もしくは日テレの番組に出演する頻度が多い、つまり局に対する貢献度が高いタレントが選ばれやすいことは明らかだ。ただ選ばれたからといっても、タレントがオファーを必ず受けてくれるとは限らない。

■ 走者選びが年々厳しくなってきている一因として、マラソンが“ガチ”になってきていることがあげられる。

 過去のマラソンでは、「本当に100kmを走り切っているのか」という疑問が提示され、「途中、車に乗った」とか「影武者が走っている区間がある」なんて疑惑が取りざたされたこともあった。

 '02年には西村知美が100kmマラソンに挑戦した際、いちばん肉体が疲労しているはずの残り20キロを1時間で走破してしまうという驚きの記録もあり、その疑惑は深まった。

「■今はネット時代になって、走っている状況が常に監視されています。決してズルはできなくなりました。タレントは歩くだけでも大変な100kmもの距離を本当に走らなければならないので、その負担は大きいです。ろくすっぽ運動もしていないタレントができることじゃないですよね」(芸能プロ関係者)

 走ると決まったら、その日に向けて少なくとも1か月以上は練習しなければならず、スケジュールの調整も必要となり、高額のギャラを提示されてもわりに合わないというのが現状だ。彼らもプロのランナーではないので、体力の回復にも時間がかかるので、翌日以降の仕事に大きな支障をきたしてしまう。

 以上のことから、走者選びは年々、厳しくなっているようなのだ。

 また今回の走者のうち、いとうあさこ・ガンバレルーヤよしこは、『イッテQ!』のレギュラー出演者である。

「■年々、走者選びが難しくなり、難航するなかで制作サイドから白羽の矢が立ったのが彼女たちです。昨年、同番組の『祭り企画』でヤラセが発覚し、番組の印象が悪くなってしまったので、今回のマラソンの人選は“イメージ回復”の目的もあるんですよ。1人当たりの走行距離も100kmの半分以下と、負担も軽減されていますしね」(日本テレビ関係者)

 はたして、第4走者は誰になるのか。日焼けしてやせたタレントはいないかなど、巷では走者予想で盛り上がっている。なんだかんだいってみんな、番組の術中にはまっているのでは――?

<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>
◎元フライデー記者。現在も週刊誌などで取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。

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