<慶応幼稚舎合格談>インターネットで合格を確認、そして港区じゅうに響き渡った絶叫

お受験2.0

■【小学校受験のお作法2.0】親子力を合わせ、厳しいお受験を乗り越えるためにも、先人たちのリアルな合格体験談はあらかじめしっかりと知っておきたいもの。しかし、幼児教室などで登壇する合格者の経験談は、幼児教室の先生たちのフィルターがかかった内容になりがち。実際にはいろいろな教室に行っていたのに「わが家は本当にこちらの教室のみでした」とコメントされることもあるそう。そこでここでは、お受験コンシェルジュ&戦略プランナーのいとうゆりこさんが、合格者のお母様たちにインタビューを実施。合格するまでの道のり、そして入学後の様子など“生”の声を伝えてくれます。あくまでもひとつの参考とされてみてくださいね。

■■慶應幼稚舎に合格した男の子の場合(1人目)

 御三家幼稚園(*愛育幼稚園・枝光会附属幼稚園・若葉会幼稚園)に入って情報収集を行いながら、慶應幼稚舎に合格した男の子のお母様にお話を伺いました。

■ご家族のスペック

■・お父様:関東出身 東京大学法学部卒業 会社経営
・お母様:関東出身 都内私立短大卒
・お子様:港区御三家幼稚園

――■なぜ慶應幼稚舎を受けようと思われましたか?

「実は最初、東大法学部卒業の主人には、小学校受験なんてくだらないと相手にもされなかったんです。というのも、主人は高校受験で最難関の県立高校へ進学し、慶應の高校は滑り止めだったようで。

 しかし、最大取引先の社長さんが幼稚舎から慶應と聞き、慶應大学、それも下からでもずいぶんと立派な人間もいるものだと感心したそうです。東大卒よりも、幼稚舎卒のほうがカリスマ性があると感じたようで、主人のほうから“息子を幼稚舎に入れるってどう?”と言ってきました」

――■どのような準備をされましたか?

「知り合いに幼稚舎の方なんていなかったので、まずは御三家幼稚園に入れて情報を得る作戦をとりました。

 入園後は、われわれは何も知らない地方出身者であるということ、そして主人は東大なので、小学校受験をするとしたら東大が視野に入る暁星や国立小くらいしか受けないということを強調し、幼稚舎を目指すグループを安心させて懐に入りこみ、あらゆる情報を得ました」

――■実際にどのような情報が得られましたか?

「幼稚舎に入るには“代官山のH先生”と、“体操教室K”、“広尾の絵画教室”に通うと有利になるということです。

 しかし、ご紹介者もおりませんし、卒業生でもないのに、そんなお教室に入り込めるわけもありません。入ったとしても、その瞬間、いままで仲よくしていた幼稚園のママさん全員を敵に回してしまいます。

 しかし、ある日、大人の絵画教室で恐ろしいレベルの作品を目にし、先生に伺ったところ、現在、高校生の子が小学校低学年のころに描いた作品だと。展覧会でそのお母様を先生にご紹介いただき、お話を伺いましたら、描いた息子さんは幼稚舎から慶應とのことでした。

 いろいろとご相談をさせていただき、港区ママがあまり来そうにない、個人の先生や絵画教室をご紹介してくださったので、そこに通いました。また周囲から誤解されないよう、暁星専門の体操教室やペーパー教室、行動観察のエスポワール、そして定番でもあるジャック(お受験教室)の暁星クラスにも通い、受験準備を始めました。

 そのほか、バイオリンと水泳教室にも通い、毎日毎日、お稽古をはしごしながら3年間、息子とともに戦いました。主人はお金を出すだけで、何も手伝ってくれませんからね」

――■暁星対策も幼稚舎受験に役立ったのでしょうか?

「暁星を目指している方の多くは、幼稚舎と早実は併願しています。そして、暁星に合格できれば、早慶の可能性も出てきます。

 幼稚舎と暁星では学校側の求める生徒像はまったく異なるとは思いますが、運動もペーパーも絵画も言動も、“できればどこでも受かる”ということですかね? やれることは全部やらせ、お金を惜しみなく注ぎ込めば、結果は必ず出ると確信しました」

■■慶應幼稚舎に合格した男の子の場合(2人目)

「私、慶應幼稚舎っていうブランドに憧れていたんです」

 そう語りだすお母様。慶應幼稚舎に合格した男の子のケースをお届けします。

■ご家族のスペック

■・お父様:地方出身 国立大学卒 一部上場企業勤務
・お母様:地方出身 MARCH卒
・お子様:都内人気お受験幼稚園

――■慶應幼稚舎受験にいたるまでの経緯を教えていただけますか?

「女子のMARCH出身は青学と立教以外はとにかくモテず、東大や早慶の男性とは縁がなく……。

 お食事会でやっと出会ったのがいまの主人です。結婚後は港区に住むのが夢だったので、レインボーブリッジなどの夜景がきれいな湾岸エリアのタワーマンションを購入。

 子どもは芸能人御用達の病院で出産。あとは子どもを幼稚舎に入れるだけと、必死に息子を鍛えていました」

――■どのような準備をされましたか?

「幼稚園では“国立志望”と宣言していたので、幼稚園ママたちからマークされることもなかったです。通っていたのは、大手のお教室ではなく、自宅近くの中小の教室です。主人の知り合いで、息子さんを幼稚舎に入れている方にご紹介してもらいました。そのほか、港区で人気の絵画教室と体操教室、バイオリン、かけっこクラブに通っていました。

 当の息子はいろいろとできるようになるのが遅く、いつもイライラしてばかりでしたが、年長の夏を過ぎたころに、やっとみんなに追いつきました。運動会のかけっこで1位になれたころから本人も自信がついたようで、ぐんぐん伸びていきました」

――■実際の受験はいかがでしたか?

「青学、立教を受験するも不合格となり、ペーパーがとくに苦手だった息子には、筆記試験問題を重視する学校はやはり合わなかったか……と思っていましたが、幼稚舎の試験までには何とか気持ちを切り替え、軌道修正することができました。

 幼稚舎の試験日程は女子から割り振られた年でしたので男子は少し遅かったんですね(※立教・青学の試験日程は11/1〜、幼稚舎は11/5前後〜)。

 加えて、息子のイケメンっぷりも手伝って見事に合格をいただきました(笑)! インターネットで合格の文字を見た瞬間、港区じゅうに響き渡るのではないか? というくらいの絶叫をしてしまいました! 

 SNSにも、瞬時に“幸せ”と意味深な書き込みもしてしまいました(笑)」

――■幸せの絶頂といった感じですね。

「はい、もう欲しいものはすべて手に入れた気分です。私たち家族だけではなく、祖父母、親戚、すべてを幸せにできる“幼稚舎”ってすごいですよね!? 襟に特徴のある制服姿で毎日登校する息子の姿を見るたびに、そして幼稚舎の門を通過すると学校から届くメールを目にするたびに幸せを感じています。何年たっても幸せです」

「こんなに幸せでいいのか?」と終始、口元が緩みまくりのお母様のお話を伺いながら、この笑顔の裏で泣いているお母様がいるのだと思うと、複雑な気分になりました。

<著者プロフィール>
いとうゆりこ◎お受験コンシェルジュ&戦略プランナー。自身の経験から美容や健康・芸能・東京に関するマネー情報まで幅広い記事を各媒体で執筆中。いとうゆりこ受験情報公式サイトは、https://itoyuriko.studio.design

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