秋田県の悲哀漂う健康データ、一方で未来への希望を感じる「学びの十か条」効果も

秋田県のなまはげ

 今年6月、日本人に多い「3大死因」のひとつに初めて老衰が加わった。がん、心臓病に次いで脳血管疾患の順だったが、老衰が3位に躍り出たのだ。

 これら上位2つの死因で亡くなる人が多いうえ、平均寿命は短いという「残念なエリア」がある。東北地方だ。

■悲哀が漂う秋田県

 男性の平均寿命では2005年からの10年間、ワースト3は青森、秋田、岩手の順。秋田は'16年、'17年ともに生活習慣病、がん、脳血管疾患の各死亡者数が全国トップだ。

■「塩分の多さや寒さ厳しい気候のほか、可住地面積あたりの病院数が最下位、診療所数が45位と医療機関の少なさが影響しているかも。近くに病院がないと、こまめな受診ができず、病気の発見が遅くなりがちです」(医学ジャーナリストの植田美津恵さん、以下同)

 加えて、日照時間も少なく自殺者の数もいちばん多い。

 かなり悲哀が漂うものの、秋田には未来への希望を感じるデータも多い。まず、睡眠時間で秋田は最長だ。

 寝る子は育つというが、子どもがスゴい! 身長の高さは小5女子は2位、中2男子は1位。小学生の朝食摂取率、中学生の読書率も全国トップだ。

 規則正しい生活習慣は学力へと実を結んでいる。文部科学省が毎年実施する『全国学力テスト』では、平均正答率が小中ともにトップクラスだ。自己肯定率、チャレンジ精神率、家庭内会話率もオール1位。

■「早寝・早起き・朝ごはんに家庭学習を推奨する『秋田わか杉っ子 学びの十か条』の効果は絶大。いまの子どもたちが中高年になるころには、秋田の健康データが大きく変わっているかも」

 学力にまで影響する睡眠時間だが、全国41位と下位ながら、なぜか愛知女子は健康寿命でトップを誇る。

 健康寿命とは、介護を受けたりせずに、自立した日常生活を送れる期間のこと。愛知女子の健康寿命は76・32歳。平均寿命は86・86歳なので、寝たきりや介護期間が比較的短く、理想的な“ピンピンコロリ”を迎えられる人が多い。

 平均寿命が全国32位で100歳以上の高齢者数は46位と、他県に比べて長寿県とはいえないことから、相対的に健康寿命が長いといえそうだ。

 また、愛知は喫茶店の外食費用が全国2位。お得なモーニングを味わいつつ友人とのおしゃべりでストレス解消。みそをよく使うことの健康効果も考えられるとか。

 みそには強力な抗酸化作用があり、がんを防ぎ、生活習慣病のリスクを下げる研究報告も。実際、国立がん研究センターの統計で、女性のがんが少ない県1位に愛知が君臨している。

■「愛知の人は地元が大好きで、県外に出たがらない。睡眠時間は少なめですが、地元に仕事もあり、ストレスなく暮らせる。そういう人は病気になっても前向きに受け止め、再発率も少ないとされます」

 ピンピンコロリを目指すなら、愛知女性を見習おう。

(※)この特集の消費量、店舗数、金額などは原則として人口(世帯)比です

《PROFILE》
植田美津恵さん ●医学ジャーナリスト・医学博士。東京通信大学准教授。福岡県出身。講演、執筆などで活躍。『忍者ダイエット』(サイドランチ)ほか著書多数

出典/『統計から読み解く47都道府県ランキング』(日東書院)、ウェブサイト『都道府県別統計とランキングで見る県民性』https://todo-ran.com/ 、総務省統計局ホームページ『なるほど統計学園』https://www.stat.go.jp/naruhodo/ 、『社会生活基本調査から分かる47都道府県ランキング』

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