『DEATH NOTE』ミュージカル化、主演の甲斐翔真、「300%」の意気込み

甲斐翔真 撮影/森田晃博

 社会現象になった伝説的大ヒットコミック『DEATH NOTE』をミュージカル化。2015年の世界初演以降、日本のみならず韓国、台湾でも大ヒットを記録した人気作『デスノート THE MUSICAL』が、2020年1月キャストを一新して上演される。

 主人公は「ノートに名前を書かれた人間は40秒で死ぬ」“死のノート(デスノート)”を拾ったことから、犯罪者の粛清を始める成績優秀な高校生・夜神月。そのライト役にオーディションで2416名の中から選ばれたのは、ドラマや映画で人気上昇中の若手俳優・甲斐翔真さん。

 なんと本作が初舞台・初ミュージカル・初主演。舞台にチャレンジする熱い思いを語ってくれた。

■■勧善懲悪ではなく、正義のぶつかり合いを

「■オーディションでは、とにかく“『デスノート THE MUSICAL』に出演したいんです”という気持ちを大事に、それが伝わるようにって思いながら歌もセリフも技術的な面よりも熱量だけで頑張りました。

 ライト役に決まったときは、うれしすぎて思わずガッツポーズをしてしまいました(笑)。でもオーディションを受けた方の人数を聞いて、役に恥じないように覚悟を持ってライトを演じなければいけないという責任感も生まれました。

 初舞台で『デスノート THE MUSICAL』に出演させていただくのはすごくプレッシャーですが、新人だからこそ表せるアグレッシブさやパワーをがむしゃらに出していきたいです」

 原作の漫画を読んで、甲斐さん自身が感じた夜神月との共通点。また役作りのアプローチについて聞くと。

「■共通点は悪を許せないというか正義感が強いところかな。高校3年まで12年間サッカーをやっていて、ゴールキーパーだったので正義感で生きてきました(笑)。だから犯罪者を許せないというライトの最初の気持ちの部分には共感できます。今回はそこからまず役に入っていこうと思っています。

 デスノートを使って犯罪者を次々に殺していくライトは、周りから見たら完全に悪に見えますけど、本人の中では芯が通っている。彼は本気で世界を変えたくて悪を撲滅したくてやったんだという姿勢が、世の中から見たらただの悪になっているという、そういうなんか悲しい感じが舞台の上で描けたら、ライトにも警察側やライトを追いつめる探偵のL(エル)にも感情移入できると思う。

 ■勧善懲悪だとつまらないじゃないですか。どっちにも正義があって、結局は正義と正義のぶつかり合いだってことをしっかりと伝えたいです。ライトとエルがギリギリのところでやり合う感じ、ひとつミスったら全部崩れるみたいなところは醍醐味ですよね。神経を研ぎ澄ましてやっている感じが、舞台ならではの人間から出る生の緊迫感として出せたら強いと思うので頑張ります」

■褒められると伸びないタイプ

 今作をより魅力的にしているのは『ジキル&ハイド』『スカーレット・ピンパーネル』など数々のヒットミュージカルを手がけるフランク・ワイルドホーンの楽曲。

「■歌が難しいんですよ。ワイルドホーンさんの曲はけっこう体力を使う曲が多いらしくて。今回の曲はロックだし、かといってライトはクレバーに歌わないといけないので、とにかく身体にすべてを染み込ませてやらないと。■稽古場でスタッフを泣かせるぐらい食い下がって、300%出してぶつかっていきたいです」

 初体験の舞台稽古で楽しみにしていることは?

「■栗山(民也)さんの演出は素直に楽しみですし、日本を代表する演出家のもとで初舞台を踏めるのはすごく光栄です。こんな僕にどんなことを言ってくださるのか、特にライトは狂気に満ちあふれる役なので、知らなかった自分に会えるかもしれないですよね。
 Wキャストも初めてで、自分と同じ役を演じる村井良大さんと1か月以上一緒に稽古できるのは楽しみですし、すごく心強いです。先輩の背中を見ながら頑張って、いいところは盗ませてもらおうと思っています(笑)」

 高校1年のときに、原宿で現在の事務所にスカウトされたことが俳優になったきっかけ。続けてきたサッカーと高校生活をまっとうしてから始めたいという自分の意思で卒業後の2015年に事務所に入った。

甲斐翔真 撮影/森田晃博

「■いちばん最初の仕事が菅原浩志監督の『写真甲子園0・5秒の夏』という映画で、北海道に泊まり込みのロケだったんですけど。それまで俳優や芸能界に全く興味がなかったサッカー少年が、いきなり北海道に放り出されて、芝居しろって言われて本当に大変でした。

 夏だったので熱いし過酷で、撮影中は1ミリも楽しいなんて思えなかったですけど、完成した作品を見て“映画ってこうやってできるんだ”っていう感動があって。それが始まりで『仮面ライダーエグゼイド』に出演して、いろいろなドラマに出させてもらって、“役者で生きていくんだな”って思うようになりました。

 原宿を歩いていたら奇跡が起きて、だから今ここにいるし、今回の舞台にも出られるって考えると人生ってすごいなって思うんですけど」

 性格は、好きなことにはとことん打ち込む気分屋で負けず嫌い。

■「褒められると伸びないんですよ、僕(笑)。褒められるより怒られるほうが、頑張れるし結果的に必ず伸びると思う」

 今後の目標を尋ねると。

「■甲斐翔真ってなんかいいよねって言われるようになりたいですね。なんかいいよねっていろいろ詰まっている気がして。文字面では伝わりづらいですけど。心のどっかに触れるような、人の心に何かを残せるような役者になりたいです。■でも、まず自分の夜神月を演じ切ることですね。そして『デスノート THE MUSICAL』をより多くの方に知ってもらって、劇場に来ていただきたいです!」

かい・しょうま 1997年11月14日、東京都出身。'16年『仮面ライダーエグゼイド』でドラマデビュー。今年は、ドラマ『電影少女-VIDEO GIRL MAI 2019-』『いつか、眠りにつく日』、『パラレルスクールDAYS』、映画『君は月夜に光り輝く』などに出演。映画『シグナル100』が2020年1月24日公開。2月15日〜16日に『15th Anniversary SUPER HANDSOME LIVE「JUMP↑ with YOU」』出演。

■『デスノート THE MUSICAL』

『デスノートTHEMUSICAL』(c)大場つぐみ・小畑健/集英社撮影:萩庭桂太

作曲:フランク・ワイルドホーン 演出:栗山民也 出演:夜神月役・村井良大/甲斐翔真(Wキャスト)、L(エル)役・高橋颯、ほか。東京公演:1月20日〜2月9日@東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)/静岡公演:2月22日〜23日@清水マリナート/大阪公演:2月29日〜3月1日@梅田芸術劇場 メインホール/福岡公演:3月6日〜8日@博多座【公式サイト】http://horipro-stage.jp/stage/deathnote2020/

取材・文/井ノ口裕子 ヘアメイク/Emiy

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