神田松之丞改め六代目神田伯山「毒舌はやめない」、野暮じゃない戦略家の顔

神田松之丞(36)が、六代目神田伯山を襲名

 演芸界ではいま、前代未聞の襲名披露興行が行われている。

 タレントの滝沢カレンと共演するテレビ番組『松之丞カレンの反省だ!』(テレビ朝日系)、爆笑問題の太田光と毒舌をやりとりする『太田松之丞』(テレビ朝日『お願い!ランキング』内番組)などメディアでも露出が多い講談師・神田松之丞(36)が、六代目神田伯山を襲名。その披露目が11日、東京・新宿末広亭で初日を迎えた。

■「前日の午前3時の段階で、20数名の徹夜組がいましたよ」(演芸関係者)というほど、「最もチケットが取れない講談師」という惹句を裏づける人気だ。

■毒舌は「今後も変わらない」

 それに先駆け、今月9日、東京・浅草ビューホテルで披露パーティーが行われた。落語家の立川志の輔、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー、タレントの滝沢カレンや松本明子、放送作家の高田文夫氏ら関係者約400人が出席した。

■「滝沢のスピーチが秀逸でしたね。普通なら『講談の“コ”の字も知らない私を』と言うところを『講談の“ラ”の字も知らない私を』とやって、出席していた落語家も爆笑でした。滝沢のセンスが光りましたね」(スポーツ紙記者)

 披露興行初日も異例ずくめで、普段はふらりと行ってチケットを買えば自由に入れる寄席も、早朝から整理券を出しての対応。30社近くのメディアも駆けつけた。

■「芸人の真打ち昇進披露に、記者が取材に来るのはこれまでもありましたが、民放のテレビカメラが取材に来るのは珍しい。それだけ人気だということです。カーテンコールが沸き起こったことも驚きましたね。寄席でありえない! 終演後、伯山が高座で記者会見を開きましたが、これも記憶にありません。何もかもがケタはずれなのです」(前出・スポーツ紙記者)

 大名跡の襲名初日にも本人は「びっくりするくらい緊張しなかったです」と平然。周辺の高揚感には■「祭りに参加したいエンターテインメントみたいな感じになっている、いいことだと思います」と分析した。

 テレビやラジオで発揮している毒舌についても「今後も変わらない」と、伯山襲名後も継続を宣言。そのうえで■「NHKの番組に出たい。NHKに出ることによって、ほかの番組でふざけられる。季節ごとにラジオのオファーがありましたが、知り合いのディレクターがNHKを辞めることになったんで、新しいNHKの方を募集している感じですね」と、ちゃっかり自分を売り込むことも忘れない。それがまた野暮じゃない。

 寄席芸人としてYouTubeも駆使。■「江頭(2:50)さんほどじゃないにしても、たくさんの方が見にきてくれている。パーティーの模様を上げたら、結構こういうの新鮮、テレビの尺じゃ見られないと。文字だけでもいいんですけど、動画で見る方が理解しやすいのかなと」と、手応えを明かす。

 自分をどう見せていくのか、講談を知らない人間にどう切り込んでいくか。芸の魅力もさることながら、そのあたりを常に踏まえているなかなかの戦略家である。

<取材・文/薮入うらら>

関連記事(外部サイト)