陣内智則がなぜか再ブレイク、決め手はリモート向き“芸風”と「鉄板ネタ」

単独ライブ&囲み取材での陣内智則('16年)

 コロナ禍で苦労する芸人が多いなか、■陣内智則が好調だ。

■陣内智則が大活躍の背景

 5月20日(水)から23日(土)にかけては、4日間で6本の人気番組に出演。『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』(日本テレビ系)に始まって『VS嵐』(フジテレビ系)『アメトーーク!』(テレビ朝日系)『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)『ネタパレ』『ENGEIグランドスラム』(ともにフジテレビ系)に登場した。

 特に『VS嵐』では、4月末の収録時、微熱の影響で欠席した櫻井翔の代役という重責を担うことに。本人もツイッターで、

《■訳あって嵐のメンバーに。。娘が大きなったら、パパは昔、嵐のメンバーだった時あるんだよーと言ってあげよう!》

 と、興奮気味に予告していた。

 陣内のタレントとしてのピークは、関西ローカルだった冠番組『なるトモ!』(読売テレビ)が全国区に昇格したり、藤原紀香との熱愛が騒がれたりした'06年前後だろう。それ以来というのは大げさでも、再ブレイクに近い活躍ぶりだ。

 では、なぜ、好調なのか。もともと、人気も実力も安定している芸人だが、今は何より、芸風がリモート向きであることが大きい。

 ■■ひとりでのコントとはいえ、部屋のソファーに座ったりしながら、もっぱら舞台装置の映像や音声にツッコミを入れるというものだから、リモートでの機械を介した離れたやりとりでも変わらず、そつなく笑いがとれるのだ。さらに、司会もひな壇もやれるので、スタジオにいても自宅にいても、的確に回せるしボケることもできる。

 そしてもうひとつ、見逃せないのがあの鉄板ネタ。21日の『VS嵐』では、ザキヤマこと山崎弘也に「今の気持ち、奥さんに向けてひとこと?」と乗せられ、

「■どの奥さんや? 今の奥さんやな。がんばってるよ」

 と、ボケてみせた。そこに松本潤が「どの、はないでしょ?」とたたみかけ、スタジオは爆笑。

■離婚ネタの対応に「陣内の人柄」

 また、翌日の『ヒルナンデス!』では、こんな場面があった。久本雅美が「写真立て」を集めているという話題から、南原清隆に「陣内くんは、写真立てにどんな写真を入れてるんですか」と聞かれ「ホント、幸せなかたちが入ってますよ。見せてあげたい。ホントに幸せな3人の写真が入ってますよ、いっぱい」と回答。すると、南原が「前の人の写真は入れてませんね」とお約束的に話を向ける。陣内は、

「■前の人はあるわけないでしょ。なんで飾らなあかんねん」

 と返し、これまた爆笑を生んでいた。

 もちろん“前の人”とは'07年に結婚して、2年後に離婚した藤原紀香のこと。結婚式と披露宴は芸能界最後の派手婚ともいうべきもので、テレビ中継もされた。結婚式でふたりが着た平安貴族のような衣裳や、披露宴で陣内が挑戦したピアノの弾き語りなど、ツッコミどころも満載だった。

 離婚の原因は陣内の浮気とされるが、紀香のほうも友人のはるな愛とつるんでばかりいたという話があり、夫婦ともに明るいキャラだからか、悲壮感はそれほどでもない。

 なにせ、陣内が弾き語りした『永遠にともに』を本家のコブクロがライブで歌おうとしても客席から笑いが漏れるため、離婚から6年間も封印されていたほど。それが解禁されたことをツイッターでコブクロのファンに知らされた陣内は、

「■コブクロ大好きです!」

 と、喜んでいた。

 とまあ、こうした派手婚と浮気離婚の経緯は多くの人に共有されている。それゆえ、鉄板ネタとなるわけだ。

 もっとも、■このネタを陣内から振ることはない。誰かに振られてから、困惑気味にリアクションするのがいつものパターンだ。紀香の事務所への配慮もあるだろうが、それ以上に彼女本人への気遣いだろう。

 というのも、陣内はフジテレビの■松村未央アナと'13年に交際をスタートさせたが、ゴールインは4年後。まるで前年、紀香が片岡愛之助と再婚するのを待っていたかのような流れだった。

 松村アナは初婚だし、陣内も子供は欲しかったはず。'18年には長女が誕生したが、そのときもザキヤマに「やっぱ(名前は)のりかちゃんに?」といじられていた。

 しかし、紀香より先に再婚しなかった事実からは、陣内の義理堅さも感じられる。これが意外とちゃんとしているという印象ももたらし、今の好調にもつながっているのではないか。

 23日の『グランドスラム』では、飛び出す絵本を使ったネタを披露。1歳7ヶ月の娘と遊ぶ、よき父親ぶりもなんとなく彷彿とさせた。主婦層の好感度も上がれば、この好調はまだまだ続くことだろう。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。

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